出版社 : 幻冬舎
現役をリタイアした技術者である浅野・佐藤・林の三人は、農業・漁業・林業のスマート基盤を整備するため過疎の離島に渡る。地域経済の自立化を目指す実証実験は順調に進むが、台風とともに突然船団が襲い掛かる。先端技術を駆使して立ち向かうが。先端技術の時代でも守るべきものは何か人生の郷愁の中で問い続ける近未来SF小説。
「約束は守った…伝えてほしい…」それが、無差別通り魔事件の被害者となった飯山晃弘の最期の言葉だった。自らも重傷を負った明香里だったが、彼女を助け、身代わりとなって死んでしまった飯山の言葉を伝えるために、彼の人生を辿り始める。この言葉は誰に向けたものだったのか、約束とは何なのか。決して交わるはずのなかった人生が交錯した時、慟哭の真実が明らかになる。
時は「大坂の陣」の数年前ー。いまだ盤石でない徳川幕府を案じる老齢の家康は、二代将軍である息子・秀忠を揺るぎない天下人にするための体制づくりを急いでいた。一方、豊臣家の威信凋落を肌身で感じる淀殿は、愛息・秀頼の復権に向けた効果的な打開策を見つけられず、焦操感を募らせていた。宿命と因縁に翻弄され、矜持と野心の狭間で揺れ動く二人は、やがて雌雄を決する最期の戦いに、それぞれ活路を開こうとするが…。己の「死」の先に見出そうとした「希望」とは何だったのか?まったく新しい「家康像」を描き出す感動の歴史ロマン!!
大学の旧友「小説同好会」のメンバーのもとに届いた真一の訃報のしらせ。葬儀で久々に顔を合わせた蒼佑・幸人・由宇の3人は真一の夢を叶えるべく「流れ星」と「民話」をテーマに物語を書き1冊の小説を出版することを決意して…。沖縄県石垣島の美しい自然を舞台に描かれた短編青春小説集。
99歳になった敏子。第二次世界大戦を経験した敏子は、当時の生活を語り継ぐべく話し始める。姑にいびられ、初孫である息子も可愛がってもらえなかったある日、1歳になった息子が高熱を出し病院に行くと、栄養失調が原因で体調を崩していることが判明し…。昭和初期の生活や家庭環境を描いた「白寿の記憶」。ほか、多様な結婚や仕事観を持ったヒロインが紡ぐ物語3作品を収録。
妻との離婚以来5年ぶりに会った愛娘とともに、テーマパーク・ドリームランドを訪れた元刑事の仲山。楽しい時間は束の間、2人が観覧車に乗った直後、何者かによって観覧車が乗っ取られ、人質となってしまう。「小人」を名乗るジャック犯に連絡役として指名された仲山と娘・凛の運命やいかに。そして、地上で事件解決の指揮を執っている貝崎は、5年前のクリスマスイヴに起こった未解決事件に関して互いの秘密を握り合う因縁の相手でー。絡み合う二つの事件とそれぞれの思惑。ドリームランドを象徴する巨大観覧車に隠された衝撃の真相とは。
東大出身、元厚労省のキャリア官僚、真波莉子。問題は解決せずにはいられない「何でも屋」で、退官後もファミレスや病院を立て直したり大忙し。その評判を聞きつけまた新たな問題が舞い込み何故か限界集落を活性化させるハメに。そこに勝気な敏腕コンサルが現れてー。
故郷の村を突然、山賊に襲われてしまったユージン。愛犬・ジュピターと仲間達とともに、父の形見「四天王の剣」を携えて戦う決意をするがー。釈迦、イエス・キリスト、モハメッドがもし同時代に生きて、互いに交流をしていたら…。カリフォルニア在住の著者が紡ぎだす、壮大なスケールの歴史ファンタジー小説。
過去と現在が織りなすみずみずしくも切ない愛の物語。青春時代に想いを寄せた女性と思いがけず再会した貴藤。よみがえった記憶に二人の時間は自然と重なった。しかし動き始めた時計は悲しい結末へと進むー。
皇帝武宗の宰相に上り詰めた人物はなぜ破滅に追いやられたのか。唐代中国史に刻まれた大事件「会昌の廃仏」。その首謀者とされたのは、王朝の存続に貢献した李徳裕という男だったー。信念を貫き懸命に戦った彼の栄光と凋落に迫る歴史巨編。
小説家志望の青年・佐倉愁が住むことになったいわくありげな洋館。いかにもな新居で愁の前に現れたのは、裸にYシャツの美少女幽霊、さくらだった。さくらの過去、巷で起こる怪事件をめぐる、“さくらいろ”ドキドキ同棲生活がはじまる。
エリート官僚の秀一は人間関係を顧みない仕事人間。突然、周囲の音が聞こえなくなる謎の発作に襲われ、誰にも相談できずに退職を余儀なくされてしまう。進むべき道を見失い、放浪の旅に出た秀一が出逢ったものとはー。ふらっと訪れた先々で見つけたのは、鮮やかに輝く自然、そして人々の営みー。大切な人達との出逢いとロマンス、そして人生の夢を見出していく様が情感豊かに描かれる感動作。
「龍になれ!」あの激闘から数年、冬星は過去を捨て、杣人として奥深い森で隠棲していた。ある日、少年を助けたことから新たな刺客に狙われることになったが、冬星は忍びの能力・幻道波術(ガイ)をすべて失っていた。北斗七星舎社中や軒猿毘沙門衆の仲間との再会から、おのれの運命を知り、そして、自ら運命を切り開くため、幻道波術を復活させ、最後の死闘を決意するー。謎の呪術師・御子との出会い、宿敵・魔僧と壮絶な闘い、そして冬星が最後に目にした風景は…。天鉄刀の生誕の謎が今解き明かされる!
1990年代、中国。一流大学に通う静凡は、ある雨の日、日本人留学生の光一と出会った。度重なるすれ違いや逆境を乗り越えた二人の行く先とはー。日本と中国を舞台に壮大なスケールで描く、長編小説。
大学受験に失敗した恭平を支えていたのは、二人の女性の存在だった。自慢の恋人、佳緒里は一学年下で男生徒憧れのマドンナ。もう一人は、秘かに“ヴィーナス”と呼ぶ謎の女性。二人の女性に翻弄されながらも、後輩サッカー部の指導に奮闘していた或る日、恭平自身を支えていた全てが音を立てて崩れ落ちていく…。
群集恐怖症を持つ小学校教師の美咲は、クラスのいじめに手を焼いていた。ターゲットは、“悪魔の館”に母親と二人で住む転校生のめぐみ。ケアのために始めた交換日記にめぐみが描いたのは、人間に近いけれど無数の小さな目を持つ、グロテスクな小人のイラストだった。机の裏に、絨毯の下に、物陰に。小さな悪魔は、あなたを狙っている。