出版社 : 幻冬舎
警視庁上野署の若手署員がナイフを持った男に襲われた。品川では元警官が銃弾に倒れ、犯人には逃送されている。一方、指定暴力団の印旛会も幹部の事故死や失踪が続き、混乱を極めていた。組織犯罪対策課の八神瑛子は、ご法度の薬物密売に突然手を出して荒稼ぎを始めた印旛会傘下・千波組の関与を疑う。裏社会からも情報を得て、カネで飼い慣らした元刑事も使いながら、真相に近づいていく八神。だがそのとき、彼女自身が何者かに急襲され…。手段を選ばない捜査で数々の犯人を逮捕してきた八神も、ここで終わりなのか?
新米刑事の優希は昏睡状態の容疑者の元へ通い続けていた。ある日、容疑者の妻が夫の髪を切ってほしいと美容師を呼びつける。いつものように容疑者の妻と秘書に事件のことを聞いていると、髪を切っていた美容師が、「犯人は別にいる」と言い出して…。髪に残された記憶を辿り、不思議な力を持つ美容師と、一人の新米刑事が事件の真相に迫る。難航する捜査を解決に導いたのは偶然出くわした一人の美容師だったー。
人間関係がうまくいかずに辞めてしまった前職のこと、結婚のこと、両親のこと。さまざまな悩みを抱えながらもギャラリーで働く愛澤繭子はある日、オーナーの紹介で現代アートの芸術家・カメさんに会いに行くことになりー第二次世界大戦や関東大震災、東日本大震災…。百歳を迎えた伝説の芸術家・カメさんが生涯を通して貫いた強く、純粋な思いとはー。思想を表現に託して生きた姿を繊細な筆致で描いた社会派小説。
私たちは生きていく。愛しい人の命を継ぎながら。人生を変えてくれた恩人を訪ね異国の地に根を下した少年、武。朝鮮戦争の休戦開始から数年後の韓国と日本を舞台に彼と家族たちのその後を描いた物語、感動のフィナーレ。
東京の荒川の河川敷で高校生の水死体が見つかった。所轄の警視庁千住署が自殺と断定したが、遺族は納得していない。遺体の首筋には引っかき傷があったうえ、高校生は生前、旅行を計画していたという。両親が司法解剖を求めたものの千住署の刑事に断られ、恫喝までされていた。本部捜査一課の樋口は別動で調べ始める。しかし、我々の捜査にケチをつけるのかと千住署からは猛反発を受け、本部の理事官には「手を引け」と激しく叱責されてしまう。特別な才能はなく、プライドもないが、上司や部下、そして家族を尊重するー。等身大の男が主人公の人気シリーズ最新作。
高度知的無機生命体・機械兵に支配され、人口の95%が失われてしまった世界。放浪の旅をするエリサとゲイツは、幼き最高司祭者・サヤが統べるアオキ村へと辿り着く。当初は村人たちと距離のあった2人だったが、次第に打ち解け村を挙げての祭りに招待される。そんな折、村の近くで機械兵の残骸が見つかりー。
21歳のソープ嬢ブロガーと13人の投稿者が本音で人生を語るブログ形式の長編小説。
暗闇を照らす剣・聖穿の剣と、光を飲み込む刀・闇凶刀。理想の世界を切り開くために、相反する者同士が激突するー。未来を掴み取るのは、「闇」か「光」か。世界の命運を左右する伝説の刀剣を手にした少年たちの、長きにわたる戦いの物語。
六四五年、六月十二日。曇天の下、朝鮮三国が大王に貢物を献上する儀式に招かれた蘇我入鹿に凶刃が迫る。後にいうところの「乙巳の変」である。そして白村江の戦い、大友王子を討った「壬申の乱」へ。大化の改新に代表される激動の飛鳥時代、そこには現在の皇位継承問題に通じる命を懸けたドラマがあった。『日本書紀』『万葉集』をもとに紡ぐ長編歴史小説。
1987年、長きにわたる戒厳令が解除された台湾ー。全寮制のカトリック系男子高校に通うアハンと、転校生のバーディは、校内のブラスバンド部で出会い、次第に惹かれ合うようになる。特別な愛情に戸惑いながらも青春を謳歌する二人だったが、学校が男女共学になったことで、その微妙な関係が狂い始め…。大手書店チェーン「台湾誠品書店」で12週連続第1位(小説部門)!台湾最大ネット書店「Books.com.tw」で年間TOP100ランクイン!アジアで初めて同性婚を法制化した台湾で6万部突破、異例の大ヒットを記録した長篇小説。
公立小学校の教師になって五年目のひかりは、都内の赴任先で衝撃を受けていた。授業中に教室を出て行く今田真亜紅、不登校気味で給食だけ食べに来る佐内大河、クラス分けに抗議をする児童の母親、日本語が話せないベトナム国籍のグエン・ティ・ロン。前任者は鬱で休職中。さらに同僚からは「多くのことを見ないようにしてください」と言われてしまう。持ち前の負けん気に火がついたひかりは、前向きな性格と行動力で、児童ひとりひとりに向き合おうとするが…。あたたかな涙あふれる傑作長編。
幼い頃から数奇な運命に弄ばれてきた雫。そんな彼女を側で支え、愛し続けた透。つらく苦しい数々の出来事を乗り越えて、永遠を誓った二人だったがー。衝撃の青春ミステリー。
出世コースでもない、恋愛もうくまできない。それでも続く人生。旬も過ぎ社内不倫の“前科”で腫れ物扱いの40代独身女性アナウンサー。娘とは冷戦状態、同期の早期退職に悩む50代の報道デスク。好きになった人がゲイで望みゼロなのに同居している20代タイムキーパー。向上心ゼロ、非正規の現状にぬるく絶望している30代AD…。世代も性別もバラバラな4人を驚愕の解像度で描く、連作短編集。
明治末期に実在した若き芸術家たちのサロン、その名も「パンの会」。隅田川沿いの料理店「第一やまと」に集った。木下杢太郎、北原白秋、石井柏亭、石川啄木等々が推理合戦を繰り広げる。そこに謎めいた女中・あやのも加わってー若き芸術家たちが謎に挑む傑作青春ミステリ。
夏海は裕福といえる家庭に育った。だが、エリートの父は姉弟に教育虐待を加えた。逃れるようにドロップアウトした夏海は現在38歳、SMの女王として生計を立てている同居人の自称俳優の時生は、酒に酔うと「社会不適合者が」と詰りながら夏海を殴る屑のような男との暮らし、精神を病んだ弟から連日届く呪詛のようなメールー果てのない悪夢のような毎日に、弟の自殺の報せが届く。
武蔵証券の秋月は、自らを出世コースから外れた人間と認識していた。そんなある日、自社が、大手外資・ウォールストリート証券救済に動いているという新聞記事を目にする。真偽を疑う社内の空気をよそに、「一万五千人の社員受け入れ。世界規模の事業拡大」が発表された。スーツの下に秘された金融マンたちの実像を描く。破綻した米大手証券を統合する!突然発表されたトップの決断の裏にある真実とはー。元証券会社勤務の著者が業界内部を緻密に描いた本格経済小説。事件の裏側を登場人物がインタビュー形式で語る“ポストモーテム”を各章に収載。
父親は大企業の代表、母親は世界的ファッションブランドの社長。そんな家族がごく普通の一般家庭に扮する理由とは…?個性豊かなキャラクターが繰り広げる、至極のエンターテインメント小説。
シムカ1000、アルファ・ロメオ・ジュリエッタ・スパイダー、ボルボ122S、BMW2000CSクーペ、シトローエン2CV、ジャグヮーXJ6、メルツェデス・ベンツ300SEL6・3、ポルシェ911S、サーブ96S…9人の女性たちを彩る9台の車…時は流れ、ぼくは進む。究極の恋愛小説。