出版社 : 徳間書店
能面の謎を解いたとき、天下を揺るがす驚愕の真相が明らかになる!時は元禄。金銀産出の激減に苦しむ佐渡で、立て続けに怪事件が起こった。御金蔵から消えた千両箱、三十六名が命を落とした落盤事故、能舞台で磔にされた斬死体、割戸から吊り下げられた遺体…。いずれの事件現場にも血まみれの能面「大癋見(おおべしみ)」が残されていた。振矩師の静野与右衛門は、奉行から広間役の間瀬吉大夫の助手として、真相解明を命ぜられる。吉大夫に反発しながら、調べを進めるうち、その才覚と人物、謎めいた過去に強く惹かれてゆくがー。佐渡金銀山に隠された恐るべき秘密とは?!
師匠のベルダさんが愛用していた万年筆のインク、“六番目のブルー”を探し求めてジャン叔父さんと旅をつづけてきた14歳のオリオ。インクの秘密を解く鍵が奇妙な唄にあるとわかるが、なかなか見つからない。そんなとき、迷えるオリオを導いたのは世にも稀な「本当の真っ赤な林檎」だったー。ロングセラー『月とコーヒー』に連なる“インク三部作”完結篇!
神田川の護岸に設けられた排水口から、遺体が発見された。台風の雨で増水した影響で、遺体は地下水路の「暗渠」を通って流れ着いたようだ。死後数日経過しており、猛暑で一部は腐敗も始まっていた。和泉署に合同捜査本部が立てられ、宮下は久しぶりに真壁と組むことになるのだが、そこには“お客様”も加わることになった。暗渠に妙に詳しいその客は謎に包まれていたー。13万部突破『痣』の名コンビ復活!宮下刑事&真壁刑事が欺瞞の闇に迫る警察ミステリ!
婚約者との結婚を控え、何の不自由もなく暮らしていた紫。あるダンサーとの過ちを機に、高校時代に惹かれた柿本先生に手紙を出すことに。そこで綴られるのは、幾度となく先生が話してくれた『源氏物語』のことだったー。『ギフテッド』『トラディション』著者が描く、『源氏物語』を題材とした歌舞伎町文学の新境地。
脱出不可能な孤島、足抜け厳禁の遊廓、追手だらけの深山。絶体絶命の窮地を罪人は逃げきることができるのか!歴史小説の第一人者が描く江戸の闇。唯一無二の逃亡短篇集。地獄から生き延びよ!
対象:岡崎紅火、女子大学院生。世界の未来を握る娘を護れ!近未来の国際情勢や世界経済を驚くほどの的中率で予測する機密文書“ホワイトペーパー”。亡き父から文書を託された娘は各国の諜報組織から狙われることにー。本名・年齢不詳。ボディガード・キリの熾烈な闘い。
十八歳で長野から出てきた中山晋平は、島村家の書生として「早稲田文学」の編輯補佐をしていた。しかし、師の抱月や編輯部員たちの文学談義はちんぷんかんぷん。知識も才能もない晋平は、どこか居心地の悪さを感じている。俳優養成所の設立、海外作品の翻訳・演出から新劇の発展に情熱を燃やす抱月に接するうち、晋平の心中に表現への希求が芽生えてきた。「カチューシャの唄」「ゴンドラの唄」「てるてる坊主」。100年経った今なお歌い継がれる名曲に秘められた想いとは。童謡「シャボン玉」発表から100年。作曲家・中山晋平知られざる波乱の人生。
沙代子は夫の暴言に耐えきれず、衝動的に家を出て、車を走らせていた。そこに飛びだしてきたのはキャバクラ嬢の紫苑。彼女は沙代子の車に乗り込んできて、スポーツ公園の体育館の植栽に隠されているボストンバッグの回収を命じた。中に入っていたのは、なんと現金3000万円!紫苑は金の持ち逃げを提案。この金があれば、沙代子の実家・印刷所の倒産はまぬがれる。しかし、その金は実は誘拐事件の身代金で…。暴力団に、闇の犯罪集団、想定外の連中に追われる羽目に陥った二人。異色のバディは窮地を乗り切ることができるのか!?
「ねえ先生、私まだ生きていていいんでしょうか?」「あたし、人の気持ちがわからない子なんです」臨床心理士の藍が出会ったのはある殺人事件をめぐる二つの家族。背後に潜む“闇”に気づいたとき、事件の真相が見えてくる!現役記者が描く、渾身の社会派長篇小説!
長野県警松本署に奇妙な電話があった。知らない男が敷地にいたので声をかけたが一言も喋らないという。道原らが駆け付け、男の身元を調べたところ、七年前、市内の老人ホームで起きた現金窃盗事件の容疑者で元職員の滝谷文高であることが判明する。なぜ彼はそこにいたのか。謎が残ったまま滝谷を解放することになったがー。その数日後、道原は驚愕の連絡を受ける。横浜で起きた殺人事件の容疑者として滝谷が浮上、さらには行方不明だというのだ!横浜、新潟、仙台…逃亡者・滝谷を追う必死の捜査が始まった!
道場剣一筋の真木誠二郎は、裏目付の佐野に見込まれてある御役目を言い渡される。尊王攘夷派の黒幕を誅殺すべく、江戸から京まで刺客の供をせよというのだ。鬼のような刺客と聞いて生来の臆病者である誠二郎は怯えるが、現れたのは年端もいかない少女・美津だったー。時代小説に新風を起こす業火の仇討ち旅が始まる!
マンションの一室で三十八歳の女性が睡眠薬を服用して死亡。遺書らしきプリントも見つかった。警視庁捜査一課の大河内部長刑事は現場の不自然さに気づく。パソコンからはメールが消去され、死の前日にスーパーの宅配サービスに注文をしていることもわかった。そして事件当夜には男女の言う争う声も聞かれていた。女性は、高校時代の同級性が娘のために立ち上げた移植手術のための募金活動に関わっていた。だが、寄付金の管理に不正を指摘する声があり、彼女のまわりには不穏な影が濃さを増していく…(「砂時計」より)
母が殺された。父の手によってー。王マンスは、父・ヨンスクによって母が殺された14歳の夜を忘れない。父は事故だと言い張るが、マンスは信じない。心に誓った。父を許さない、と。決意したマンスは、先輩・井尻の「助言」に従い、父が経営するパチンコ店に見習いとして就職する。父は、姫路市内でチェーンを展開するパチンコ長者になっていた。社長の息子であることを隠しながら下働きをするマンスには、ある計画があった。父を地獄に叩き落とす、凄烈な計画がー。パチンコ店を舞台に、金に魅せられた怪物たちの騙しあいが始まった。