著者 : Y.A
ヴェンデリンとそのゆかいな仲間たちの幼年期、黎明期を描く番外編第二弾!『カタリーナという名の少女』:ヴァイゲル家が改易され、祖父母に続き両親をも失った幼いカタリーナは、御家再興を決意する。と同時に、友となる家臣を得ようとするが、いくら活躍してもどういうわけか友達ができる気配はなく…。『衝撃の出会い』:冒険者予備校を卒業したカチヤだったが、未成年では魔物を狩れず不満を持っていた。そんなある日、凄腕の魔法使いリサと出会いパルケニア草原解放作戦参加の糸口を掴む。だがそれは壮絶な日々の始まりであった。『最後の一週間』:バウマイスター騎士爵領を出るヴェルの送別パーティーのため、食材を集めることになったアマーリエ。ところが、なぜか主賓であるはずのヴェルも手伝うこととなり…。
ヴェルたちの活躍によってオットーの野望は打ち砕かれ、世界に平和が戻りつつあった。そして今回の功績により、ヴェルは国王陛下のお墨付きで念願の「育休」を手にする。だが、愛しい我が子らとの日々の中へ、巧みに仕組まれていたローデリヒの策に気づけず、結局ヴェルはアキツシマ島で一仕事するのだった。一方、何者かに攫われたブレンメルタール元侯爵は、その者の手により人ならざるものへと変貌させられ、ヴェルに対する恨みや怒りといった負の感情から生み出されるエネルギーを搾取されていた。やがて用済みとなり、面白半分で野に放たれたブレンメルタール元侯爵は、憎きヴェルに復讐すべくアキツシマ島へと移動を開始するのだった…。ヴェルへの恨みがある限り無限に再生!?思わぬ強敵に大苦戦の第二十八幕!
ヴェンデリンとそのゆかいな仲間たちの幼年期、黎明期を描く待望の番外編第一弾!『狩猟勝負』:冒険者予備校にて躍進を続けるヴェルに目を付けたブライヒレーダー辺境伯家重臣の子息らが、自分たちこそがヴェルとパーティを組むのに相応しいと、強引に引き抜きをかけてきた。断固拒否するヴェルだったが、相手の親も出てきて大騒動になっていく…。『英雄症候群の少女ヴィルマ』:無類の怪力を宿すも人の何倍もの食料を必要とするヴィルマは、家の台所事情もあり五歳にして飢え死にを防ぐための狩猟生活を始める…。そんな過酷な生活を続けること幾年、誰も使いこなせないでいた豪弓をその持ち前の怪力で引いてみせた時、ヴィルマの運命は大きく動き出すのだった。『聖女誕生』:幼いながらもエリーゼは聖治癒魔法の才、基礎的な医療知識、献身的な姿勢、貴族としての礼節を身につけ、「聖女」と呼ばれるまでに成長していく。そして、彼女はアンデッド古代竜を倒したという同い年の少年に興味を抱くようになり…。
あの世から帰還したヴェルたちの反撃の狼煙…の準備が進む。修行により魔法の強化が格段に上がったとはいえ、マナが薄いことに変わりはなく、いきなりの直接対決はやはり分が悪い。そこで、まずは教会本部に逃げ込んだ非戦闘員の救出と援軍、次いでゾヌターク共和国と交渉しオットーたちの件で賠償は求めないかわりに、王城攻略で必要となる魔力の提供を求めるなどして、ヴェルは着々と外堀を埋めていった。そんな中、オットーのサポーター会員たちがヴェル暗殺に乗り出すが、これが逆効果となった。その結果、オットーたちはゾヌターク共和国での後方拠点並びに支援を失い、王国内で孤立する羽目になるのだった…。いよいよ始まる王都奪還作戦!頭角を現し始めた魔王様の活躍にも注目の第二十七幕!
オットーたちに倒され、行方不明になっていたヴェルは『あの世』にいた。そんな自身の状況を掴めていないヴェルの前に亡き師匠アルフレッドが現れ、オットーたちへリベンジするための修行の開始を告げる。先にあの世入りをしていた導師やブランタークは既にヴェルより数段強くなっており、当面ヴェルは彼らに追いつくことが急務となった。この神が介入してくるほどの超法規的措置は、オットーたちが企てていることの危険性を如実に表しており、更にお気に入りであるアルフレッドの弟子や師匠、友人を救ってやろうという恩情でもあり、地上における貴重な駒にするという思惑でもあった。そしてヴェルたちは修行の総仕上げとして、地獄を暴れまわっているという四体のドラゴンを討伐することに。そのドラゴンはヴェルたちが過去に倒したドラゴンたちであり、地獄堕ちしたことにより強力になっているらしい。はたして四人共闘による討伐の行方は…。圧倒的な力を手にし、ヴェルは窮地に立たされている仲間や家族、王国を救うことができるのか!?ヒーローは遅れてやってくる…?胸熱の第二十六幕!
ブレンメ男爵家の一件ですっかりブレンメルタール内務卿に恨まれてしまったヴェルは、エルにアルニム騎士爵領を相続させようという、いかにも大貴族らしい嫌がらせをされていた。エルを失うわけにはいかないヴェルは、クラウスをエルの補佐として派遣し献策で支えつつ、自らはアルニム騎士爵領の開発を行い、新領主を呼び込むべく尽力するのだった。一方、オットーたちは北の大陸で発掘した巨大魔道具の修理を完了させ、稼働段階へと移行させていた。その効果は『世界中の魔法使いの魔力回復量が半減する』というもので、各国の開発や経済に多大な停滞と混乱を招く。これに伴い、ただちに導師とブランタークが原因究明に動くも、二人は突如として消息を絶ってしまう。さらに、そんな彼らの捜索に出たヴェルさえも行方がわからなくなってしまうのだった…。王国屈指の魔法使いの消失に端を発し、世界はオットーの手に落ちるのか!?過去最大のピンチ!万事休すの第二十五幕!
魔族との初邂逅から一年、ヴェルはアグネスら弟子三人娘、フィリーネとの結婚式を迎える。式がひと段落したころ、ブライヒレーダー辺境伯が『ハグレ魔族』に起因する厄介事を語り始めた。辺境伯によると、魔法使いのいない地方貴族が、魔法が使える者なら魔族でも問題ないとして彼らを雇い入れ、代々抱えている細かい諸問題をその力で強引に解決しようとしているのだそうだ。かえって傷口が広がるとも知らずに…。そして案の定、紛争は起こる。借金苦のブレンメ男爵家の嫡男イーヴォが、マインバッハ騎士爵領内にある魔導飛行船の発着場を占領すべく『ハグレ魔族』を率い動き出したのだ。その情報は、ブレンメ男爵家の令嬢イヴァンカが文通相手であるアマーリエの息子カールに宛てた手紙から判明したのだが、これを知りヴェルは動揺を隠せないでいた。-あの幼く可愛かったカールが貴族令嬢と文通…いったいいつの間にリア充に…。各地の紛争に甥っ子の文通事情。ヴェル的にはどっちも苦い感じの第二十四幕!
無限に負の力を吐き出すとされる怨念小箱を破壊すべく裕たちは行動を開始するが、強くはないものの数が尋常ではない旧山中村の村民の悪霊に苦戦を強いられる。歯ごたえのある仕事を立て続けに投下してくる菅木に、裕は除霊師使いの荒さを痛感するのだった。そんな菅木より次なる依頼が舞い込む。内容は行ってのお楽しみらしく、出向いた先で裕たちを待っていたのは、今売り出し中のアイドル「葛山里奈」であった。彼女は何者かに睡眠を妨害されているらしく、目の下に隈ができていた。そして彼女の話を聞く限り、これは生霊の仕業なのではと裕は推測する。であれば、少しばかり厄介だとも彼は口にするのであった…。生きている限りリスボーンを繰り返す粘着質な敵!それに抗うアイドルにまさかの才能が!?新たな仲間が見え隠れする待望の第三幕!
王国は魔族との関係性を踏まえ、五年に一度行われる帝国への親善訪問をより短いスパンで、より有意義なものとすべく、新たに親善友好団を創設した。団長にはヴァルド王太子が就き、付き添いの若き大貴族としてヴェルが選ばれ、一行は帝国へ赴く。だが蓋をあけてみれば、そんな大義名分とは裏腹に、ヴェルへ親善友好団参加という休暇を与え、親密になりたいヴァルドと、ヴェルと昆虫採集に勤しむペーターの姿がそこにあった。一方、新しい魔族の国を作るべく旅立ったオットーたちは、古代魔法文明の遺産を求め帝国の北、極北の大地へとたどり着いていた。人も魔族も住めないこの手つかずの大地に、世界を統べるための遺産が眠っていると信じて…。そして親善友好団の日程を終えたヴェルたちもまた、極北の大地へ向かった。王国、帝国、ともにこの地の調査と、氷の下に眠る魔道具の入手が目的だというが、はたして…。偶然にも名だたる曲者たちが集ってしまったこの極寒の地より、新たな物語が動き出す!
除霊師の大家、安倍一族ですら成しえなかった除霊に成功した裕は、報酬である戸高ハイムにて久美子との同棲生活を送ることとなった。久美子にとってはこの上なく幸せな生活が始まったと思っていたのだが、なぜか涼子とも住むはめになり、久美子の不満は日々山積していく。その涼子を新たな仲間に加え、裕は何者かの尻ぬぐい的な仕事を淡々とこなすなか、さらなる厄介事が通っている学校のほうからやってくる。ある日生徒会室に呼ばれた裕たちは、学校に巣食う心霊現象を解決するために「心霊委員会」を設立しようという生徒会長の熱弁を聞かされるはめに。ところがそもそも校内に心霊現象などなく、そしてなにより、除霊師をただ同然で働かせようとする身勝手さと魂胆に、裕たちは途方なく呆れ果てるのだった…。無能な働き者たちが続々と横行闊歩する、もらい事故多発な第二幕!
アキツシマ島平定の功績により、ヴェルは辺境伯に陞爵した。偉くなってもろくなことはないといったヴェルに、早速魔道具ギルドの会長の葬儀へ参列するようにとの話が舞い込んでくる。接点の無さを訴えるヴェルだったが、辺境伯ともなればそうはいかないとブランタークに諭され、泣く泣く王都へと飛ぶこととなった。葬儀の参列を終え、教会をあとにするヴェルは、街中でアーカート神聖帝国の皇帝であるペーターとまさかの再会を果たす。彼は魔族との交渉や、それによって生まれた混乱を解消すべく極秘裏に王国へ来訪したのだという。だがそれは、すぐにどうこうなる問題でもないため、今はとりあえず「どこか遊びに連れて行って」と、ペーターはヴェルにお願いするのであった…。皇帝とのお忍び接待に、巨大ガニの捕獲、今や恒例となった増え続ける嫁!そしてとあるメイドの物語がついに感動のフィナーレ!?アキツシマ統一後を描く第二十二幕!
レアスキル『ネットショッピング』によって、なに不自由のない砂漠の旅を続ける太郎。彼はいきなりララベルとミュウと結婚をしてしまう。だが、夫婦となった三人は気ままな旅を続けつつ、プールだ大浴場だラーメンだとマイペースに楽しんでいた。水の補給で立ち寄った小さな村や、観光で立ち寄った自称世界で一番古い町『オールドタウン』において始めたダンジョン探索でも、太郎はこの世界の反転した美の優劣を目の当たりにするのであった…。この世界でいうところのブサイク(太郎にとっては美女)がどんどん仲間入り!手に入れた移動都市はどんどん合体!鳴りを潜めた気ままな生活がどんどんド派手に!あげくに砂漠だらけの世界でまさかの海が復活!?太郎の砂漠生活の明日はどっちだ!
悪霊が実在し、それを除霊する除霊師が世間に認知されている、現代日本とは少し違う日本。新人C級除霊師である広瀬裕は、実家の神社が管理している祠の掃除中、異世界へと召喚されてしまう。裕は他の世界から召喚された少女らと共にパラディンとなり、死を司る邪神『死霊王デスリンガー』を三年かけて倒すことに成功する。そして無事裕は、元の世界へと戻ることになった。ところが戻ってみたら、召喚のわずか一分後。神殺しの力を得、三年経過したにもかかわらず変化が少ない裕だったが、幼なじみにして同級生、かつ相棒の相川久美子の目は誤魔化せず、彼女に裕はすべてを語るのであった…。そんな彼の最初の大仕事は、凶悪な霊団に占拠された高級タワーマンションの除霊!報酬は高級タワーマンションそのもの!?既にパラディンとして活躍済みな裕の、現世での活躍は如何に!
ヴェルたちの南方探索は、ルルのいた島以降から頓挫してしまう。五十を超える領主たちによって分割された戦国時代風の島『アキツシマ島』の揉め事に、ヴェルがうっかり首を突っ込んでしまったのだからしかたがない。あげくには、王国から「領内の海域にある島なのだから責任を持って統一と統治をせよ」と念を押される始末であった。しかたなくヴェルは、日本人なら一度は耳にしたことのあるような戦国武将の名を冠する領主たちと対峙するが、強くても領主たちが中級魔法使いクラスであることがわかり、これならやりようはあると統一に本腰を入れるのであった。戦場を舞う戦国な乙女たちと、資金稼ぎにやってきた魔族と魔王様、そして容赦なく増える嫁候補!新天地すなわち新嫁という環境がヴェルを襲う第二十一幕!
しがないサラリーマンの加藤太郎(アラフォー、独身)が目を覚ますと、そこは『グレートデザート』と呼ばれる砂漠だらけの異世界であった。世界を改善する『変革者』として召喚された太郎だったが、冴えないその容姿を見た王様の一存により戦力外通告を突きつけられてしまう。挙げ句、他の都市に追放されることとなった太郎を乗せた砂流船が、砂獣という化け物の群れに襲われて全滅。すべては新しい変革者を呼びたい王様の謀略であった…。ところがどっこい、オアシス発見で転機到来!美少女(?)たちとの出会いと、手に入れたレアスキル『ネットショッピング』で、おっさんが砂漠生活を思いのまま流されるままに生きていく!
ー余は、魔族の王国を復活させることをここに宣言する!突如押しかけてきた幼い魔王エリザベートの宣言に、ヴェルは困惑してしまう。下手に関わると内政干渉のリスクが高まるのだが、知ってか知らずか魔王はヴェルたちの部屋に通うようになった。以後、魔王は出されるおやつに舌鼓を打ちつつ学校の宿題に取り組んだり、芋掘りに参加したり、料理に挑戦したりと、およそ他人とは思えない程度にヴェルたちと親睦を深めていく。すべては、特にやることもなく暇であるという現実が招いた必然ともいえた。一方、難航していたリンガイア開放交渉を大人の事情でうまく解決に導いたヴェルに、バウマイスター伯爵領南方諸島群以南の探索話が持ち上がり…。魔族との交渉はお偉いさんに一任して、魔王との交流&南方探索開始の第二十幕!
魔族の国を発見した巨大魔導飛行船リンガイアが消息を絶ち、西方海域に魔族の国の魔導飛行船艦隊が現れたことに端を発したヴェルたちの遠征だったが…事は膠着していた。だがヴェルは、戦うでも交渉が進むでもない状況よりも、港町にもかかわらず新鮮な魚が手に入らない現状に嘆いていた。大勢押しかけた軍人により、独占されていたのだ。ならば自分たちで釣ればいい。こうしてしばらくの間、ヴェル達は釣りとバウマイスター伯爵領での土木工事と、一体何をしに遠征したのかが疑問になるような生活を続けるのであった…。漁場で遭遇するアーネストの教え子たち!魔族のマスコミからまさかの取材!?そしてついに『魔王』と接触するヴェル一行!新たな舞台、魔族の国に至る第十九幕!
ーある日の朝、目を覚ますと…平凡な若手商社マンである一宮信吾(25)は、僻地に領地を持つ貧乏貴族の八男ヴェンデリン(5)という存在意義さえ怪しい子供に憑依していた。信吾は、家門と領地継承もなく、内政無双の知識もないこの身と己に絶望するも、魔法の才能に恵まれたという一点を突破口に独立を目指す。この物語は、そんな若造が魔法で金を稼ぎ自由に生きる(もちろん世界なんて救わない)、当面は脱ボッチのお話である。それと、結局人の営みで発生する柵(しがらみ)からは逃れられない…という話でもある(1巻)。アンデッド化した古代竜の襲撃を乗り切ることに成功した魔導飛行船は、無事王都へと到着する。さっそく兄エーリッヒの家へと向かうヴェンデリンだったが、王の命を受けた使いの馬車により城へと招かれてしまう。アルテリオの助力のおかげもあり、王との謁見も難なく済むが、莫大なお金に準男爵という地位、そしてドラゴンスレイヤーという名声等々、ヴェンデリンは実に多くのものを手に入れることとなる。そして追い討ちとばかりに筋肉魔導師アームストロングの熱烈な歓迎を受け、ほぼ強制的に竜退治へと駆り出される。ボッチからは脱したが、貴族社会にどっぷりと浸かっていくヴェンデリン。彼を取り巻く柵(しがらみ)はなおも纏わりつき拡大していく…(2巻)。TVアニメ化記念1・2巻スペシャルパック。
ベビーラッシュから始まったバウマイスター伯爵家での厄介事は、ようやく沈静化の動きを見せ…てはいなかった。将来を見据えて家庭教師の募集をかけるも、関わってはいけない面倒な団体『賢者協会』に絡まれてしまう。貧乏貴族の八男から始まり、子持ちの大貴族となったヴェルは、改めて貴族家の苦労を噛みしめるのであった。そんな賑やかで苦労の絶えない日常のなか、ヴェルの下に新たな火種が飛び込んでくる。魔族の国を見つけたと報告した巨大魔導飛行船リンガイアが、消息を絶ったのだ。さらに王国西方海域に謎の魔導飛行船艦隊が出現し…。大事の前の小事!?そしてドタバタな日常エピソード多めの第十八幕!
教え子の卒業式、そして導師の昔話を経てからすぐ、エリーゼが産気づく。だが、この世界では男性が出産に立ち会うことはできず、今か今かと部屋の外で終始落ち着かない感じで待つヴェル。やがてついにその時が訪れ、部屋に踏み込むヴェルが目にしたものは…光り輝く我が子であった。「さすがは、俺の子供。もう輝いているぜ。いや、俺に似ずに素晴らしいカリスマだ」以降出産ラッシュが続き、我が子の寝顔を見て心が安らぐ反面、お祝い品への御礼状の発送作業や、生まれて早々に婚約の話が出てきたりと、様々な面倒事がヴェルの心を折りにくるのだった。幸福感と同時に子をもうけた貴族家の大変さを思い知る第十七幕!