制作・出演 : シカゴ響
壮年期から円熟期のショルティ全盛時代におけるシカゴ響との記録。第7番は、リズムの切れや躍動感など、ショルティの真骨頂が良く出た演奏で評判が高い。第8番における均整美も特筆ものだ。
ショルティの音楽監督就任によって、一時停滞していたシカゴ響は甦り、世界有数のオーケストラであることを改めて世界に認知させた。本作は、その一助となったベートーヴェン交響曲全集の白眉である第九。
シカゴ響との唯一のブラームス交響曲全集からの一枚。全集の中では、もっともまろやかでロマンティックな装いを持った演奏となっている。シカゴ響の合奏能力は本作でも十分に発揮され、透明でかつ重厚な響きは絶品だ。
マーラー交響曲全集の最後の録音。第1番にしてすでに独創的な曲想・描法を駆使した精緻な音楽は、きわめてロマンティックな様相を呈しているが、ショルティは一切の虚飾を廃した演奏に徹している。
新古典主義演奏の権化のようなショルティによる面目躍如とした演奏。本作には世紀末も、耽美主義も、東洋的諦観もない。あるのはスコアに書かれた音符の響きだけだが、この響かせ方は尋常の美しさではない。
ショルティは、チャイコフスキーに抱きがちなロマンティックな感傷には浸らない。しかし、作品そのものが持っている甘さやダイナミズム、柔と剛のバランスなど、多彩な表情は完璧に表現し尽くしている。
曲の感傷や情緒といった要素をそぎ落として、純粋な音響美を追及したショルティらしい演奏。豪快でダイナミックな中に、繊細な響きやピアニシモの磨かれた表情なども垣間見られる。
ショルティの優れたオーケストラ・コントロールが活きた演奏。ダイナミックで筋肉質な作品のイメージを一新、静謐で黙想的な演奏に到達している。キリ・テ・カナワ、ヴァイクルのソリストたちも素晴らしい。
ショルティ×シカゴ響による2度ある録音のうちの最初のもの。相性の良いハイドンだけに、ショルティの宗教作品の中でも代表的なもののひとつだ。オーケストラと合唱のバランスも良く、ソリストも充実している。