制作・出演 : マルタ・アルゲリッチ
ピアノ作品によるヒーリング・アルバム。夢見るようなピアノの響きに満たされる楽章や作品を、5枚のCDに収録。演奏者には名手ばかりを揃えており、優しい音世界に誘ってくれる。
アルゲリッチのモーツァルトの協奏曲は、第20番とラノヴィチとの第10番があるくらいなので、本作は貴重な録音。抑制されたロマンティシズムが横溢するスリリングな演奏が展開されている。
『ルガーノの奇跡』などのアルバムに収められた楽曲から、2台ピアノのみを集めたもの。初出ではCDプレーヤーに悪影響があると言われたコピーコントロールCDだったが、これは通常盤。並のオーケストラ以上の迫力と表現力を持つデュオ。特にディスク1が凄い。
日本でのみ発売が許されていた2つの協奏曲が収録された、当時非常な話題を呼んだアルバム。リストでの豪放さ、ラヴェルでのファンタジックな変幻自在さと、アルゲリッチの特質がフルに発揮されている。
アルゲリッチが得意とするシューマンとラヴェル。ライヴの緊迫感と高揚感に満ち、シューマンでのファンタジーの飛翔や、「夜のガスパール」での高度な技巧と絶妙な音色感など、掛け値なしの名演だ。
ピアノ協奏曲の第1番は、4種類ほどあるうちの4番目の録音。アルゲリッチの迸る情熱に圧倒されるライヴの模様を収めており、アバドとスリリングな演奏を繰り広げている。「くるみ割り人形」ではリラックスした楽しい演奏が聴ける。
若き才能がぶつかり合った第1番と、それから10年後の成熟した音楽を聴かせる第2番という、ファンには嬉しい組み合わせ。それぞれに魅力があり、アルゲリッチの才能の煌めきがひしひしと伝わってくる。
クレーメルとアルゲリッチによる秀逸なヴァイオリン・ソナタ全集から抜き出したもの。「クロイツェル」におけるクレーメルの鬼気迫るような演奏が、アルゲリッチを燃え立たせ、稀有な名演を生み出した。
名手3人が集まっての日本公演でのライヴの模様を収録。そうそう聴けない3人の緊張したやり取りが魅力で、特にチャイコフスキーでの盛り上がり方は尋常でなく、まさに必聴といえる。
年はとってもアルゲリッチは変わらない。瞬間発火のように激しいピアノに唖然。ナカリャコフがトランペットという贅沢な演奏で聴くショスタコの第1番は圧巻だ。他にも2台ピアノ曲とピアノ五重奏曲など聴きものの演奏が揃う。2006年ルガーノでのライヴ。
大人からみた子供の世界を情感豊かに描いた「子供の情景」と、8つからなる組曲風の作品「クライスレリアーナ」の、シューマンの傑作2作品を収録。アルゲリッチは幻想的で濃密な情熱を込めて描き上げている。
TVドラマや映画で話題となったクラシックの名曲を中心に収録した企画盤。重要なシーンを彩るクラシック・ナンバーが存分に味わえる。上質なBGMとしても重宝。
ショスタコーヴィチは、アルゲリッチの新しいレパートリーとして話題となったが、それ以上にその演奏のすごさに、改めてアルゲリッチの実力を見せ付けられた録音となった。一聴の価値ある名演。