著者 : 新名智
中学時代の友人の死が忘れられず、そんな信条で日々を淡々と過ごす高校生の志崎晴。「遊ぶと死ぬ」ゲームを探しているという同級生・莉久に頼まれ、彼女と、呪いの研究をしている大学院生・葉月と共に、突然死を遂げたゲーマー男性の遺品を調べることに。残されたゲームをひとつずつ遊んで検証する三人。すると晴の日常に突然“黒い影”が現れるようにー。晴くんって、実はもう呪われてない?呪いのゲームはどこにあるのか?その正体と晴の呪いを解く方法はー。
幼い頃、夏日の目の前で双子の妹・青葉は「消失した」。両親を含めた誰もが青葉のことを忘れ、彼女を覚えているのは、夏日と、消失の瞬間を一緒に目撃した幼馴染の明人だけだった。青葉を忘れられないまま大学生になった夏日は、卒論指導の教授が失踪したとの報せを受ける。先生は、平安時代に存在したがその後失われてしまった「あさとほ」という物語を調べていたらしい。先生の行方と未詳の物語「あさとほ」を追う夏日は、十数年ぶりに明人と再会し、共に調査を始めるがー。ふたりが「行方不明の物語」の正体に辿り着くとき、現実は大きくその姿を変える。
“体験した人が死ぬ怪談”を探す怪談師の三咲は、“呪いか祟りで死にたい”カナちゃんと暮らしている。幽霊や怪談、呪いや祟り、オカルトや超常現象。両親を事故で亡くした日から、三咲はそんなあやふやなものに頼って生きてきた。カナちゃんとふたりで本物の怪談を見つけ出し、その怪談で両親を事故死させた男を殺すことが、いまの三咲の目標だ。ある日、「釣り上げた人が死んでしまう魚がいる」という噂を耳にした三咲は、その真偽を調べることにする。ある川の河口で似たような怪談がいくつも発生していることがわかり、ふたりはその発生源を求めて、怪異の川をたどっていく。“本物”の怪談に近づくうち、事情を抱えるふたりの関係にも変化がおとずれてー。第41回横溝正史ミステリ&ホラー大賞大賞受賞作。