著者 : 汐見夏衛
高校2年生のなずなのクラスメイト鈴白くんが突然命を絶った。彼の悩みに気づいていたらと後悔が膨れ上がり、鈴白くんと一緒に作った砂時計に「時間を巻き戻したい」と願って眠ると、なずなは1ヶ月前に戻っていた。しかし彼はまた死を選んでしまいー。ループする中で、なずなは鈴白くんを救えるのか?学校では教えてくれない大切なことの全てがここにある!
普通とちがうって、なんて大変なことなんだろう。友達がいて成績もそこそこな美雨は、昔から外見を母親や周囲にけなされ、目立たないように“普通”を演じていた。ある日、映研の部長・映人先輩にひとめぼれした美雨。見ているだけの恋のはずが、先輩から部活に誘われて世界が一変する。外見は抜群にいいけれど、自分の信念を貫きとおす一風変わった先輩とかかわるうちに、“新しい世界”があることに気づいていく。「君の雨がやむのを、ずっと待ってるー」勇気がもらえる感動の物語!
どうでもいい嘘ばかりついて、へらへら笑う『かまってちゃん』の綾瀬水月。誰とも喋らず親切も拒絶して、透明人間扱いされている“変人”、羽澄想。ふたりは、誰にも知られていない悩みがあった。居場所がなくて毎日が息苦しくてー“死”に憧れていた。そんなふたりは、あるきっかけで一緒に過ごすようになる。互いに聞かれたくないことには触れず、そっと寄り添うように、おだやかに過ごす日々、しかし現実は残酷で…。「ふたりなら、きっと、怖くない」潤んだ瞳が海を見ている。「せえの…」息を合わせて、手を繋いだまま、ふたり同時に地面を蹴った。
すべてにおいて普通で、自分は“永遠の脇役”だと思っている高校生・影子。同じクラスには、世間を賑わすアイドルで、学校でも人気者の真昼がいる。そこにいるだけで目立つ彼は、まさに“永遠の主人公”。影子とは別世界すぎて親しく話したこともなかったが、一緒に図書委員をすることになったのがきっかけで、真昼の陰の部分を知ることになるー。読み終えた後、きっと世界が輝いて見える、希望の物語。
君は、苦しみの中に差し込む眩しい光だー。光夏は、ある出来事からクラス中で無視されていた。辛さに耐え、息を殺して過ごしていたある日、幼馳染みの千秋、春乃、冬哉と久しぶりに再会する。いじめの事実を隠す光夏だが、思い切って打ち明け、前を向けるようになる。しかし、ある違和感に気づいたとき、事態は急変する…。「光夏は、まだ自分を知らないんだね」全ての真実を知ったとき、奇跡の光が降り注ぐー。
ある出来事から家族も友達も信じられなくなった真波は、高校進学を機にひとり、祖父母の家に引っ越してきた。優しすぎる祖父母にも、正義感が強く説教ばかりの同級生・漣にも苛立ち、息苦しさを感じていた。そんなある日、夜の海岸で不思議な青年・ユウと出会ったことで少しずつ変わる真波の心。そしてそこには、いつも漣がいてくれたー。しかしある時、海で子どもが溺れる事件が起きる。ユウが救助し事なきを得たが、別人のように取り乱す漣。実は漣には、残酷すぎる過去があって…。
「涙」をテーマに人気作家が書き下ろす、スターツ出版文庫初の短編集。父親の死から数年後、初めて向き合う異母姉弟ふたりの葛藤を描いた『雨あがりのデイジー』(沖田円・著)、最愛の「彼」から思いがけず届いたラストメッセージで綴られる『君のかけらを拾いあつめて』(汐見夏衛・著)ほか、じっくりと浸れる7編を収録。何度も味わい読み返したくなる物語は、静かに寄り添い、心の奥底へと深く響いていく。そして苦しい日にも、切ない日にも、あなたをそっと、救ってくれるー。
たとえ君がどんなに自分を憎んでいても。それでも君は、わたしの光だから。一見悩みもなく、毎日を楽しんでいるように見える遙。けど実は、恋も、友情も、親との関係も、なにもかもうまくいかない。息苦しくもがいていたとき、不思議な男の子・天音に出会う。なぜか声がでない天音と、放課後たわいない話をすることがいつしか遙の救いになっていた。遙は天音を思ってある行動をおこすけれど、彼を深く傷つけてしまい…。嫌われてもかまわない、君に笑っていてほしい。ふたりが見つけた光に、勇気がもらえる!みずみずしい青春を描いた感動の最新作!『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』特別番外編つき!