著者 : 角田光代
私たちはたくさんの愛を贈られて生きている。この世に生まれて初めてもらう「名前」。放課後の「初キス」。女友達からの「ウェディングヴェール」。子供が描いた「家族の絵」--。人生で巡りあうかけがえのないプレゼントシーンを、小説と絵で鮮やかに切りとった12編。贈られた記憶がせつなくよみがえり、大切な人とのつながりが胸に染みわたる。発売以来、ロングセラーとなって愛されている短編集。
キーコーヒー株式会社のWEBサイト「書茶」にて二〇〇七年九月十四日より〇八年十月三十日にわたり公開された作品を、単行本化。
とびっきりの解放感で校門を飛び出す。この瞬間は嫌なこともすべて忘れて……読者と選んだ好評アンソロジーシリーズ。休日編には角田光代、恒川光太郎、万城目学、森絵都、米澤穂信の傑作短編を収録。
40歳を目前にして、人生のイベントベストテンを自虐的に並べてみれば、我が身には25年間、なにも起きてはいないのだ。年相応の達成感も充実感もない日々に愕然としながら、私は岸田有作に会いに行く。13歳の夏に恋をした相手にーーどこにでもある出会いが生み出す、おかしくいとしいドラマ、全6篇。 「登場人物たちと同じ行く当てのなさを僕自身も抱え込んでいる。」--<イッセー尾形「解説より」> 40歳を目前にして、人生のイベントベストテンを自虐的に並べてみれば、我が身には25年間、なにも起きてはいないのだ。年相応の達成感も充実感もない日々に愕然としながら、私は岸田有作に会いに行く。13歳の夏に恋をした相手にーーどこにでもある出会いが生み出す、おかしくいとしいドラマ、全6篇。 床下の日常 観光旅行 飛行機と水族館 テラスでお茶を 人生ベストテン 貸し出しデート
結婚する、しない。 子どもがいる。いない。 それだけで女どうし、 なぜ分かりあえなくなるんだろう。 異例のロングセラーを記録中の、角田光代の直木賞受賞作。 35歳の専業主婦・小夜子は、同い年のベンチャー企業の女社長・葵にスカウトされ、 ハウスクリーニングの仕事を始めるが……。 多様化した現代を生きる女性の、友情と亀裂を描く感動の傑作長編にして、第132回直木賞受賞作。 夏川結衣、財前直見、堺雅人、根岸季衣、木村多江、香川照之、国分佐智子、多部未華子ら豪華スタッフが共演したWOWOWのドラマは、『愛を乞うひと』の平山秀幸が監督、平成18年度芸術祭テレビ部門優秀賞を受賞した。
普通の人々が平凡に暮らす東京近郊の街。駆け落ちしそびれた高校生、クスリにはまる日常を送る主婦、パッとしない肉屋に嫁いだ主婦ーー。何となくそこに暮らし続ける何者でもないそれらの人々がみな、日常とはズレた奥底、秘密を抱えている。小さな不幸と小さな幸福を抱きしめながら生きる人々を、透明感のある文体で描く珠玉の連作小説。直木賞作家の真骨頂。
私たちはたくさんの愛を贈られて生きている。この世に生まれて初めてもらう「名前」。放課後の「初キス」。女友達からの「ウェディングヴェール」。子供が描いた「家族の絵」--。人生で巡りあうかけがえのないプレゼントシーンを、小説と絵で鮮やかに切りとった12編。贈られた記憶がせつなくよみがえり、大切な人とのつながりが胸に染みわたる。カバーを広げると一枚の包装紙になるラッピングカバー版。カバー裏面には、スピンオフ短編と描き下ろしイラストを収録。
34歳フリーター、年下の同棲相手は失業中。エアコンは壊れ、生活費の負担は増えていく。昔の知り合いが彼女を連れて転がり込む。どんづまりの生活を変えたのは、はたちの男からかかってきた「テキ電」だった。--生き迷う世代を描き、フリーター文学とも呼ばれた著者の転換点となった傑作。 生き迷う世代を描く最高傑作 34歳フリーター、「タマシイのない仕事はしたくない」と、年下の同棲相手は失業中。エアコンは壊れ、生活費の負担は増えていく。どんづまりの生活を変えたのは、はたちの男からかかってきた「テキ電」--私はちゃちな恋をした。生き迷う世代を描き、フリーター文学とも呼ばれた著者の転換点となった傑作。
泉は田舎の温泉町から東京に出てきた女の子。「今度こそ幸せになりたい」-そう願って恋愛しているだけなのに。なんでこんなに失敗ばかりするんだろ。アイルランドを自転車で旅したり、ニュー・エイジにはまったり、ストーカーに追い掛けられたり、子供を誘拐したり…。波瀾万丈な恋愛生活の果てに、泉は幸せな“あした”に辿り着くことができるのだろうか?新直木賞作家がはじめて描いた、“直球”恋愛小説。
ひとり暮らしの私を突然男連れで訪ね、男を置いて帰ってしまった妹リカコ。外見はそっくりで性格は正反対、甘い声で喋り、男に囲まれ、私を慕いながら、一方で恋人まで奪おうとする妹。痛くて切ない姉妹関係をリアルに描く表題作をはじめ、人とのつながり、自分の居場所を誠実に問う作品集。 あなたをいちばんわかっているのは誰? ひとり暮らしの私を突然男連れで訪ね、男を置いて帰ってしまった妹リカコ。外見はそっくりで性格は正反対、甘い声で喋り、男に囲まれ、私を慕いながら、一方で恋人まで奪おうとする妹。痛くて切ない姉妹関係をリアルに描く表題作をはじめ、人とのつながり、自分の居場所を誠実に問う作品集。(『草の巣』を改題) 夜かかる虹 草の巣
行方不明の兄を追うようにしてアジアの国へ来た私。闇両替で所持金のほとんどを失い、一日パン一個で食いつなぎ、安宿をシェアして、とうとう日本企業の前で物乞いを…。帰る気もなく、行くあてもなく、いったい今ここで何をしているのか。それでも、私はまだ帰らない、帰りたくないー。若いバックパッカーの癒しえない孤独を描く表題作他一篇を収録。
子供を妊娠し浮かれているサエコの家に、夫の姉・実夏子が突然訪れる。長い間消息不明だったという実夏子は、そのまま勝手に住み着いてしまった。真夜中に化粧をしたり、冷蔵庫のハムを丸ごと食べたり、と不審な行動を繰り返す実夏子。何も言わない夫に苛つき、サエコの心はかき乱されていく…。出産を目前に控えた女性の心の揺れを描いた表題作ほか、一篇を収録。瑞々しい筆致で描き出された、心に染みる極上中篇集。
転校生じゃないからという理由でふられた女子高生、元カレのアパートに忍び込むフリーライター、親友の恋人とひそかにつきあう病癖のある女の子、誕生日休暇を一人ハワイで過ごすハメになったOL…。どこか不安定で仕事にも恋に対しても不器用な主人公たち。ちょっぴり不幸な男女の恋愛を描いた短篇小説集。