出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
もう自分を愛していない夫に、離婚を切り出した直後だった。トラックがイーデンたちの車に突っ込んできたのは覚えている。目覚めると、夫は重体で、記憶の全てを失っているという。すぐにも駆けつけたかったが、流産しかかっていたイーデンは病室に拘束されて、3日間、夫のもとに行けなかった。すると夫のアリスティドはイーデンを悪妻と信じ込んだのだ。ところが退院し、家に戻ると夫は腕を回して彼女を引き寄せた。私に興味がないはずなのになぜ?戸惑うイーデンに唇を重ね、夫は欲望に濡れた瞳で求めてきた。「妻なら当然の役目だろう」
ジュディは幼い娘を伴い、ロンドンの屋敷へ帰ってきていた。二度とここへは戻ってこないつもりでいたのに。誰よりも深く愛したロバートにつけられた傷が疼くから。彼との別離に、傷ついた彼女を絶望の淵から引き上げ、生きる意味を与えてくれたのは、夫ーロバートの兄だった。だが夫亡きいま、ロバートのいる婚家に戻るより術はなかった。「ジュディ」声音の低さに、苦いものがありありとこもる。振り返らなくてもわかる。忘れもしない声。自分の娘を、兄の子だと思い込んでいる、かつての恋人…。
通い猫生活を相変わらず満喫しているアルフィー。ある日、海の向こう“日本”から新しい住人が町に越してきた!その家には珍しい毛並みの猫もいるようで、はじめての異国の友だちにアルフィーはわくわくが止まらない。でも猫はいっこうに家から出てこず、一家も何やら問題を抱えていそうな様子。それにアルフィーには最近、どうにも気がかりなことがあって…。ハートフル猫物語、涙の第5弾。
姉はなぜ死んだのかーその答えを探るべく、アマンダは警察官になった。麻薬依存とレイプ被害の果てに、“猿”にまつわる不可解な言葉と日記を遺して自殺した姉。早急な調査打ち切りの裏には何が?アマンダは素性を隠し、担当捜査官マグヌスの愛人となる。さらに、姉を悪の道に引き込んだ元恋人アドナンに接近するが、そこには想像を超える真相が…。北欧最旬の作家が放つ警察小説!
30も半ばを過ぎたからには、世継ぎをもうけなければならぬ。黒い瞳の王オマールは世界中から才色兼備の女性20人を選び、パリの豪邸に招待した。愛の存在など信じていない彼は、義務のためだけの花嫁選びを慣習に従って行おうと決めたのだ。26歳でバージンのエリザベスは壮麗な舞踏場で愕然とした。たぐいまれな美貌や才能を誇る女性たちが居並んでいる。双子の姉の身代わりでこんな場所に来たけれど、似合わぬドレスを着た冴えない私が王の興味を引くわけないわ!だが恥辱に震える彼女を熱く見つめていのたはオマールで…。
急死した親友の赤ん坊を引き取って育てることになったベスは、無給休暇を取らざるをえなくなり、家計は火の車になっていた。そこへ、思いがけず上流階級の舞踏会を手伝う仕事が舞いこむ。だがそれは、赤ん坊の伯父にあたるイタリア富豪アレッシオが仕組んだ罠だった。ベスに近づいて誘惑し、花嫁と後継ぎを同時に手に入れようというのだ。抗い怯えるベスに彼が言った。「血縁のないきみが子供と暮らすには、僕と結婚するしかない」愛のある結婚が夢だった。でもこの子を手放したら後悔するわ。ベスは決めたー美しくも非情な悪魔の花嫁になることを。
里子育ちのナオミに家はない。雇い主の家を転々としているから。今回の住まいは、ニューヨークでも屈指の資産家一族の豪邸だ。ナニーの彼女は一族の悪名高いプレイボーイ、エイブに誘惑され、いつしか彼に夢中になるー生まれて初めての恋だった。しかも、粉雪の舞うクリスマスシーズンの街を案内されたあとは、唇も盗まれてしまうー生まれて初めてのキスだった。エイブに美しい恋人がいると聞いたのは、そんなときだった。彼は私をからかっただけなのだ。引っ込み思案で恋愛に無縁の、バージンが珍しくて。なのに恋心は消えず、今も胸が苦しい…。
エッタはクリスマス前のチャリティパーティに出席していた。名前しかわからない実の親のことを知りたいと願う子どもたちのために、調査を手伝う彼女だが、自身の実の親については何も知らない。そんな彼女に、颯爽とタキシードを着こなした美男が声をかけてくる。未来の公爵にして数多の女性と浮き名を流す、いわくつきの伯爵ゲイブだ。公爵家の古い家系図を修復してほしいと頼まれ、エッタは舞い上がる。彼は婚約寸前の恋人を手ひどく捨てたと噂される人だから、いくら魅力的でも惹かれちゃだめ!そう頭ではわかっているけれど…。いずれ従順な貴族令嬢を妻に迎えたいという伯爵の望みも知らず、エッタのときめきは止まらなくてー
だぶだぶの服でも、これ以上は妊娠を隠せない。クリスマスが近い冬の日、ノエミは一人で悩んでいた。それでも、マックスと過ごした一夜を思うとほほえみがこぼれた。あの神秘的な目に惹かれ、身も心も奪われたことは後悔していない。ただし、マックスは姓や連絡先さえ教えてくれなかったけれどー。あるとき、転びかけたノエミは自分を助けてくれた相手に我が目を疑う。その相手とはマックスで、しかも、彼はさる王国の皇太子だった!再会を喜ばれて、ノエミは思いきってあの夜に妊娠したと告白する。するとマックスは急に態度を変え、自分の前から消えろと言い放った。ノエミはわけがわからず、涙をこらえて立ち去るしかなかった。
姉から預かっている生後半年の甥テディをかわいがるフィービー。ある日、彼女が管理するコテージに、大企業の重役レオが静養に訪れる。権力で人を従わせることに慣れた堂々たる態度の、容姿端麗な男性だ。ひょんなことから彼と一つ屋根の下で過ごすことになり、身の上話やクリスマスの飾りつけを一緒にするうち、打ち解けていく。そんななか、フィービーは赤ちゃん用の木馬のオーナメントを見て、3年前にお腹の子を亡くしたつらい記憶が甦り、思わず涙をこぼした。レオの慰めに救われた彼女は、そのまま身も心もゆだねるのだった。ところが翌日、気まぐれに現れた姉がテディを連れて帰ってしまい、フィービーはふたたび喪失感にさいなまれて…。
子供の頃から病を抱えるイザボーは、母と施設暮らしをした苦労人。周囲に迷惑をかけまいと心に決めて生きる日々だったが、彼女は今、大富豪トリスタン・ミケルソンに胸をときめかせていた。たくましく最高にセクシーだけれど、無骨で口数が少ない。そんなトリスタンが1カ月限定で仕事の手伝いを必要としていたため、イザボーはそのあいだ彼のそばで働くことになったのだ。母の不幸な結婚のせいで、男性との関わり方もわからない彼女に、トリスタンは衝動的なまでに激しく甘い誘惑を仕掛けてくる。仕事、病ー拒む理由はいくつもあるのに、気づけばイザボーは彼に身を任せ、お腹に小さな命を宿していて…。
キャロラインは富豪弁護士ジェイムズとお互い一目惚れで結婚したが、気づけば、夫が留守がちな家でいつもひとりぼっち。ジェイムズが彼女の友人を遠ざけ、主婦業に専念させたせいだ。子供を望まない彼と妊娠をめぐって喧嘩になり、今は寝室も別。なんとか話し合って解決しようと夫の職場を訪れたときなどは、同僚女性を胸に抱く夫の後ろ姿を見てしまい、動揺するばかりだった。そんなある日、昔の知人男性とでくわして思い出話に花が咲き、キャロラインは久しぶりに声をあげて笑った。それでも、また会わないかという誘いにすぐに返事ができなかったのは、夫への罪悪感?いいえ、そうじゃない。彼女はふいに気づいたのだった。目の前の魅力的な男性が霞むほど、私はまだ夫に焦がれている、と。
メアリスが目覚めると、見知らぬ男性がこちらを見つめていた。ここ数時間の記憶がない。マックと名乗る彼に、不思議と寄り添いたい衝動に駆られる。だが、二人が体を重ねたのか知りたいのなら答えはノーだ、と彼はにべもない。この人はいったい、何者なの?(『マッケンジーの娘』)。天真爛漫なケリと真面目な隣人ロックは、昔から兄妹のように過ごしてきた。ある日、雪道を走行中、事故で車が故障し、ケリが肩を負傷。ロックに軽々と抱き上げられたケリは、彼を男性として強く意識する。そして無人の小屋で、初めて一夜を過ごすことに…(『雪夜のハプニング』)。挙式寸前に婚約破棄されたブルック。クリスマスイヴの夜、吹雪の中で泣く幼い少女を発見し、自宅で保護する。警察に通報後、事情を聴きに来たたくましい保安官のヴァンスに思わずときめくが、彼は結婚寸前で破局した経験から生涯独身を決め込んでいて…(『イヴに天使が舞いおりて』)。「大変!どうしましょう!」デパートの販売員ジュリエットの乗るエレベーターが突然停止した。閉所恐怖症の彼女は、並外れた美貌の男性の前で取り乱す。すると彼は震える彼女を抱き、キスで黙らせたーそれが、オーナーである大富豪ロブとの出逢いだった(『クリスマスはあなたと』)。
ジェンマは幼い息子が入院する病院で、テイトに再会した。2年前、パーティで出会った、男らしい魅力あふれる億万長者のテイト。お互い一目惚れだったけれど、無のような日々は長くは続かなかった。わずか数週間後、ジェンマは身に覚えのない浮気を責められて、ペントハウスを追い出され、熱烈な恋は無残に砕け散ったのだった。その後妊娠に気づいたジェンマは、ひとりで赤ん坊を産んだ。自分の子だと知ったら、親権を奪われてしまうかも…。慌てて立ち去ろうとする彼女の動揺を、テイトは見逃さなかった。「この子の父親は、ぼくだな?」赤ん坊をひと目見るなりそう言うと、彼は、親権を奪うよりひどい提案をした。
看護師のラーラは、ある風変わりな患者の“予言”を笑い飛ばした。自称占い師のその老女は、ラーラがクリスマスに求婚されると言うのだ。しかも相手は、とびきりハンサムでものすごくセクシーな人らしい。ろくに男性とつきあったこともないこの私が?たちの悪い冗談だわ。雑念を振り払いつつ救命室へ赴いた彼女を、ドクターが待ち構えていた。とびきり有能でハンサムでセクシーなクリスチャン。雲の上の人。ラーラはこれまで、彼に関してだけは欠点を見つけたことがなかった。ともに患者の治療にあたったあと、ラーラはひょんなことから、クリスチャンが離婚して子どもたちの世話に難儀していると知る。期限つきで住み込みの子守り役を買って出たラーラだったが…。
22歳のモリーは、仕事でイングランド郊外へやってきた。華やかな世界を夢見ていたのに、モリーの初仕事は、地元の老婦人に料理の取材をすることだった。がっかりしながらも約束の場所へ急いで車を走らせていると、対向車線の高級車に衝突しそうになってしまう。車から降りてきたのは、びっくりするほどハンサムで裕福そうな男性だった。「僕はアレクサンダー・ヴィリヤーズ・セント・オテル伯爵だ」モリーは上司から“地域一帯から敬われる崇高な伯爵”の話を聞いていた。彼のことだったのね。それにしては、すごく態度が横柄だけれど…?おまけに、出会ったばかりのわたしにキスをするなんて!
スペインで修道女見習いをしている身寄りのないトニは、いわれのない差別を受け、つらい毎日を送っていた。ついに園丁の服を拝借した彼女は修道院からの脱走を企てるが、途中、紛れこんだ祭りの喧噪のなかで盗人に間違われてしまい、美貌の貴族ルークの手によりなんとか救われる。トニは彼の船でスペインからイギリスへ向かうことになり、身の安全のため、少年のふりのままルークや周囲の人々を欺いた。だが一方で、ルークへの思いは日々膨らんでいくばかりだった。そんなある日、彼らを乗せた船が嵐に巻きこまれてしまい…。
OLのあずさは、ひょんなことから社長の笠野美弦に弱みを握られてしまい、黙っている代わりに…と同棲&婚約者のふりをするよう命じられる。美弦は望まない縁談を避けたいらしい。希望部署への異動もちらつかされて渋々引き受けるあずさだが、イケメンで有能な美弦に四六時中、甘く強引に迫られドキドキの毎日!婚約はあくまで契約のはずなのに!?
死者の頭蓋骨から生前の顔を蘇らせる復顔彫刻家イヴ・ダンカン。その腕を買われて数々の難事件を解決してきたが、ある日何者かがイヴを拉致する。犯人の要求は殺された息子の「顔」をイヴに取り戻させること。その裏には歪んだ愛と恐るべき計画が隠されていた。公私にわたりイヴを支えてきた刑事ジョーは決死の捜索を行うが、封印された過去が暴かれ…。ロマンティック・サスペンスの最高峰!