1988年発売
あたし(未来)、パパに対してすごく怒っている。だって朱海さんと会うの、ダメだって。原因は、夜、2人だけで家にいたのを、隣のおばさんがパパに知らせたからなの。で、朱海さん、パパに直接会って謝ることにした。パパったら、堂々としてる朱海さんに負けて交際OK。久しぶりにヨットに乗れた。ところが、奈由里さんがらみで大騒動が…。うららか稲子さままで巻きこんじゃったのよ。
7年ぶりにこの町に帰ってきた17歳の鞠子。幼なじみの多加子や初恋の人・政司とも再会して新しい高校生活も順調にスタートした。でも、7年の歳月は人を幸せにばかりはしない。一番の仲よしだった三貴が、グレて問題児になっていたのだ。そんな三貴にも変わらぬ友情を示す鞠子。三貴の心も少しずつとけて、自分のBF・涼を紹介するが…。愛と友情のはざまでゆれ動く少女の物語。
「ち、千津ちゃーん、大変だよおー」朝子が、息をはずませて走ってきた。でもこやつ、本当に大変だったことなんて、一度もない。でも、今度は私たちのクラスに転入生が来るというのだ。しかもその娘は、正真正銘の「お姫さま」!彼女の名まえは吉野さつき。去年の夏、海辺で恋した彼を探しに東京へ出てきた。そして、その彼は松本くんのいる聖徒学院の生徒らしいのだけど…。
「次の駅まで一緒に歩いて」-失恋…!品子は奥歯をかみしめた。涙、止まれ!これから恋をしまくって自分を磨いて、いつかあたしを振ったことを後悔するような、とびきりイイ女になってやるんだ。大人になるために、人は人と交差しながら、「大事な土曜の午后」を、いく度もいく度も通過してゆく。青春の時の流れの中で、房子、亜子、美保、瑞江たちが縦横に織りなす、恋のタペストリー。
旧藩主、坂東家のお嬢様・薫子。訳あって、ただ今家出を決行中。紅髪桜の下で出会った謎の不良兼秀才少年・伊万里と意気投合したのもつかの間、早くも迫る坂東家の捜索隊!しだれ桜の咲き狂う城跡を、薫子を乗せた伊万里のバイクが走る。そして、紅髪桜の黒い幹が突然ふたりの眼の前に広がった瞬間、投げ出された不気味な世界。そこは黒い月が昇り、魑魅魍魎が蠢く、「虚」の世界だった。
愛したいーそれは、愛されたいから。愛されたいーそれは、愛したいから。始まる夏の予感に心ふるわせて、17歳の誕生日をむかえた6月の可奈子。心の中には、同い年の歩くんがいて。-でも、突然の嵐。歩の同級生、ちえみも歩が好きで、しかもちえみは白血病だというの。選択をせまられる可奈子。そして歩…。さまざまな愛にゆれる、少女の心もよう。
サラサラの天然パーマの髪に銀縁メガネ、黄昏の光がよく似合う人ー憧れの水原広毅先輩!あたしの夢は先輩は同じ西高のギター部に入って「スカボロー・フェア」をふたりでアンサンブルすること。ところが、晴れて西高に入学、あとは先輩との劇的再会を待つのみ!ってところで思わぬ災難。なんと、学校じゅう探しても先輩がいないの!あ〜ん、人生っていまいちうまくいかないわっ。
夫が突然帰国した。しかし染子は何の感動も覚えないどころか、夫に憎しみさえ感じていた。“私の愛は見事に破れた。女の大切な季節がただ空しく過ぎていく”彼女はその夜、夫の求めを手厳しくはねつけた。夫には妻の反逆の理由がどうしてもわからなかった。やがて、自立した生活を求めて家を出た染子は兄の友人に惹かれていく…。新しい人生を選びとっていく女性の姿を描く。
夜になると体を離れて首だけが恋人のもとに通う娘の怪しげな恋慕と残酷な死「首の飛ぶ女」。長風呂がたたってガイコツになった少年の病名は突発性溶肉症と診断された「事故」。夢の中に現われる世にも醜悪な男のたくらみ「交換」。元宰相ボーブラ氏はいかにしてカボチャ顔になったのか「カボチャ奇譚」など、幻想・残酷・邪心・淫猥な世界を、著者独特の文体でえぐりだす怪奇短編20編。
仲秋の満月の夜、愛犬セタを連れて散歩に出た若い高校教師まりは、豊平川の河原で奇妙な男と出逢う。まるで時代劇から抜け出してきたような格好の男は、津軽藩士・お手廻り組、杉坂小弥太重則と名乗った。アイヌの老婆フチの魔術によって時を越えて北国の街に現われた三百年前の侍と、現代的な女教師との不思議な恋愛を描く、ちょっぴり切ない長編ロマンティック・ファンタジー。
ボストンの旧家ではあるがさして裕福でない家に生まれた娘ビリー。早くに母親をなくしたうえ肥満児だった彼女は、一族に疎んじられ、追われるようにしてパリに留学した。ヨーロッパの水はしかし、醜いあひるの子を美しい白鳥に変身させる。そして帰国した彼女を、大富豪とのロマンスが待っていた。欧米のファッション・映画業界を舞台に繰り広げられる、華麗な愛の物語。
最愛の夫をうしなった失意の日々が過ぎ、ビリーはビヴァリー・ヒルズの超高級ブティック「スクループルズ」の経営に専念していた。やがて始まった新たな恋の相手は、精力的な映画プロデューサー、ヴィトー・オルシーニだった。ヴィトーが製作する新作「ミラーズ」のアカデミー賞獲得へ向けて、二人の情熱のすべてを傾けるが…。愛のサクセス・ストーリー、感動のクライマックス。
革命の英雄であり現中国軍幹部である孫勝が心臓発作で急死した。その死に疑問を抱いた公安部中級幹部・盧紅は、孫が死の直前、四十年前の同志を調べていたことを知る。一方、紅はある米人医師の調査を命じられる。この医師は戦争中に粉失した北京原人の骨の秘密に係わっているらしい。調査を進める紅の上に危険な影が忍び寄る…。現代中国の情報機関を背景にした異色のサスペンス。
商社マンの夫を亡くし、20数年ぶりに帰国した桂子は、挑撥的な〈王女の涙〉の香りに誘われて都会の中の森の家に身を寄せる。そこは2人もの人間が不自然な死に方をした家だった。鬱蒼と繁る樹々の下で、古井戸の中で、何が起ったのか、起りつつあるのか?男と女、女と女、親と子の愛憎の渦に、桂子も巻きこまれてゆく…。
相変らず中年の危険から脱せない私立探偵モウゼズ・ワインは精神分析医を訪ねた。が、そこで出された特効薬は新しい“仕事”だった-紹介された依頼人の名はエミリー・プタック。その夫マイクは人気コメディアンで相棒オティス・キングのツッコミ役だったが、ホテルで謎の転落死を遂げていた。警察の自殺説に納得しない彼女から調査を頼まれたワインは、探偵志願の女コメディアンを従えて、聞き込みを始めた。
すべては1984年に始まった。ウィリアム・ギブスンの『ニューロマンサー』が発表され、英米SF界に〈サイバーパンク〉の嵐が吹き荒れはじめたのだ。テクノロジーとメディアの驚異的な発展が、人間そのものを変化させてゆくという認識のもと、才能ある若手作家たちがぞくぞくとサイバーパンク運動へと参加してゆく。運動の輪はSF界以外にも広がり、今もなおホットな議論をまきおこしている。そして今、現在進行形のこのSF革命の最前線から、1冊のレポートが届けられた。ギブスン、スターリング、ベア、ラッカーらの傑作を結集したサイバーパンク・ショーケース登場。
〈拷問者組合〉を追放され、流刑地スラックスからも逃走したセヴェリアンは、今また黄昏に沈む惑星ウールスの荒野を旅していた。やがてセヴェリアンは、兵士の死体に行きあたった。途方もない霊力と叡知を秘めた宝石〈調停者の鉤爪〉をもちいて兵士をよみがえらせたものの、セヴェリアン自身が病に倒れてしまう。熱にうかされた夢のなかで、彼は自分を待ちうける不思議な運命の片鱗を目にした。だが、すべての謎を解く鍵は、セヴェリアン自身に隠されていたのだ!全SF界の絶讃を浴びた「新しい太陽の書」が、宇宙的規模の壮大なクライマックスを迎える堂々の最終巻。ジョン・W・キャンベル記念賞受賞。
世界制覇の力を宿す〈珠〉が盗まれた。しかも、犯人は邪神トラクの高弟にして魔術師のゼダー。となると、予言どおりに邪神トラクは、今まさにその数千年にわたる長き眠りから目覚めんとしているのだろうか?〈珠〉がトラクの手にわたれば、この世は死と崩壊と混沌の領域と化すのは必定。ゼダーの後を追い、ガリオン少年は伝説の魔術師ベルガラスとポルガラに連れられて諸国遍歴の旅に出た。だが、これを知ったゼダーは彼らの追跡を阻止しようと、様々な奸計を用いてガリオン少年を窮地に陥れるが…。全米ベストセラーの人気シリーズ第2弾。