2022年10月発売
群集恐怖症を持つ小学校教師の美咲は、クラスのいじめに手を焼いていた。ターゲットは、“悪魔の館”に母親と二人で住む転校生のめぐみ。ケアのために始めた交換日記にめぐみが描いたのは、人間に近いけれど無数の小さな目を持つ、グロテスクな小人のイラストだった。机の裏に、絨毯の下に、物陰に。小さな悪魔は、あなたを狙っている。
海と山に囲まれた吹上町で、ミミは除霊師の美鈴に出会った。母親により痛めつけられた美鈴に、ある日妊娠が発覚しー。傷と再生、欲と本質、自然の力を描き切った傑作長編、堂々完結。
受付嬢に告白するも拒まれ、のんびり田舎暮らしを始めようと決めたセージ。実家への帰路、二人の美人エルフが道に倒れているところに遭遇する。瀕死状態に見えたエルフたちだったが、スキルを使い食事を与えると即座に回復。そのスキルを見た彼女たちはセージを“エルフ族の王”だと断言する。セージは言われるがままにエルフ族の里へ行き、代々伝わる聖剣を引き抜き、古文書を読み解き、尊敬を集めていく。人類を凌駕する戦闘力を持つエルフ族を従えたセージは、人間が暮らす国の王様からも崇められる存在となってしまう。
札幌の中学校の新任教師、『馬引心晴』と『鹿取快』。全ては一人の生徒が誘拐されたところから始まった。次第に見えてくる宇宙人の魔の手。心晴の中で快への疑惑が広がる。果して快と誘拐犯の繋がりはー!?前作『ユイとアキラ』に続く、現代SFジュブナイル第2弾!
「〈新訂版コナン全集〉(東京創元社)」を基に、訳者・中村融氏が全面改稿、新たに新資料も加え、全4巻にてお送りする『愛蔵版 英雄コナン全集』、第2巻となる「征服篇」には、中短の5編に加え、ハワードのデビュー作「槍と牙」、ラヴクラフト宛の書翰をまとめた「野蛮と文明」など、新資料を収録。 【収録作品】 ザムボウラの影/鋼鉄の悪魔/黒い予言者/忍びよる影/黒魔の泉 〈資料編〉トムバルクの太鼓(梗概)/トムバルクの太鼓(草稿)/槍と牙/闇の種族/キンメリア/ハイボリア時代の諸民族に関する覚え書き/野蛮と文明ーーハワードのラヴクラフト宛書翰より
会社のエレベーターから足を一歩踏み出したらそこには何もなかった…そのうえ気がつけば、ろくに言葉も話せない赤ん坊になっていて!?獣の姿にもなれる獣耳&尻尾ありの人型獣族の者たちが大多数を占める世界に、会社員だった前世の記憶を残したまま希少な人族として転生した主人公。ピアニーと名付けられ、周囲(特に兄のオーキッド)から惜しみない愛情を注がれて日々暮らすも、こちらの世界はびっくりすることばかりで前世の常識が通じない!人族特有のチートな能力も授けられ、気づけば常識外れな言動で意図せず無双する最強幼児の異世界成長譚。
闘わない、あきらめない、ポジティブに逃げる技術。人間関係、仕事、恋愛、アイデンティティーにおいて何物にも囚われず、自分が好きな自分で生きるための「逃げ方」の教科書。
“焼き鳥屋の赤提灯は町の交番”-地元・龍ヶ崎に三十余年。カウンター越しに対峙した波乱万丈、人生劇場。「地獄を見た男」俳優・大辻慎吾が紡ぐ表題作「警察病院脱走女詐欺師」と、「悪…国選弁護士」の二篇を収載。
1970年代、シンガーソングライターとして十代でデビューを飾った荒井由実。 のちに日本最大の女性ポップスター、松任谷由実=ユーミンとなる煌めく才能は いかにして世に出たかーー。 八王子の裕福な呉服店に生まれ、ピアノに触れ、清元を学び、ミッション系の私立女子校に入学。 グループ・サウンズが一世を風靡するなか、由実は高度経済成長期の東京を、好奇心いっぱいに回遊しはじめる。 米軍基地、ジャズ喫茶、ミュージカル『ヘアー』、伝説のレストラン キャンティetc.…… 次々に新しい扉を開けて、才能を開花させていく。 少女・荒井由実のデビューまでの軌跡をノンフィクション・ノベルとして描き出す。 名曲「ひこうき雲」が生まれるまでーー ◆松任谷由実さんから寄せられたコメント これはノンフィクションというより、ルポルタージュに近いかもしれない。 山内マリコさんの獰猛な取材力とインタビューに、記憶のボタンが次々とクリックされ、 私は幼少期を、青春を、サーフィンしまくった。目眩く楽しかった。 これは多くの人たちが好きなサクセスストーリーの真逆だから、全くシンパシーが得られなかったとしても仕方ない。 正に、"事実は小説よりも奇なり"。 ひとりの特異な少女が、50s、60s、そして70sの、 東京カルチャーとカウンターカルチャーに彩られ、特異なまま大人になってゆくお話。 山内さんの大いなる好奇心が、私自身もすっかり忘れていた愛を、思い出させてくれた。 こんな機会を与えていただけて、本当に良かったと思う。 つくづく私は、"ユーミン"以外のものにはなれなかったのだなあと、 覚悟とも諦めともつかない幸せな気持ちで、この小説を読み終えた。 ◆目次 第一章 八王子の由実ちゃん 第二章 ピアノ、清元、サウダージ 第三章 立教女学院とパイプオルガン 第四章 マギーと立川基地 第五章 らせん階段の家 第六章 フィンガーズ・デイズ 第七章 一九六九年 第八章 カルチエ・ラタン的御茶ノ水 第九章 セブンティーン! 第十章 ハロー、キャラメル・ママ
おっとり令嬢フローラは、侯爵家の嫡男アドルフと幼馴染。容姿も能力も完璧な彼はーヤキモチ焼きでどこにでもつきまとってくる厄介な存在でもあった。すべてアドルフなりの不器用な愛情表現なのだが、鈍感なフローラには逆効果。しまいには上から目線で求婚したことで、フローラの長年の鬱憤が爆発!「私は貴方が嫌いです!!だから結婚なんて絶対に嫌!!!!」本気の拒絶を目にした彼は動揺し、プライドをかなぐり捨てて方向転換を決意するが!?
ある日、森で引きこもり生活をしていたミチカは川へ洗濯に行くことに。そこへどんぶらこと流れてきたのは大きな桃…ではなく、縦にも横にも大きな領主様だった!?彼は長年見た目のせいで周囲から侮蔑される事に悩んでいたが、ミチカは己のチート能力で呪いが原因と見抜く。ついでに呪いを解いてあげたら彼は目も覚めるような美丈夫に大変身!以来度々川を流れてきては全力アプローチする天然な彼に、ミチカは突っ込みつつも心和むようになりー。
無実の罪で国を追われた王太子・サミュエルの妃だったヴァネッサは、田舎に逃れて男を装い、小説を書いていた。その内容はサミュエルを主人公にした復讐譚。物語は、主人公が王太子に復権し国王にまでのぼり詰め、いよいよ最終章となる恋愛編へ突入。だが恋愛のわからないヴァネッサは続きが書けない。そこへ突如サミュエルが現れて!?「君の望み通り、この国の王になったんだよ」なぜか彼に執着されて、恋愛編の続きを実践することになり…?
一匹の精子として人格を得た「僕」は、気持ちいい羊水の中、胎児として平和な日々を送っていた、が、ある日、殺人事件の目撃者になってしまう。そして被害者は、なんと、とうちゃん、かあちゃん!?不思議な記憶をもつ僕の一生のお話です。