小説むすび | 2025年12月発売

2025年12月発売

漆黒のLAST WALTZ〈帰還〉漆黒のLAST WALTZ〈帰還〉

出版社

風詠社

発売日

2025年12月2日 発売

柳原郁夫は独立して自分のビジネスを始めたいと考えるが、妻の裕子からは強く反対され、計画を断念する。それから1年後、今度は妻の裕子が女性起業家養成塾を立ち上げ、多くの参加者を集め成功を収める。その後、裕子の様子に変化が見られ、医師から中程度のアルツハイマー型認知症と診断される。徐々に彼女は出不精になり、階段やエスカレーターの使用を避けるようになる、外出時は郁夫が付き添ったが、ショッピング中の混乱や物忘れが頻繁に起こり、裕子は自身の行動に戸惑いを見せ始める。そして、優しい性格だった裕子は次第に激しい怒りから物を投げたり、時には包丁すら手に取るようになってしまう。家族は彼女を守り、耐えることが続いたが、年月の経過と共に関係が次第に複雑になっていった。その後、施設に入居したが、その生活中に裕子の体調が急変し、膵臓がんが発見された。余命宣告を受けた彼女は在宅看護を受けながら最後の日々を家族と穏やかに過ごすが、徐々に体力が衰えていく。それでも息子・祐の支えもあり、裕子は一時的に生き生きとし、病気を忘れたように見えたが、緩和病院への転院前夜に、裕子は家族に見守られながら静かに息を引き取った。郁夫は妻を悼みながら、裕子のことを思い出の中で大切に抱きしめる。 第一章 孤独から共生へ/第二章 意表を突かれて/第三章 たゆたう魂/第四章 共生から自立へ/《エピローグ》愛しきは命

カビリアカビリア

医師の眼と詩人の手つき 宿痾、痛み、性と死、澱汚と諦念……ソ連崩壊前夜に小説の新たな沃野を拓いたパレイの初期三部作ーー「追善」「エヴゲーシャとアーンヌシカ」「バイパス運河のカビリア」--で描かれるのは、グロテスクが発酵する日常を淡々と生きる、行き場のない人びとであり、その生は言ってみれば「いずれもそれぞれに不幸なものである」。とはいえ、幸福な生が必ずしも美しいものとは限らないし、不幸な生が醜いわけでもない。医師でもあったパレイの自伝的要素もまとった語り手は、幼い日に祖父母の家で目の当たりにした業の行く末と死、一癖も二癖もある老女たちとの共同住宅での営み、そして、バイパス運河通りで天衣無縫に生き切った「カビリア」を、冷めたあたたかな眼差しで眺めながら、饒舌にして平静、乾いていながら粘りつく唯一無二の文体で編んでゆく。ゴーゴリやドストエフスキー、アフマートワらによって紡がれたテクスト・ペテルブルクの系譜にありながらも、粛清や大祖国戦争、封鎖や飢餓といった悲劇、ガガーリンの活躍や原発事故、ペレストロイカなどソ連史を内に湛えるこれらの作品は、むしろ「テクスト・レニングラード」と呼ぶにふさわしい。

午後便には乗るな午後便には乗るな

発売日

2025年12月2日 発売

ー働くとは。生きるとは。 1984年、バングラデシュ・ダッカ。 現地駐在員としてインフラ事業を担っていた片岡章二のもとに、ある日の午後、衝撃的な一報が届く。 バングラデシュ航空機がダッカ空港近くで墜落。住吉商事からの出張者二名が乗っていたらしい。 なぜ彼らは、「死にたくなければ乗るな」と警告されていたはずの“午後便”に乗ってしまったのか……。 彼らの行動の背景にあったのは、組織への厚い忠誠心だった。 実際に起きた航空事故をもとに、国境を越えて働くことの過酷さとロマン、そして“会社”という巨大な論理が個人の命を飲み込む不条理を描き出すノンフィクション小説。 ※この書籍は2021年に出版された『安息日は二度と来ない:ダッカ1984・航空機事故とある商社マンの葬送歌(レクイエム)』のリニューアル版です 目次 プロローグ 1 ネバー・オン・サンデー 2 ハンガー4 3 地獄の沙汰も金次第 4 火葬の村 5 深夜のスピークアップ 6 懲罰人事 7 肥溜め商社 8 社長のお忍び 9 男子単優勝 10 結論はUFO 11 自衛隊の手つなぎ鬼 12 ワシントンDCの桜 13 二度目の懲罰人事 エピローグ あとがき 著者プロフィール

白雪姫と五枚の絵 ぎんなみ商店街の事件簿2白雪姫と五枚の絵 ぎんなみ商店街の事件簿2

出版社

小学館

発売日

2025年12月3日 発売

緻密で鮮烈なマルチ・アートミステリー! かつて「ぎんなみ商店街の白雪姫」と呼ばれた八百谷雪子は、現在認知症を患い入院中。商店街の人気焼き鳥店「串真佐」三姉妹の次女・都久音は宝石店店主の神山と見舞いに行くことに。すると病室で魔女が白雪姫に毒林檎を渡そうとしている絵を見つける。旧知の神山も認識できない様子の雪子だが、絵の魔女を指さし「こいつね、わるいやつなの。私から一億円を盗んだの」と言いだした。 一方その頃、木暮四兄弟の次男・福太と三男・学太は早朝ジョギング中の河原で、スポーツ店店主の遺体を発見。彼の手元には走る子豚たちが描かれた絵が落ちていた。一目見て、学太はそれが亡き母の手によるものだと気づく。 「白雪姫」「三匹の子豚」「赤い靴」「ヘンゼルとグレーテル」「雪女」。相次いで見つかった五枚の絵は「見立て絵」で、何らかのメッセージが隠されているらしい。三姉妹と四兄弟は、それぞれの絵に仕組まれた謎に挑むことに! 時に協力しながら、時に推理合戦を繰り広げながら。七人の探偵たちが解き明かす五つの謎が描き出す真実とは。巧妙すぎる伏線と、鮮やかな結末に驚嘆すること間違いなし。2025年いちばんのインパクトをぜひ味わってください。 【編集担当からのおすすめ情報】 「ひとつの事件に二つの真実」という前代未聞の読書体験で大ヒットとなった『ぎんなみ商店街の事件簿』〈Brother編〉〈Sister編〉。あの愛すべき四兄弟と三姉妹が帰ってきました! 今作で彼らが挑むのは「見立て絵」の謎。四兄弟の母が遺したと思しき五枚の絵が、同時多発的に発見され、それぞれに隠された謎に挑みます。もちろん、「五枚の絵」もフルカラーで収録。あなたはこの絵が何の「見立て」か、見破れますか?

南風日記ー備忘録2019〜2022南風日記ー備忘録2019〜2022

出版社

アルソス

発売日

2025年12月19日 発売予定

定年となり現役を完全リタイヤした田村。今のことを忘れてしまうだろうと身辺雑記を始めたが、その直後から、次から次へ知り合いを見送ることになり、どうなるのかと思っているうちにコロナが流行り始める。コロナ禍で、だんだんと終活のことも気になりだしているうちに、周囲では思いもよらぬことが起こり始める。人生の第4コーナーをまわった主人公が、過去に思いを寄せ、人生の終わりを思い描く現実のようなフィクションのような不思議な物語。 2019年 コロナ禍前 1 北小岩 居酒屋 2 甲州 穴山畑小屋 3 周防大島 連休 4 小岩 昼の宴会 5 周防大島 難病 6 田園都市線 お見舞い 7 新横浜 急死 8 周防大島 盆休み 9 多摩墓参 彼岸花 10 下総中山 老人ホーム 11 柏 追悼 12 四谷 追悼ミサ 13 越谷 弔問 2020年 コロナ禍 1 1 両国 相撲見物 2 八王子 滝山城 3 恵比寿 花見 4 西新宿 歯痛 5 連休 帯状疱疹 6 山口 猛暑 7 新宿 免許更新 8 内房線 姉ヶ崎ゴルフ 9 京王線 堀之内墓参 10 神保町 上海蟹 11 駿河台 並木道 2021年 コロナ禍 2 1 駒場 伐採 2 駒場 白犬事件 3 大手町 ワクチン接種 4 周防大島 冬の星座 2022年 コロナ禍 3 1 宮島 初詣 2 地鎮祭 3 渋谷 消えた百貨店 4 周防大島 遺されたワイン 5 周防大島 古いノート 6 周防大島 南風

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