2025年12月発売
もう恋なんてするはずはないと思っていたーーあの日、出逢うまでは。 一度はすれ違い、遠ざかった二人。再会の先に待つのは、後悔か希望か。 静けさの中に胸を打つ、大人のための恋の物語。 東京から地方都市へ単身赴任した50代の会社員・斎藤拓也は、新天地での仕事と生活に適応しようとする中、同僚の西澤レイ子と出会う。知的で誠実、気品を感じさせる彼女に対し、拓也は既婚者でありながら強く惹かれていく。互いに家庭がありながらも、仕事やランチ、何気ない会話を通して距離が縮まり、やがて淡い恋心が芽生える。禁断ともいえる感情と、それを昇華させようとする姿が丁寧に描かれる中年男女の情愛の物語。
渚と渚、家族になってともに母に ブログがきっかけで知り合ったアラサー女子、白石渚と池江渚は、「灯台めぐり」の旅を重ねて姉妹同然の絆を育み、双子の兄弟と恋に落ちる。2組のカップルはそれぞれ人生のパートナーとなり、新たな親子関係が生まれ……。 友情から家族愛へ 新展開の第3章
太平洋戦争直後の混乱をたくましく生き抜いた女性たちの、不屈の絆と希望 昭和の戦争の嵐が吹き荒れる満州で、運命に翻弄された二人の女性。従軍看護婦の伸子と特高警察官の妻・満。それぞれが直面した過酷な現実と、家族を守り抜こうとする母としての強さを描く感動作。 一 俊介の進路面談 二 忍び寄る大戦の足音 三 日米開戦 四 妻 伸子への召集 五 それぞれの任地へ 六 それぞれの身の上(自己紹介) 七 留守を預かる 八 満州談義 九 堀越俊介、国末広太郎の戦死 十 終戦は近いのか? 十一 伸子奉天へ転勤 十二 敗戦の混乱 十三 年の暮奉天 十四 未帰還の伸子を待つ家族 十五 帰国許可の朗報 十六 伸子帰る 十七 「尋ね人」 十八 避難列車 十九 反省 二十 伸子と満の出会い 二十一 もしもの時 二十二 避難生活 二十三 父 帰るも 二十四 帰国への心の準備 二十五 帰国の途へ 二十六 ままならぬ内地の事情 二十七 洋二郎の実家 二十八 洋二郎の実家へ挨拶 二十九 一本の万年筆 三十 満、伸子との再会
この違和感、神様のイタズラ? いつもと変わらぬ日常が、どこかズレてる。 人と、人ならざるものの気まぐれが紛れ込むショートショート20編。 現代人の願いに疲弊し家出をした神様、気苦労の絶えない狛犬、「ダイエット神社」の驚くべきからくり。 富津倉神社を起点に繰り広げられる、日常と非日常が溶け合う掌編フィクション。 第一章 神様の願い事 葉みくじ 神様の逃避行 メリーゴーランド 御酒印帳 ダイエット神社 胴体狩り 冷たい手 第二章 膝小鯉 月の魔力 トビウオのまなざし 営業マンの極意 就職試験日 ウーマンホール 虫に喰われた男 過去と再会した女 進化論 山の名水 充実の人生 イーグルス
最高の相棒(バイク)がくれた、最高の仲間達 平凡な毎日を送っていた会社員・金城翔太は、あるバイクとの出会いをきっかけに二輪免許を取得する。教習所で知り合った琉香達とツーリングを重ねるうちに、バイクで走る楽しさを知り、仲間との絆を深めていく。だがある日、走行中の事故により、翔太は命の危機に直面する。同じ希少な血液型を持つ琉香が、翔太を救うため急いで病院へ向かおうとするが……。 風になる疾走感、仲間と走る楽しさ、バイク乗り同士の絆ーーバイクで駆け抜ける青春の日々を綴った、若者達の熱い絆の物語。 第一章 先輩と/雷と風/教習所の天使/報告 第二章 教習/出会い/一本橋/卒業検定/検定終了/打ち上げ/バイクショップ『ダーツ』 第三章 初乗り/白バイ/プチツーリング/意外な共通点/暴走族との夜 第四章 ツーリング計画/山口ツーリング/青い翼/最終日/厳島神社 第五章 あおり運転/絆/病室にて 第六章 相棒/始動/仲間 あとがき
「変な配達員さんがいるんです……」運送会社・さくら配達に、奇妙な問い合わせが相次いだ。その配達員はインターフォンを三回、ノックを三回、そして「さくら配達です」と三回呼びかけるのだという。まるで嫌がらせのようなその行為を受けた人間に共通するのは、配達の指定時間に荷物を受け取れず、不在票を入れられていたという事実。実害はないが、どうにも気味が悪い……そんな中、時間指定をしておきながら、わざと不在にして配達員に荷物を持ち帰らせるというイタズラを繰り返す男のもとに、不気味な配達員が姿を現しーー。不可解な怪異によって日常が歪んでいく、生活浸食系ホラー小説!!
Xにてリポスト2.4万、いいね16.5万、閲覧4.5億回されたポスト群をもとに作成されたホラー短編集、ついに書籍化! 【ルール】このアドバイスに疑問を持たないでくださいーー ・工場:人を「おーい!」と呼ばないこと ・会社:三階会議室は使用禁止です。中には人は居ません ・寮:開かずの間が三か所あるが絶対に開けないこと、開くことがあります。 ・警備:夜間巡回時に復路でまれに開いているドアがあるが必ず締めろ、なお中は見なくて良い 会社、旅行先、病院……日常を1mm?いてみれば、そこには「変なルール」が満ち溢れている。
柳原郁夫は独立して自分のビジネスを始めたいと考えるが、妻の裕子からは強く反対され、計画を断念する。それから1年後、今度は妻の裕子が女性起業家養成塾を立ち上げ、多くの参加者を集め成功を収める。その後、裕子の様子に変化が見られ、医師から中程度のアルツハイマー型認知症と診断される。徐々に彼女は出不精になり、階段やエスカレーターの使用を避けるようになる、外出時は郁夫が付き添ったが、ショッピング中の混乱や物忘れが頻繁に起こり、裕子は自身の行動に戸惑いを見せ始める。そして、優しい性格だった裕子は次第に激しい怒りから物を投げたり、時には包丁すら手に取るようになってしまう。家族は彼女を守り、耐えることが続いたが、年月の経過と共に関係が次第に複雑になっていった。その後、施設に入居したが、その生活中に裕子の体調が急変し、膵臓がんが発見された。余命宣告を受けた彼女は在宅看護を受けながら最後の日々を家族と穏やかに過ごすが、徐々に体力が衰えていく。それでも息子・祐の支えもあり、裕子は一時的に生き生きとし、病気を忘れたように見えたが、緩和病院への転院前夜に、裕子は家族に見守られながら静かに息を引き取った。郁夫は妻を悼みながら、裕子のことを思い出の中で大切に抱きしめる。 第一章 孤独から共生へ/第二章 意表を突かれて/第三章 たゆたう魂/第四章 共生から自立へ/《エピローグ》愛しきは命
医師の眼と詩人の手つき 宿痾、痛み、性と死、澱汚と諦念……ソ連崩壊前夜に小説の新たな沃野を拓いたパレイの初期三部作ーー「追善」「エヴゲーシャとアーンヌシカ」「バイパス運河のカビリア」--で描かれるのは、グロテスクが発酵する日常を淡々と生きる、行き場のない人びとであり、その生は言ってみれば「いずれもそれぞれに不幸なものである」。とはいえ、幸福な生が必ずしも美しいものとは限らないし、不幸な生が醜いわけでもない。医師でもあったパレイの自伝的要素もまとった語り手は、幼い日に祖父母の家で目の当たりにした業の行く末と死、一癖も二癖もある老女たちとの共同住宅での営み、そして、バイパス運河通りで天衣無縫に生き切った「カビリア」を、冷めたあたたかな眼差しで眺めながら、饒舌にして平静、乾いていながら粘りつく唯一無二の文体で編んでゆく。ゴーゴリやドストエフスキー、アフマートワらによって紡がれたテクスト・ペテルブルクの系譜にありながらも、粛清や大祖国戦争、封鎖や飢餓といった悲劇、ガガーリンの活躍や原発事故、ペレストロイカなどソ連史を内に湛えるこれらの作品は、むしろ「テクスト・レニングラード」と呼ぶにふさわしい。
古き良きあの頃の京都へーー 自立を目指す一人の青年の物語。 人々との交流をとおして変化していく心を瑞々しい筆致で描く。 一 銀閣寺道 白川女と二人暮らし (一)五十年前の記憶 (二)故郷を発って京都へ (三)日々の暮らし (四)白川女 (五)暗転 (六)幽霊 (七)白川女との再会 二 新京極 人形のあやべ (一)人形屋で働く (二)父と娘 (三)黄色の花と和紙作りの里 (四)心、揺さぶる (五)東京へ (六)京都から綾部、そして城崎温泉へ 三 京都下鴨 それぞれの物語 (一)六十五歳の同窓会 (二)その子のこと (三)夢の中 (四)退職記念講演会場で
ー働くとは。生きるとは。 1984年、バングラデシュ・ダッカ。 現地駐在員としてインフラ事業を担っていた片岡章二のもとに、ある日の午後、衝撃的な一報が届く。 バングラデシュ航空機がダッカ空港近くで墜落。住吉商事からの出張者二名が乗っていたらしい。 なぜ彼らは、「死にたくなければ乗るな」と警告されていたはずの“午後便”に乗ってしまったのか……。 彼らの行動の背景にあったのは、組織への厚い忠誠心だった。 実際に起きた航空事故をもとに、国境を越えて働くことの過酷さとロマン、そして“会社”という巨大な論理が個人の命を飲み込む不条理を描き出すノンフィクション小説。 ※この書籍は2021年に出版された『安息日は二度と来ない:ダッカ1984・航空機事故とある商社マンの葬送歌(レクイエム)』のリニューアル版です 目次 プロローグ 1 ネバー・オン・サンデー 2 ハンガー4 3 地獄の沙汰も金次第 4 火葬の村 5 深夜のスピークアップ 6 懲罰人事 7 肥溜め商社 8 社長のお忍び 9 男子単優勝 10 結論はUFO 11 自衛隊の手つなぎ鬼 12 ワシントンDCの桜 13 二度目の懲罰人事 エピローグ あとがき 著者プロフィール
異文化と欲望が交錯する、熱き商社マン小説ー。 40歳を迎えた総合商社マン・片岡章二は、キャリアの行き詰まりを抱えながら、インドネシア・中部ジャワの地に降り立つ。 任されたのは、大型発電所の設計から調達、建設までを一括で請け負うEPCプロジェクト。 国家間の利害、異文化の価値観、企業の思惑が交錯するなか、片岡は多くの葛藤と選択を迫られていく。 仲間への信頼と裏切り、家族との別れ、そして、責任の重さに打ちのめされながらも前に進む日々。 現場で起きるトラブルの数々と、交渉の駆け引きの末に彼がたどり着いた“答え”とはー。 世界を舞台に戦う商社マンのリアルとロマンを描いた、心揺さぶる本格ビジネス小説。 ※この書籍は2022年に出版された『商社マンたちの協奏曲ーー発電所EPCの男たち』のリニューアル版です。 目次 プロローグ 1 戸惑い 2 気付き 3 始まり 4 三銃士 5 強み 6 また一難 7 ホスピタリティ 8 バキバキ 9 紙 エピローグ エピローグ 1 エピローグ 2 著者略歴
緻密で鮮烈なマルチ・アートミステリー! かつて「ぎんなみ商店街の白雪姫」と呼ばれた八百谷雪子は、現在認知症を患い入院中。商店街の人気焼き鳥店「串真佐」三姉妹の次女・都久音は宝石店店主の神山と見舞いに行くことに。すると病室で魔女が白雪姫に毒林檎を渡そうとしている絵を見つける。旧知の神山も認識できない様子の雪子だが、絵の魔女を指さし「こいつね、わるいやつなの。私から一億円を盗んだの」と言いだした。 一方その頃、木暮四兄弟の次男・福太と三男・学太は早朝ジョギング中の河原で、スポーツ店店主の遺体を発見。彼の手元には走る子豚たちが描かれた絵が落ちていた。一目見て、学太はそれが亡き母の手によるものだと気づく。 「白雪姫」「三匹の子豚」「赤い靴」「ヘンゼルとグレーテル」「雪女」。相次いで見つかった五枚の絵は「見立て絵」で、何らかのメッセージが隠されているらしい。三姉妹と四兄弟は、それぞれの絵に仕組まれた謎に挑むことに! 時に協力しながら、時に推理合戦を繰り広げながら。七人の探偵たちが解き明かす五つの謎が描き出す真実とは。巧妙すぎる伏線と、鮮やかな結末に驚嘆すること間違いなし。2025年いちばんのインパクトをぜひ味わってください。 【編集担当からのおすすめ情報】 「ひとつの事件に二つの真実」という前代未聞の読書体験で大ヒットとなった『ぎんなみ商店街の事件簿』〈Brother編〉〈Sister編〉。あの愛すべき四兄弟と三姉妹が帰ってきました! 今作で彼らが挑むのは「見立て絵」の謎。四兄弟の母が遺したと思しき五枚の絵が、同時多発的に発見され、それぞれに隠された謎に挑みます。もちろん、「五枚の絵」もフルカラーで収録。あなたはこの絵が何の「見立て」か、見破れますか?
50年代、アメリカの田舎町。地主の死体が川中で発見され、第二次大戦帰還兵の保安官ブロディの捜査で、日本人の妻を持つノアが容疑者として浮かぶ。弁護士チャーリーは住人たちの過去を調べるが……。エドガー賞ほか四冠に輝いた『ありふれた祈り』著者の新作
深刻な高温化で人類がほぼ死に絶えて数百年ーー異星人が設置した密閉ドームで少数の生存者たちと暮らすエリー、高温の外界に適応した女系民族〈結晶の民〉の娘アサヒ、一族を失い人類の殲滅を決意するユズリ……過酷な環境を生き抜く者たちの罪と復讐の物語!
二〇一九年、ミシシッピ州で白人男性の遺体が発見された。傍らには七十年前に惨殺された黒人少年エメット・ティルに酷似した遺体が。やがて同様の事件が全米で連鎖する。過去への報復か、新たな反乱の幕開けか。アメリカの黒人リンチの歴史に迫る文芸ミステリ
孤児院に暮らす18歳の少女ジルーシャはある日、顔も知らない紳士から大学進学の援助を受けることになる。条件は、月に一度彼に手紙を書くこと。人気ミュージカル俳優・井上芳雄、坂本真綾と上白石萌音の織りなす世界を言葉でも堪能できるファン必読の小説。
定年となり現役を完全リタイヤした田村。今のことを忘れてしまうだろうと身辺雑記を始めたが、その直後から、次から次へ知り合いを見送ることになり、どうなるのかと思っているうちにコロナが流行り始める。コロナ禍で、だんだんと終活のことも気になりだしているうちに、周囲では思いもよらぬことが起こり始める。人生の第4コーナーをまわった主人公が、過去に思いを寄せ、人生の終わりを思い描く現実のようなフィクションのような不思議な物語。 2019年 コロナ禍前 1 北小岩 居酒屋 2 甲州 穴山畑小屋 3 周防大島 連休 4 小岩 昼の宴会 5 周防大島 難病 6 田園都市線 お見舞い 7 新横浜 急死 8 周防大島 盆休み 9 多摩墓参 彼岸花 10 下総中山 老人ホーム 11 柏 追悼 12 四谷 追悼ミサ 13 越谷 弔問 2020年 コロナ禍 1 1 両国 相撲見物 2 八王子 滝山城 3 恵比寿 花見 4 西新宿 歯痛 5 連休 帯状疱疹 6 山口 猛暑 7 新宿 免許更新 8 内房線 姉ヶ崎ゴルフ 9 京王線 堀之内墓参 10 神保町 上海蟹 11 駿河台 並木道 2021年 コロナ禍 2 1 駒場 伐採 2 駒場 白犬事件 3 大手町 ワクチン接種 4 周防大島 冬の星座 2022年 コロナ禍 3 1 宮島 初詣 2 地鎮祭 3 渋谷 消えた百貨店 4 周防大島 遺されたワイン 5 周防大島 古いノート 6 周防大島 南風