2025年6月発売
「友 猫」「ペット 警 察」「ニッポンの血」の三部作。 【帯文より】 「今月いっぱいで契約解除させてもらいます」突然解雇を言い渡され、失意に落ち落ち込む主人公が、ひょんなことから出会った猫と会話ができるようになり、そこから繰り広げられる猫と人間の奇妙な友情を描く不思議な物語「友猫」他二編。 遊具が集まっている辺りの脇の植木の茂みに、何やら赤茶色っぽいものがもぞもぞと蠢いているのが見えていた。それを、ただ何となく惰性的に眺めていると、それは、徐々に大きくなってきた。さらに見続けると、そいつは、どうやら自分の方に近づいてくる様子だ。「ん、何だ、猫か」と、思わず呟いてしまったが、今は特に、相手にしてやろうというつもりはない。しかし、また幾度か目を擦っている間に、とうとうそいつは自分の際までやって来た。赤茶色の、俗にアカトラとかいう野良であろう。それが、自分の座っている隣にピョコンと乗っかってきて、「にゃあ」と、一声鳴いたのである。(『友猫」より)
娘を守りたい母、そんな母を疎ましく想う娘、どこにでもある母娘の光景。だがある事故をきっかけに、二人の生活は一変する。 テキサス州に住む主婦モーガンは、17歳のときにクララを妊娠し、高校を中退して子育てに専念してきた。夫や娘を愛しているけれど、一人の女性としては自分の人生に虚しさを感じている。そんな折、夫のクリスが交通事故にあい帰らぬ人となってしまう。 クリスとモーガンの娘、クララは16歳の高校生で、将来は女優になるのが夢だ。 同じ高校の上級生、ミラーは映像制作に興味を持っていて、映像関係の大学に進学を希望していた。そんな二人が協力して映画を製作することになった……。 全米ベストセラー作家、コリーン・フーヴァーが贈る、ドラマチックな家族の愛と再生の物語。
モーガンとクリスの娘クララは十六歳になっている。 ある日、クララは車で学校から帰る途中、道端に上級生のミラーの姿を見つけた。何をしているんだろう……これまでミラーとは話したこともない。何があったわけでもないのに、ミラーが自分を避けている気がするし、彼にシェルビーという年上のガールフレンドがいることは知っている。一度はそのまま行きすぎたものの、うだる暑さの中で放置はできず、クララはミラーのところまで戻った。聞けば、ミラーは市の境を示す標識を移動させている最中だという。家の近くにあるピザ屋が市を越えてデリバリーをしないから、毎日少しずつ、標識を移動させ、自分の家を配達区域に含めようという計画らしい。突拍子もない発想にクララは唖然としたが、結局、移動を手伝い、彼を家まで送った。驚いたことに、ミラーは街はずれのボロ家で祖父と暮らしていた。クールなイメージのミラーが、甲斐甲斐しく祖父を気遣う様子に、クララは興味を掻き立てられた。帰り道、インスタに、ミラーのフォローを知らせるメッセージが届き、嬉しくなったクララは叔母に電話をした。 モーガンの三十四歳の誕生日。グラント家では毎年、家族の誕生日には皆が集まってパーティーを開く。お祝いにジェニーとジョナもやってきた。ジョナは十七年前、突然姿を消したが、去年、父親の葬儀で帰省したとき、再会したジェニーと一夜限りの関係を持ち、ジェニーが妊娠した。ジョナは結婚を決意、この街に戻ってきて、クララの高校で歴史の教師になった。ジェニーは息子が生まれて二ヵ月になった今、翌日からクリスのつとめる病院で看護師として働くことになっていた。
[商品について] ー北の大地から吹く風は、とても人間らしいー フリーのジャーナリストとして活躍する大路弥真一は、大学の後輩で気のおけない親友であり東京の大手銀行に勤める越坂圭吾に、あるコンサートで出会った女性、野中菊枝を紹介する。真一は知性的で敬虔なクリスチャンである菊枝に惹かれつつも、病の妻をもつ身から菊枝への思いを胸に秘め、一方同じように病の妻をもつ圭吾は菊枝への思いを隠すことなくぶつけていく。菊枝は真一に惹かれながらも圭吾との愛を進展させ、真一は二人を見守り続けたが、やがて予想外の結末を迎えることになるーー。ふるさと北海道を離れてから半世紀の激動の日々を生々しく描いた自伝的小説「ふるさとの風」北海道を舞台に交錯する3人の男女の愛と人生を描いた「哀しみのむこうに」の2編を収めた作品集。 [目次] 前書きにかえて 一、ふるさとの風 二、哀しみのむこうに 著者略歴 [出版社からのコメント] 文学作品には多くの楽しみがありますが、作者を通じて普段は出会うことのない人や人生を知ることができるということも、その一つに入るのではないかと思います。人生の中にある様々な出会いの一つとして、本書を多くの方に楽しんでいただければ嬉しく思います。 【著者略歴】 北岡 信夫(きたおか・しのぶ) 本名森川忍。 1937年北海道小樽市に生まれる。 1956年道立小樽潮陵高校卒業。 1957年早稲田大学第一政治経済学部入学。 1961年同卒業。同年貿易業界に従事。 1972年東京の私立高校に勤務。 1999年同退職。 2000年文芸社より長編小説『永遠(とわ)に続く祈り』を刊行。 2001年中国人民文学出版社より中国文の同書を出版。 2003年文芸社より長編小説『癒された虜囚の魂』を刊行。 2004年9月中国人民文学出版社より中国文の同書を出版。 2004年長編小説『バルカンの嘆き』を文芸社より出版。 2020年アマゾン・22世紀アート社から上記二作の改題である『バルカンの血涙』、『鬼から真人間に還った魂の転変の道筋』、『バルカンの血涙』が電子書籍化された。
ーやり直すんじゃないわ。これから始めるの。 正式な天使となるための最終試験に落ちた修行中の天使・フェリス。 彼女はその罰として、地上界に人間として堕とされてしまう。 その際、老天使が彼女に与えた試練は「1000人の人間の夢を叶えよ」というものであった。--人間・洋子として生まれ変わったフェリスの中に眠る衝撃の過去とは。 そして同じように地上に舞い降りた悪魔・ラルフとの出会いを経て、彼女が最後に選び取った運命とは。 壮大なスケールで展開する物語を通して、人間にとっての本当の幸せとは何かを問うた力作の長編小説。 [目次] 第0話 千人夢 第1話 花のように 第2話 永久に愛しき人と 第3話 幸福交換 第4話 栄光の結末 第5話 神と悪魔だけが 第6話 その身を犠牲にして 第7話 死なせて・・・ 第8話 失われた過去の先に 第9話 すべての始まりと別れと 第10話 力を与えるものは 第11話 再会と希望と絶望と別れ 第12話 審判と粛清と 第13話 帰るべき場所へ 第00話 新たなる歴史へ 著者略歴
「これにて終幕。楽しんでいただけたかな?」 異世界にTS転生したビクトリアは、華麗な奴隷剣闘士として人気を集めていた。 異世界の剣闘士は人間以外の種族や、スキルや魔法を駆使する規格外ばかり。 だが彼女は「加速」スキルで肉体だけでなく思考速度も加速させ、あらゆる強敵を斬り伏せる! そんな彼女を支えるのが、弟子の奴隷少女アル。 気づけば大切な存在となっていたアルと自分を奴隷から解放するため、 ビクトリアは莫大な賞金が懸かった帝国最大の剣闘士大会に挑む! 強く美しき剣闘士による超高速異世界活劇!
「いらっしゃいませ! 気に入った商品がありましたらどうぞご試着を!」 魔法裁縫士として腕を磨き、ついに自分の店『蜘蛛の綿雲』を開店させたリリィ。品質のよさに加え、姿見を用いての試着などのサービスが口コミで評判となり、お店は盛況! 冒険者ギルドのグランドマスターにも見込まれ、商品開発や大量生産を行う一方で、テイマーギルドからは新人育成の依頼が。後輩テイマーの手伝いが縁で、次は料理店を始める……!? プロローグ / 第一章 リリィのお店 / 第二章 オーガの異変 / 第三章 冒険者ギルドの人事交代 / 第四章 新装備取り扱い始めます / 第五章 テイマーギルドの候補生 / 特別編 テイマーエルサの日常 / 番外編 グルメなタラト(※書籍用の書き下ろし) / 第六章 ヴァードモイ侯爵からの依頼 / エピローグ 『子蜘蛛の巣』の今後 / 番外編 リリィ・ミーツ・リトルガール (※書籍用の書き下ろし)
フェリアの力を狙う魔王の策略にも負けず、ついに結ばれた氷帝・アルセイフとフェリア。 いよいよ結婚式を間近に控え、フェリアの前に現れたのはアルセイフの姉・リリンだった。 クールな見た目とは裏腹にアルセイフを溺愛するリリンは、フェリアに冷たく当たり…… 一方のアルセイフはフェリアを護る精霊王・ノーデンスから、無理難題を突き付けられてーー。 お互いが婚約者として本当にふさわしいのか、2人はそれぞれに厳しい試練を与えられてしまう。 困難を乗り越え、2人は結婚式を挙げられるのかーー激甘ラブストーリー最終巻!
怖がるのも、逃げるのも、もうやめる。戦うために! 運命の相手を示し、結ばれた相手を繁栄に導く赤い糸。その糸が切れていたため蔑まれていた伯爵令嬢スカーレットは、同じ糸切れの隣国の国王リオハルトに見初められ婚約者に。 ある夜会で、リオハルトの元婚約者・故ウィスタリアの父ダグルと会ったスカーレットは、恐怖に意識を失う。夢で見たウィスタリアとダグルの関係は、強い不安感に彩られたもので……。 意識を取り戻したスカーレットは赤い糸とは何か、またウィスタリアの死の真相を探るためリオハルトと共に動き出す。そこで明かされる真実とは……!? 途切れた赤い糸に起きた奇跡のラブストーリー!
乙女ゲームの世界に悪役令嬢として転生したヴィヴィアンは、推しの攻略対象である魔王様・リーヴァイをバッドエンドから救おうと奔走する。奴隷にして侍従となった彼と愛を深め、婚約をし、穏やかな日々を過ごしていた。 そんな中、仲良くなった主人公・クローデットではなく、彼女の義妹・プリシラに聖女の印が現れたことを知る…。 ゲーム一周目のシナリオでは、人族と魔族の戦争が起き、リーヴァイは聖女に殺されてしまう。ヴィヴィアンは、悲劇の未来を回避して、推しと結ばれることができるのかーー!? 「愛しているわ、リーヴァイ」 「我もそなたを愛している」 悪役令嬢が推し魔王様を救う、艶美な異世界ラブファンタジー、完結!!
【注意】本作はまったく優雅ではありません。 まず思いつかない、ぶっ飛んだ設定の奇想文学の集合体です。 「摩訶不思議なる読書旅。その果てに待つのはさらなる絶望、それとも大解放?」 ーー万城目学(作家) ※本作を読まれる皆様へ 本作はデビュー作『百年泥』で芥川賞を受賞した著者による短編集です。 作中に、やたら大人びた兄妹や、インドから脱出できない日本人や、 電車の網ダナの上で生活する女性や、恐ろしいサンタクロースが登場します。 この奇妙さに一度吸い込まれてみましょう。 ……ちゃんと戻ってきて下さいね。 なぜか笑えて、どこか怖い。 奇妙奇天烈な小説を4篇収録。 【著者略歴】 石井遊佳 (いしい・ゆうか) 1963年大阪府枚方市生まれ、埼玉県在住。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程満期退学。2017年「百年泥」で第49回新潮新人賞を受賞しデビュー。翌年、同作で第158回芥川龍之介賞を受賞。これまでの著書に『百年泥』『象牛』がある。
「あなたの一票が、首相を決める」 20××年、第5回首相直接選挙、開幕! 十数年前から日本に取り入れられた直接民主制。 国会は廃止され、議員は20歳以上の国民からランダムに選ばれる。 首相選に立候補するための条件は、「日本国籍を持つ30歳以上の人」で、供託金は1億円。 投票するのは、全有権者ーー。 立候補が見込まれる人物は、女性首相を目指す新日本党の政治家、関西を中心に絶大な人気を誇るTVタレント教授、SNS総フォロワー数800万人以上のインフルエンサーなど。 全国民を巻き込んだ“選挙ショー”の結果はいかに。 社会派小説の旗手が提示する、有り得るかもしれない「未来」。 【著者略歴】 堂場瞬一 (どうば・しゅんいち) 1963年生まれ。新聞社勤務のかたわら小説を執筆し、2000年、野球を題材とした「8年」で第13回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。スポーツ小説のほか、警察小説を多く手がける。「ラストライン」シリーズ、「警視庁犯罪被害者支援課」シリーズ、「警視庁追跡捜査係」シリーズなど、次々と人気シリーズを送り出している。ほかにメディア三部作『警察回りの夏』『蛮政の秋』『社長室の冬』、『弾丸メシ』、『幻の旗の下に』、『デモクラシー』、「ボーダーズ」シリーズなど著書多数。
大学女子寮で学生が惨殺された。犯人を目撃したパメラのもとに、国の反対側からティナが会いに来た。ティナは4年前に失踪した恋人を捜しているという。彼女たちが手を取り合い、調査をしていくと、警察も気づかなかった、巨大な連続殺人事件が浮かび上がる!
誘拐されていた赤ん坊に転生したリリカ。宰相・イヴェリオの元に引き取られるも、政務に追われてすれ違う日々が続いていた。リリカが3歳になったある日、精霊を実体化できるようになると、本の知識とひらめきを活かしてイヴェリオの政務をお手伝いすることに! 次々に浮かぶ画期的な施策や、子どもらしくあざと可愛くおねだりして情報を聞き出すなど大活躍! 次第にイヴェリオも心を開いていき…?「パパ、あたちにおまかしぇでしゅよ!」頼れる愛され幼女がパパと一緒に王国中を幸せにしちゃう、ハートフルファンタジー!
「好きな人と幸せになってください」--完璧な才女と称えられる侯爵令嬢・サフィアがある日突然、婚約者の王太子あてに1通の手紙を残して姿を消した。サフィアの妹と浮気していた王太子は、彼女が消えたことは好都合。お陰でサフィアがあげた手柄も、心から愛する婚約者も望みどおり手に入れ、順風満帆な人生を送る…はずだった。噂と違い教養がない婚約者、うまく進まない外交、下がり続ける周囲からの評価。「これが、サフィアが思い描いた未来だったのか?」このままでは破滅すると焦った王太子は、何とかサフィアを取り戻そうと行方を探すが…?
王宮の廃屋で孤独に暮らす七歳の王女・ルキアは、敗戦を機に敵国の人嫌い公爵のもとに預けられることに! 公爵には嫌われているが、自由を手に入れたルキアにとってそれは些細なこと。実は女優の前世を持つルキアは、訳あって公爵家で引きこもる祖母のために得意の演技を披露すると、癒しの力が発揮されて…!? すると祖母は庇護欲を爆発させ、ルキアを公爵の婚約者にすると宣言! 最初は迷惑がっていた公爵も徐々に様子が変わっていき…? 「ルキアがいないとつまらない」--幼女の力で、訳あり一家が心を通わすファミリーファンタジー♡
落ちこぼれ公爵令嬢だったエレスティアは、皇帝・ジルヴェストと結婚し正式に皇妃となる。 「愛してる。愛しいエレスティア。俺の、最愛の妻」 「……っ」 ついに心も体も結ばれた2人。しかしその夜を境に、なぜかジルヴェストの心の声が聴こえなくなっていて…。魔力の影響があったのかと不安になる中、エレスティアは隣国での公務へ向かうことに。しばらく離れ離れの時間を過ごす2人だが、エレスティアにちょっかいをかける王子の存在を知ったジルヴェストの独占欲は最高潮に達していて…!? 「離れていたのだから、一緒にいたい」 心の声は聴こえないはずなのに、旦那様の甘い言葉が止まらない!? リミッターを外した冷徹皇帝の耽溺猛攻に初心な新妻は朝から晩までドキドキさせられっぱなしで…。 ウブな小動物系皇妃×溺愛駄々漏れ皇帝の異世界恋愛ファンタジー♡
ある夜、やけ酒をしていた文官のアリスは、偶然意気投合した竜騎士の五人から「お持ち帰りするなら誰が良い?」と聞かれ、ずっと前から憧れていたゴトフリーを選んだ。 そのまま酔った勢いで甘い夜を過ごした次の日の朝、ゴトフリーに「付き合おう」と告白されたアリスはとある誤解からそれを断ってしまう。 だがそれでも諦めずにアタックを続けるゴトフリーのことを、アリスは少しずつ好きになっていた。二人は徐々に距離を縮めていくが、遠征先で魔物に襲われたゴトフリーは睡眠毒で眠ったままになってしまいーーー?
「ピカドン」と呼ばれても、顔を上げ、前を向いて生きてきた。 被爆者の両親のもとに生まれた義行。剣道にあけくれた少年〜青年時代、新天地での仕事と出会い、故郷長崎での運命の人との再会、永遠の愛と別れーー。被爆二世でなければ経験する必要のなかったであろう病気や差別など多くの困難に会いながらも、生来の真っ直ぐな心、負けん気の強さと正義感でそれらを撥ね退け、両親をはじめ愛する人びとに助けられながら前向きに生き抜いてゆく。 第1章 三浦家の人々 第2章 本田さんとメー 第3章 忍び寄る影 第4章 剣の道 第5章 道を行く 第6章 短い学生生活 第7章 出会いと別れ 第8章 新たな生活と再会 第9章 永遠の愛