2023年3月23日発売
関西在住の三本さんは、3児の母。中学生になった長女・ケイ(中1)、マイペースを貫く次女・フミ(小4)、恋に進展があった長男・ユキ(年長)とやっぱり残念な夫(年下)と5人で暮らしています。あいかわらずにぎやかで楽しい三本家の爆笑コミックエッセイ、第5弾♪
ある輝かしい夏の日。生物化学の研究をする大学院生のウォレスが夏のすべてを費やした線虫の培地に、カビが生えていた。ウォレスはただ、笑った。数週間前に父が死んだ。心配してくれる友人たちをよそに、ウォレスはこれっぽっちも悲しみを感じなかった。感情と向き合うことを避けていた中、同級生の同性の友人と一夜を共に過ごした。ウォレスの中に眠っていた過去のトラウマ、温もりへの渇望が目を覚ましたー。ニューヨーク・タイムズ紙ほか、欧米の各紙誌で年間ベストブックに選出。デビュー作にしてブッカー賞最終候補作となった注目の一冊。
ひと月前に大学へ長期休暇を申請して以来、一切の連絡がとれない黒猫。付き人は、学部長の唐草教授の頼みで、失踪直前に彼の研究室を訪ねた四人の来訪者ー元歌手の赤城藍歌、俳優の平埜玲、現代画家の網野美亜、写真家の魚住ゆうから事情を訊き、黒猫の行方を調べることになる。K大学教授の灰島浩平にそのことを打ち明けるが、依然として手がかりは掴めないまま、気持ちばかりが焦ってゆく。黒猫は何の目的で彼らと会っていたのか?そしてその行方は。アガサ・クリスティー賞受賞の人気シリーズ最新作、衝撃の結末。
いま最も注目される作家の初SF作品集。真実の愛を証明できる「回樹」をめぐる、ありふれた愛の顛末。骨の表面に文字を刻む技術「骨刻」がもたらした、特別な想い。すべての映画には魂があった。「BTTF葬送」への抵抗の物語。人間の死体が腐らない世界で、あるテロリストが達成した「不滅」。奴隷制度下のニューヨーク、白人と黒人と宇宙人の融和は「奈辺」?回樹に愛を託した人々は、年に一度の「回祭」を催していたー。誰も思いつけないアイデアと、誰でも思いあたる感情の全6篇。
昭和ー平成ー令和。それぞれの時代の風俗を巧みに取り込みながら、容姿への疑問と不安を物語に昇華させた連作集。美貌も知名度も偏差値も功績もすべてをぶっとばす、あの部分。ルッキズムの悪口は蜜の味?ヒメノ式「家族の寓話」へようこそ。
陸上自衛隊・神家正成「迷彩の天使」。新型コロナ感染症という「災害」の渦中にある豪華客船ダイヤモンド・プリンセス号に「派遣」された陸上自衛隊二等陸尉の看護官・畠山知重。妻として、母として、看護師として悩みながらも懸命に現場に立つ彼女の前に、意外な感染者がー。海上自衛隊・山本賀代「氷海」。コロナ禍の中、砕氷艦「ゆきはら」は南極に向かい前代未聞の無寄港無補給航海に出た。初めての南極への航海で、二等海尉の航海士・三津田流至は航海長・川尻の連日の厳しいしばきに耐えながら、思いがけないものを見つけた。航空自衛隊・福田和代「空のプライド」領空侵犯への対応のため常に待機する飛行隊のパイロット、盛岡保二等空尉は単身赴任。コロナ下で家族にも会えない日々だ。彼が働く築城基地で、ハトが着陸時の戦闘機に接触し機体が破損したのにハトの死骸がない、という考えられない事故が起きた。その謎を追う盛岡はさらに謎にぶつかる。「新型コロナ下」という限界状況を設定し、各自衛隊を熟知した作家たちが、その隊の特性特徴を活かした趣向で書き上げた、読み応えあふれる新しいエンターテインメント!
一膳飯屋「だいこん」を知人に譲ったつばきは、父安治と母みのぶと、新たな三人暮らしを始めた。不景気風が吹く江戸の商いはどこも経営不振でどの店も苦労していた。ある日、富岡八幡宮に参拝した安治は、薬種問屋「蓬莱屋」が看板の思案を求めていることを知り、渡世人の弐蔵と講釈師で絵心のある三太郎を仲間に、巨大提灯という壮大なスケールの看板を提案する。
病に冒されながらもピアノを弾き続けた妻がこの世を去った。シューマンの楽譜の間に短くもあたたかい手紙を残してー。無慈悲な現実の中、明るく生きた家族の物語。第25回日本自費出版文化賞入選、話題作が文庫化。
アルカナ判定の儀式で最低ランクの☆1を引いた少年、アストル。彼はその類い稀な魔法の実力から“魔導師”の二つ名で呼ばれるようになっていた。ある日アストルは、異常繁茂した『茨の壁』を発見する。その内部では精霊達が巨大な城を築いていた。調査により、過去に植物を大暴走させ、一国を滅ぼしたという魔物『金色姫』の出現の可能性を突き止めたアストル達。人類領域を脅かす悪意なき侵略者を排除するべく、稀代の“☆1”魔法使いが再び立ち上がる!