著者 : たけひと
渋谷・六課を目指すふたりには、決して埋まることのない溝があった。愛する人を失い、失わせたという決定的な溝。しかしそれが新たな絆を生みだすー。短い生涯を、血を流しながら駈け抜けた白髪の“二重雑種”が、ふたりをはじめとする多くの生き物たちに残していったものとは。そしてー続く世界を生きるかれらは。“二重雑種”の「血の雫」がもたらした数々の物語を描く珠玉の短編集。
記憶を失ったままの片倉優樹、そして“童子斬り”に憑かれ、自我を無くした山崎太一朗はついに激突した。アヤカシを殺す“童子斬り”の法則に従わず、ひたすらに優樹を殴り、打ち倒そうとする太一朗。そして、意に沿わずに動き始める優樹の「左の右手」。ふたりはただ殴り合い、傷つけあっていく。一方、己の死期を悟った「キマイラ」片倉晃が成そうとすることとは?また、最大の謎である“主”たちが行っていた計画「Ωサーキット」の全貌とはー?血を流し、肉を裂き、骨を砕いた先、ふたりが辿り着くのは何処か…?『ダブルブリッド』シリーズ、最終章。-物語の幕は、静かに下りる。
悩みに悩んだすえ、安藤希に対して凶行に及ぼうとしたその瞬間、相川虎司は圧倒的な力で池に投げ込まれた。兇人ー“鬼斬り”に取り憑かれた山崎太一朗の手によって。そして始まる人外のモノ同士の闘いは、安藤希に何を決断させるのか!?一方、右目を失い、“左手”も失い、記憶も失いつつある片倉優樹は、傍観者としての立場を捨てないままただ語りつづける大田真章を前に、何を決断するのか。数多くの決断を背に、破滅に向けて突き進む『ダブルブリッド』シリーズ。ついにクライマックス直前。
八牧は死んだ。鬼斬りに冒された山崎太一朗の手にかかって。同時に、八牧が命を賭して張った罠が動き始める。一方、八牧を失った元捜査六課の面々は、心に空いた虚無と向き合いながら、彼らの作法に従って行動を開始する。その目的は復讐ーその先に待っているであろう更なる虚無を直視することなく彼らは淡々と全てを決していくー。そんな中、虎司に想いを寄せる少女、安藤希は虎司の態度の不自然さに気づいた。そして…!超人気シリーズ待望の第8巻。
元捜査第六課所属のアヤカシー八牧はひとつの決断を下した。仲間を攻撃し命を奪う可能性のある“存在”、そいつをこの世から抹殺し仲間を守るために自分は考えうるすべての手段を使うーと。一方、八牧が付け狙う“存在”-山崎太一朗は混乱していた。鬼斬りの寄生が進み、アヤカシが近づくたびに意識の連続性が断たれるようになったためである。山崎の必死の願いにも関わらずさらに意識の変容は進み、そして…!!アヤカシの命を吸い、人間の魂を奪う鬼斬りの最初の一本ー童子斬り。今、その“童子斬り”を巡り、戦いが始まるー。
古都・京都で一匹のアヤカシが殺された。復讐に走ろうとする京都のアヤカシたちを抑えるため、また謎に満ちた犯人を見つけるために片倉優樹は、かつての同僚・帆村夏純と共に京都に向かう。非協力的なアヤカシ連中と人間の警察に手を焼きながら、優樹らが見いだした真実とはー?一方、休暇を取り実家に戻っていた山崎太一朗は一人の女性と出会う。かつて交際し別れそして別の男性と結婚した彼女と話をした太一朗の脳裏に去来するものとはー?人気シリーズ第五弾、ついに登場。