著者 : なぶらひみ
澄んだ青空に、教会の鐘の音が鳴り響く。きょうから、あたしは広岡みか子。「浩介サンの奥さんです!」って胸を張って言える…はずはない。だって、あたしは男女交際厳禁の高校に通う3年生。バレたら、もちろん退学。大好きな浩介サンと一緒に暮らせるのなら、卒業まで秘密を守るくらい、へっちゃら。ところが、だれかが学校に密告してしまったからタイヘン。あたしに気がある海原くんが?それとも?結婚生活、早くもピンチ。
「いいかげんにしてよ!」まりあは激怒した。ミツコさんの胸ぐらを、むんずとつかもうとしたのに、つかめない…だって彼女は幽霊だから。ある日とつぜん、まりあの前に現われた彼女。30年前に死んだけれど、心配ごとがあって成仏できない。そこで天国へ行く手助けをしてほしい、って頼まれて、友達になってあげたのに、恩辺しどころかハッピー真っ最中のまりあの恋をぶちこわしにかかった。さあたいへん、恋の結果は天国?地獄?
おバアちゃんはヘヴィ・メタルの燃狂的なファン。高校に入学したばかりの私を同じ道に引きこもうと、しつこく誘うの。けど私には、ロックは悪魔の重金属音楽、いや、ただの騒音にしか聞こえない。-でもでも、あこがれの大田センパイがロックファンと知って、私の生活は一変したね。毎日おバアちゃんの部屋に入りびたって、気合を入れてロックの勉強よ。大田センパイに少しでも近づけるチャンスなんだ。心はもうコレばっかり。
私をナンパした美少年シドくんは「ボクは宇宙人なんです」といったね。愛の研究のため地球へ来たんだそうです。「わかった、協力したげる」と軽い気持ちでうなずいたら、彼は皆の記憶を操作して同級生になりすまし、同時に私と公認のカップルになっちゃった。なんて勝手なの!片想い中の島村くんのことはどうしてくれるのよ?バレンタインまで、あと1か月しかないのに。
わたしは超怪力の持ち主。でも17歳の女のコに、そんなもんあっちゃ困る。乙女のイメージが台無しになってしまう。神様に思いきり文句をいいたい。-どうしてわたしだけ、人にいえないようなバカ力なわけ?普通の女の子でいるため苦労してきたわたしなのに、その秘密を偶然、ひ弱な男の学生に知られてしまったのだ。