著者 : 中村一
江の島へと続くすばな通りの脇道に立つ「ひなた食堂」。入院中の父に代わり厨房に立つまひろはある夜、帰る場所の無い少女、キッコと出会う。「ここは、腹を空かせた人が飯を食う場所だから」まひろが作った生姜焼きを平らげた彼女は、いつしか食堂の看板娘に。明るくて恋バナが大好きなキッコさん。でも彼女には「人の心が視える」という大きな秘密があってー。キッコの瞳がほぐした心をまひろの美味しいご飯が繋ぐ。「ひなた食堂」があなたのお腹も心もいっぱいにします。
横浜近郊の大学で学生自治会に所属する楽人。サークル存続届の実態調査のためミステリ研究会を訪れたはずが、自称探偵・秋乃に勝手に助手認定されてしまう。自分の活躍を事件簿にすれば、活動報告書の代わりになると主張し、嬉々としてトラブルに首を突っ込んでゆく秋乃の謎解きに巻き込まれー?「名探偵のお手伝いができるなんて、助手冥利につきるじゃない」変わり者の美女探偵に振り回される真面目男子の受難の日々(?)が幕を開ける!
人は生きている限り、変わり続ける。だからこそ人生には、ふと立ち止まって自分を見つめ直すことのできる場所が必要だ。ここは、東京・自由が丘、『カフェ六分儀』。“贈り物”の等価交換を通じて自らと向き合えば、きっと一番大事なものが見えてくる。ツンヘタレなアラサーシェフ作家と、珈琲を愛して止まないバツイチマスターが、香味豊かな一杯の珈琲とともに、あなたに幸せなひとときをお届けする物語。
「…私は、大切な人を探している」両親と離れ、叔父のもとで剣の修業に励むコウキが出会ったのは、世間知らずでワイルドで、でもどこか気高き少女、アイリだった。異常気象と大不況により電力がとても貴重となった世界で、アイリは“光”を生み出す力を持っており、しかしそれゆえに数奇な運命に翻弄されていた。その運命はコウキの秘められた目的とも絡みあっていてー。二人の出会いは新たなる冒険のはじまりを告げる!胸躍るエレクトリカル・アドベンチャー・ストーリー!
人はときに、大切なことを忘れて立ちつくす。そんなとき、飾り棚で交わされるココロの等価交換が、道を示してくれることがある。古い船乗りが星の光で方角を知ったように、宛名のない“贈り物”たちが、大切なことを優しく思い出させてくれる。ここは、東京・自由が丘、『カフェ六分儀』。ツンヘタレなアラサーシェフ作家と、珈琲を愛して止まないバツイチマスターが、香味豊かな一杯の珈琲とともに、あなたに幸せなひとときをお届けする物語。
なぜか本来知るはずのない天使の知識を記憶し、過去の経験から言葉を信じられないでいる柴田晴友。機関によって黒い歪な翼を植え付けられ、自らを七番目の代替天使だと名乗るナナ。心を開こうとしないナナに形だけの言葉を放つばかりだった晴友だが、交流を重ねるうち、お互いの心に歩み寄っていく。しかしそこで、ナナを生み出した機関の陰謀が動き出す。想感応、代替天使、蝶紋班、空を継ぐものー天使をめぐる人々の想いが交錯する中、二人が切り開く未来とは。エンジェリック・シンフォニー、感動の完結編。
万能薬ーあらゆる病気を治す夢の薬剤が開発されようとしていた。それを待ち望む少女が二人。初鹿野千夏は異様に頑丈な身体を持ちながらその血液は黒かった。半井詩奈は“眠り病”から端を発する合併症で入院生活を余儀なくされていた。詩奈の兄の成幹は、とある交通事故がきっかけで千夏と出会う。二人は次第に近づいていくが、万能薬を巡る思惑に翻弄されることになる。黒い血、万能薬、そして天使の遺伝子ーすべてのピースがはまるとき、二人に訪れるドラマとは!?感動のエンジェリック・シンフォニー。
眠り病が静かに広がる街で、月雄は夜ごと夢の中で一人の少女を見る。彼女はいつも簡素な寝台に腰かけ、じっとこちらを見つめてきた。しかし、そんな夢にとある異変が起こると同時に、月雄は現実でその少女と出会う。少女の名はツェツェ。目覚めるはずのない眠り病から覚醒した彼女に懐かれた月雄は、自らも無垢なツェツェに惹かれていく。眠り、夢、天使、遺伝子、様々なものが絡み合う中、二人を待ちうける運命とはー。感動のエンジェリック・シンフォニー、開幕。