著者 : 佐和みずえ
あたし、唯。サッカー少年の圭と、もっと仲良くなりたい17歳なの。ある晩、あたしの部屋に、着物姿の女の子が、ボンッ!と現れたんです。それは、あたしのひいひいひいおばあちゃん。江戸城でお仕えしてる篤姫さまの悲恋を、今の世でかなえてあげてほしいと言うの。圭の協力で、テレポートしてきた篤姫たちとWデートに成功したのはいいけれど、圭の熱い瞳に映っているのは、まさか…姫さま!平成の恋だって、波乱万丈よっ。
「ハロー!マイ・ネイム・ユイ」明治維新直前の江戸の町。私、有衣は洋学塾の娘で、ただいま英語の特訓中なのです。えへん。ところが急に江戸城からお召しがあったの。和宮さまの侍女になれって。大奥って、オバタリアンたちがいがみあってて、恋もできない。もうっ、世の中すごい勢いで変わってるときなのに!
「宮さま、3日間だけ家出しょっ!」時は幕末。私、夕衣がそそのかしてる相手は、なんと皇女・和宮!だって、宮さまったら江戸の将軍さまにお嫁入りさせられちゃうんだもの。せめて初恋の人に会わせてあげたっていいでしょ!だけど、風雲急を急げる京の町には、敵がいっぱい。バレたら、三条河原でさらし首、まちがいなし!?おまけに3日間が無事終わっても、私の好きな佑輔とは離れ離れ…・波乱の時代に恋心揺れます!
「これ、待ちなさい、結衣。お手打ちじゃ〜」お目付け役の松坂さんの声が、江戸城の大奥に響きわたる。そ、時は幕末。ペリーの黒船がやってきて、お城の内も外もパニック寸前だけど、江戸っ子・腰元の結衣は、今日も元気いっぱい!島津藩から将軍さまにお嫁入りした篤姫に、仕えているのです。えへん!ところが、お城の中で、りりしい(けど、ナマイキな)男の子を見つけたの。お城の恋はご法度だなんて、言わないで。
うわあ、出たア!まっ暗やみの奥から化け猫の声。由衣はコワイものが大きらい。お城の長い廊下をかけぬけてやっととびこんだ一室で、フトンにもぐってふるえていると、な、なんと!フトンに男の人が眠ってたのヨ。それがハンサムな若さまだったんだから、もう、ひと目ぼれ。けど、若さまと別れなければならない日がとつぜん来ちゃったの。由衣、ピンチ!だれも知らない、由衣の初恋作戦、聞いてね。
独逸亭-ドイツていの秘密、知ってる?日本じゅうで1番おいしい手造りソーセージの店なんだけど、造って売るまで、すべて、“女”でやってるの!わたし・高校生の奈津、姉、母、祖母の4人で、です。なぜかというと、祖父、父、兄がなんと!金を探しに山の中をうろつきまわっているからなの。で、何ヵ月も帰ってこない男たちが、明日、もどってくるんだって。かってすぎるわよ!わたしたち、もう、恋人だっているのに!
青い海に浮かぶ美しい小鳥、白いやしき。“伯爵夫人”に招かれて行ったのが、コワーイ体験のはじまり!わたし、ゾクゾクしながら秘密をあばき、しっかり、カレもつくっちゃいます。
クラスメートの篤史くんが、わたしの家に下宿さしてくれだって!学校一の美少女、倉沢七生がびっくりしたときは、もうおそい。母がオーケーしちゃって、なんと、篤史は七生の家にころがりこんできてしまった。とうぜん、友だちはもちろん、先生まで大騒ぎ。篤史にいったい、どんな事情があるのよ!といって怒っても、じつは、わたしも彼もおたがいに相手が好きなんです。でも、これで大事件がおこらなきゃ、おかしいわよね。
「そんな娘とは、結婚させん!」大金持ちで名家の長男、同級生の道成寺英彦くんとわたしは、ひそかに婚約してたんだけど、カレの家中が猛反対。でも、なんとか条件つきで婚約をみとめてくれそう。その条件というのが、なんと!ブ・ラ・イ・ダ・ル・テ・ス・ト、なの!そう、明治生まれのおじいさんからはじまって、カレの家族5人の、柚実が花嫁になるためのこわ〜いテストが始まるんです。う…わたし、まけない!