著者 : 北野勇作
メイド・ロード・リロードメイド・ロード・リロード
まったくさっぱりちっとも売れないSF作家・湯浅が、昔の担当編集者と電話で話していて訊かれた。「ライトノベル書けますか?」。生活に困っていた湯浅は、一も二もなく承諾。そして打ち合わせの日、指定された喫茶店へと赴くと、なんとそこはコテコテのメイド喫茶だった…。メイドに囚われ、四苦八苦しながらライトノベルらしきものを書いていく小説家の姿を、個性派SF作家の北野勇作がシュール&コミカルに描く。メイドの絶対領域とシュレディンガーの猫の関係とは。
クラゲの海に浮かぶ舟クラゲの海に浮かぶ舟
科学者になりたかった。科学者になって怪獣を創りたかったのだ。-どんなものでも創れるシステム。なんでも売っているデパート。人に夢を見せてくれる機械。大人になったぼくは「会社」の技術開発部に所属して、新しい生き物を作る研究をしていた。だが、意に反した方向で進められることになった研究の続行を拒否し、会社を去ることになってしまった。そのせいであれに関する記憶のすべては、会社によって破壊されることに…。新感覚サイバー・ワンダー・ワールド。
昔、火星のあった場所昔、火星のあった場所
この世界には、人間とタヌキという相反する二つの勢力が存在している…。火星開発会社の新入社員のぼくには、ようやくそれがわかってきた。とうに分解して、無くなってしまったらしい火星の奪還をめぐって、利害が対立するふたつの会社が、戦いを続けさせていた。そして、その人間とタヌキとの戦いによってこそ、世界は成立している-そういうことなのだ、たぶん。ほろにがくって、なつかしい未来。すこし不思議で、とっても変な北野勇作ワールドの原点!第4回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。
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