著者 : 厦門潤
鬱金の暁闇(2)鬱金の暁闇(2)
リメラトーンは苛立っていた。理解に苦しむのは、紅蓮姫を奪還するために組まれた仲間たちが裏切り者に対して同情的なことだった。彼は思う。強大な魔性の手によって命を奪われた両親、そしてまだ救えるかもしれない姉アーゼンターラのことを。ただひとり助かった負い目とともに。だが彼の苛立ちは激怒へ変わった。相手の護り手が妖主であり、半人半妖の破妖剣士であることを知ったのだ。
鬱金の暁闇(1)鬱金の暁闇(1)
姉のアーゼンターラを魔性に攫われたリメラトーンは、浮城の捕縛師になった。しかし彼がなりたかったのは、魔性を滅ぼし得る力を有する破妖剣士。破妖剣士になるには、高邁な思想や理想も血を吐くような努力も意味をなさない。選ぶのは破妖刀そのものだからだ。不信感を募らせる彼に城長から命令が下る。「我が浮城の至宝を奪還せよ」-至宝の名は紅蓮姫。最も強力な破妖刀の名前だった。
柘榴の影柘榴の影
ガンダル・アルスの中心に浮かぶ浮城の結界近く。破妖剣士ラエスリールの前に、突然凄絶なまでの美貌の青年が出現した。問うまでもなく、上級魔性である妖貴であるのは明らか。謎の青年は、ラスに禍々しいまでに赤い柘榴の実を手渡して、消えた。その話を知った護り手・闇主には、いつになく不審の色が走った。そして更に、柘榴を手にした少女妖貴の桜妃がラスの前に現れた。人気アクション・ファンタジー。
白焔の罠白焔の罠
自治都市ユラクが、白い焔につつまれて突然消えた。その原因を究明するため、ラエスリールは破妖の剣「紅蓮姫」を携えて浮城を出立した。押しかけ護り手の闇主はもちろんだが、ザハトという少年も一緒だった。荒野を旅する3人を、陽炎の鏡を通して見る者がいた。白焔の妖主と呼ばれる最高位の魔性。そしてラスたちはその恐るべき罠へと誘いこまれていった…。大人気FT第2弾。
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