著者 : 史間あかし
あやし絵刺繍幻燈譚(1)あやし絵刺繍幻燈譚(1)
文明開化の風吹く煉瓦造りの銀座の街。古寺織物で働くお人好しの原画師・早苗と、天才肌で我儘な刺繍師・瑞穂は、血は繋がっていないが二人きりで暮らしてきた兄弟だ。二人には秘密があるー早苗が描き瑞穂が縫った刺繍には、魂が宿り具現化するという秘密が。兄弟はある日、いわくつきの刺繍ばかり蒐集している城下子爵から、人にとり憑いているという奇妙な刺繍の検分を依頼される。それは能の『道成寺』を描いたもののようなのだが、破損し“清姫”が失われていた。早苗は瑞穂の秘術で彼女の修復を提案するがー。
町医者風尹の謎解き診療録町医者風尹の謎解き診療録
梶浦風尹は、江戸は神田に診療所を構える、若き天才美形医師。医術の師・鏑木に呼ばれ、不審死を遂げた女の遺体を検分した風尹。亡骸にあった見事な縫合の痕から、事件の裏に並の腕ではない医師の影を感じ取る。同じ医の道を歩む者として、風尹は同心の十郎太と共に事件の捜査に乗り出す。やがて風尹の頭脳は、偶然助けた武家の女や兄の謎めいた助言など、様々な糸を結びあわせ、ある『薬』にまつわる企みに辿り着く。「僕は医者だよ。こんなこと許せるわけない!」-風尹たちは、江戸を蝕む陰謀の解毒に挑む!
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