著者 : 夏季まや
イヴたちへ、愛をこめてイヴたちへ、愛をこめて
香水は、男にキスしてもらいたいところ全部につけるのよ-。ココ・シャネルの言葉そのままに、思いをこめて、五人の女たちが香りをつける。“フルール・ド・ロカイユ”“アンフィニ”“ミツコ”“レール・デュ・タン”、そして、“ボル・ド・ニュイ”。彼女たちに選ばれた五つの香水をめぐって、さまざまな恋愛ドラマが生まれる…。ドラマティックな愛が香るラヴ・ストーリー。
せつない恋を抱きしめてせつない恋を抱きしめて
恋の始まりは、いつも突然…。17歳の倉橋樹の場合も、それは唐突に訪れた。雨宿りに飛びこんだ“六本木ピットイン”。煙草の煙と、ジンの香りの向こうに、彼、織田恭平がいた。恭平の吹くアルトサックスの音色が、樹の心を捉えて放さない。初めて知る本物の恋。彼に導かれるまま、樹はジャズの世界へ…。高校最後の夏。樹のほんのりビターなラヴストーリーが始まる…。
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