著者 : 東城太郎
清朝衰退・外国列強の侵略-この“内憂外患”の危機に、今こそ武林(武術界)を統合するべきである-その主旨のもと、統一武林の盟主を打擂寨(武術大会)で決めることになった!伝説の拳法「迷踪拳」の唯一の継承者・霍元甲、一撃必殺の「八極拳」霍殿閣、泥酔して戦う「酔八仙拳」蘇乞児、黄飛鴻の父麒英と並び称されながら「洪家拳」を破門された安鐸龍…。中国全土から高手名手が名乗りを上げる。果たして黄飛鴻は勝ち残れるのか?さらに会場には、大東流居合柔術の開祖・武田惣角、後の「グレイシー柔術」の生みの親である前田光世が現れた!?大活劇巨篇堂々完結。
日露開戦前夜の満州は、まさに内憂外患であった。ロシア側はコサック騎兵隊を率いるマドリドフ大佐が、日本側は「満州義軍」を名乗る花田中佐が、それぞれ満州の馬賊を味方に引き入れようと工作していた。また、満州の中心地・奉天は藍天蔚という馬賊頭目に占拠され、さらには、この藍天蔚、清朝皇帝の光緒帝を拉致しているのだ。満州の、いや、清国の危機である。藍天蔚を倒し皇帝を救出するため、拳法の達人で広東の英雄・黄飛鴻が立ち上がった。銃弾飛び交い、日露の思惑が交錯する過酷な戦いの渦中に飛び込む黄飛鴻。謀略馬賊を相手に、果たして勝算はあるのか?大活劇巨篇第二弾。
黄飛鴻。中国広東地方仏山で薬局兼武館「宝芝林」を開く、医者にして拳法家である。6歳より神童と謳われ「十字拳」「無影脚」という必殺技を身につけ、弟子たちの育成にも余念がない。その飛鴻が1901年6月、明治維新から三十余年を経た日本の土を踏んだ。消息を絶った婚約者・十三姨を探すためである。と同時に、革命の拠点を作るために日本に滞在している孫文の身を護るためでもあった。孫文の命を狙う清朝からの刺客・五殺手との死闘、さらには甲賀忍者の末裔、巨漢横綱、凄腕剣士たちの挑戦を受ける。果たして黄飛鴻は、これらの強敵を撃破できるのか?そして十三姨の行方は?新鋭が放つ大活劇巨編、開幕。