著者 : 橘はな江
桜の迷宮(ラビリンス)桜の迷宮(ラビリンス)
先生が憎い、愛していたから。あのキスも、抱いてくれた腕も、他の女のものになるなんて…許せない。教師との恋に傷つき、彼を刺してしまった少女が、桜の下で少年と出会った。少年もまた、愛する男を殺そうとしたという。紗綺と皓、夜桜舞う東京から京都へ、失われた恋を埋めるための逃避行が始まる。罪を犯してしまった、ピュアな二人の結末は…。桜の散るころに、永遠に土のなかへ。
エレガンスイヴエレガンスイヴ
「大好きなことが多ければ多いほど、嫌なことが起きたとき、跳ね返す力も大きいのよ」友人関係に失敗した知紗都に、もう一度学校へ戻る勇気を与えてくれたのは、表参道に住むエレガントな男の叔母様。「一人で生きられるように。一人きりで生きたりしないように。幸せは一本の定規では測れないのだから」。
あなたがそこにいるだけで…あなたがそこにいるだけで…
あたし、遠野唯。高校2年生。降りだした雨の中、気づいたら、家の近くのこの橋で、川を見つめていた。ちょっと嫌なことがあったときの習慣。そう、三年前にパパに捨てられたあたしは、今日、ボーイフレンドにフラれてしまった。どうして辛いことばかり起きるの。あたしのこと思ってくれる人、どこかにいるの。生きていて、何か楽しいことがあるの。絶望的なあたしの前に現れた男性(ひと)は…。
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