著者 : 相原夏希
天使を殺さないで天使を殺さないで
それは、午前3時に、明王寺くんにかかってきた電話から始まったんだ…。あたしとナツコと明王寺くんが、高屋敷くんの家で、実力考査のための勉強会をしているときに、かかってきた電話から…。あたし、榊原晶。桜山学院高等部の1年生。あたしたちがシーンとして見守るなかで、明王寺くんは意外なくらい簡単に話を終えた。でも、横顔が普通じゃなかったの。明王寺くん、いったい、何が起こったの。
夏の扉の向こうがわ夏の扉の向こうがわ
あたし、榊原晶。桜山学院高等部の1年生。9月のなかばのけだるい午後。親友のナツコが、あたしたちにいった、そのひとこと。それが、別荘で起きた、とてもとてもせつない、ある『事件』のはじまりだったんだ…。
いつか夢の野原を出ていつか夢の野原を出て
これって、いったい、どういうことなの!ロッカーの中に入れといたはずの、あたしの靴が、知らないあいだに消えちゃってたのよ!それが、なんともウスキミの悪いことに、消えていたのは、かたっぽだけ、だったんだ。あたし、榊原晶。桜山学院高等部の1年生。大切な靴の行方を追って、親友のナツコといろいろ事情を調べはじめたんだけど…。それが“事件”のはじまりだったなんて、その時、あたしたちは夢にも思わなかったの。
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