著者 : 秋月忍
恋愛禁止の聖女の職に就き『呪歌』で「魔のモノ」を鎮めてきたソフィアは、ある日突然引退勧告を告げられる。本来ならもっと早くに交代のはずが、気づけば40歳。長年の『境界の塔』暮らしで歌うこと以外取り柄もなく、皇帝の妹とはいえ嫁ぎ先のあてもない。これから一体どうしよう、と途方に暮れるソフィアだったが…。驚いたことに帝都ではファンの要望でリサイタルの準備が進められ、お忍びで街へ出ればあっという間に人だかり。その上、密かに想いを寄せるグラウ将軍からは過保護なまでに世話を焼かれるが、鈍すぎるソフィアは彼の気持ちに全く気づかない。そんな中、ソフィアを巡る陰謀も動き出しー!引く手あまたの40歳アイドル聖女さま、これからは引退生活をエンジョイします!
女と見まごうばかりの美しい姿で、陰陽頭秘蔵っ子の凄腕陰陽師、塚野鶴丸。彼は実は女性だけれど、それが世間に知られると死を招く呪いにかかっていた。実力を買われ、検非違使庁に出向することになった鶴丸は、穢れの最前線で戦うことに。「占術より退魔術。実力がなければ務まらぬ」と言われ、初日からあやかし絡みの火事の調査にかりだされる。鶴丸は、少将の大江孝行を相棒に、あやかし退治に挑む!女と明らかになれば死、あやかしに競り負けても死。絢爛たる都で巻き起こる陰陽絵巻、開幕!
ごく平凡な会社員の私は、大好きな退魔小説『闇の慟哭』の最新刊を買った帰り道、黒いもやに襲われる。気がつくと、精悍な美貌の男性が助け起こしてくれていた。あらお隣の如月さん…って、彼は『闇の慟哭』の主人公では!?なぜか私は『闇の慟哭』の端役、田中舞の中に入ってしまったらしい。如月の隣人というちょい役のはずが、二つの魂を宿したことで妖魔に狙われまくる田中(私)。そのせいで如月に助けてもらうことも多く、あきらかに田中(私です)は「主人公の隣人」の領分を超えた日常を送ることに!?