著者 : 葉山透
その少年はたった一人で数千の兵を相手にしようとしていた。得物は小刀のみ。まぶたに浮かぶのは、強く、けれどはかなく世界に翻弄される少女の姿だったー。由宇に残された命の時間はたった10分。焼け付くような焦燥感とともに、息をつくことすら許されぬ壮絶な闘いへ、闘真は身を投じるのだった!場所は移り、NCT研究所。堅牢を誇る防壁は破られ、黒川の魔手は最後の聖域へと迫りつつあった。わずかな可能性を信じ八代は絶望的な闘いを挑む。そこに一筋の光明があることを信じながら…。死闘の果てに待つのは、破滅か栄光か。それぞれの信念をかけた闘いが始まった。
闇に葬られるものがある。これから語られる物語は、誰も口を固くつぐみ決して語ろうとしない類いのものだー。峰島勇次郎の「遺産」の最高傑作ー由宇。少女は天才的な頭脳をフル回転して悩んでいた。女らしさとは何か?かくして凄絶な花嫁修行が始まった!ほか、「電撃hp」で掲載され好評を博した三編を収録。実はかわいらしく、けなげかもしれない(?)由宇の女の子の悩みが、いま明らかに!さらに、あきらVSアリシア、由宇VS麻耶の激しくもちょっと馬鹿らしい女の戦い二編も特別書き下ろし!ある意味極秘扱いの『9S』事件簿、登場。
底知れぬ男、黒川謙がとうとう牙をむいた。合理的かつ合法的にNCT研究所へと侵攻していく黒川の軍勢。老人達はただ、黒川の動静を見守るしかなかった。その頃、黒川により逃げ場を失った闘真は焦りを感じていた。囚われの由宇に残された時間は限られている。その時、忽然と現れる人影。闘真はついに超越者と対面する。そして…。高々度上空に存在する飛行要塞フリーダム。そこに由宇はいた。遺産の情報を求め由宇へと迫る黒川。世界最高峰の頭脳VS冷酷な悪魔の息詰まる攻防の行方はー!?闘真と由宇。すれ違う想いは、再び相まみえることができるのか。
ADEMを離脱した由宇、そして闘真。峰島勇次郎の痕跡を求め、二人の逃避行が始まる。向かうは因縁の地ー勇次郎が失踪し、幼き由宇が拘束された旧峰島研究所であった!一方、ADEM指令伊達は難局に直面する。先のミネルヴァの一件での社会的損害、そして由宇の脱走の責を問われ、更迭の危機に。その裏には老獪な政治家さえも手玉に取る切れ者、黒川謙がいた。ADEMに代わる強硬な組織設立を目論む黒川は、伊達より早く由宇を拘束しようと動く。そして由宇たちを追う、第三の集団ー謎の傭兵部隊「七つの大罪」。かつてない脅威が由宇たちに迫る。
真目家を根底から覆すという驚異の遺産“天国の門”。その力を求め、一つの地にすべての勢力が結集する。麻耶とADEM、そして由宇。その前に立ち塞がったのは、マジシャンの傀儡と化した闘真だった!マジシャンは去り際に予言を残す。三日以内に“天国の門”を渡さねば、この街に血の雨が降るだろう、と。なす術もなくマジシャンたちを見送るしかなかった由宇と麻耶は、互いの感情を乗り越え手を結ぶ。“天国の門”とは?遺産を取り出す方法とは?二人はぶつかり合いながらも真実へと迫っていく。そして運命の日ー最後に笑うのは果たして!?俄然ヒートアップの第4弾。
由宇の調査により明らかとなった遺産“天国の門”。異常なまでの封印が施されたそれには、真目家の家紋が刻まれていた。相容れぬはずの両者に一体何が…。時を同じくしてNCT研究所では創設以来の大惨事が発生する。所員の木梨が多くの人間を殺害し、研究所を飛び出したのだ。目指す先は、“天国の門”。由宇は独断で木梨を追う。度重なる不祥事に、伊達は切り札の特殊部隊四名を招集。木梨・由宇の捕獲もしくは抹消を命じる。ミネルヴァと勝司も“天国の門”の奪取に暗躍する。そして運命に導かれる闘真。今すべてが一つの地に集結せんとしていた。謀略と妄執、急展開の第3弾。
絶海の孤島で行われる防衛庁の秘密演習。そこには厳重に拘束された奇妙ないでたちの少女、由宇の姿があった。ADEMの視察が注視する中、演習は始まった。驚異の性能を発揮する無人多足型戦車レプトネーター。だが、その兵器が突如暴走を始める。外部との連絡を絶たれ、残されたのは拘束されたままの由宇と傷ついた人々。極限状況の中、由宇たちは生きるために足掻き始める。一方、伊達の秘書官・八代はこの状況を打開するために闘真を投入することを試みる。それは闘真の呪われた血を再び呼び覚ますことに他ならなかった。二人のさだめと邂逅、待望の第2弾。