著者 : 野梨原花南
恋と仕事に疲れ果て、他界した祖母の家がある東北を訪れた会社員の鳩子さん。だが、その家には謎の青年が棲みついていた。あやかしの相談所であるというこの家で、青年・阿壱は世話役を務めていたらしい。そうこうしているうちになぜか突然会社が倒産、住んでいた家は火事で全焼。後戻りが出来なくなった鳩子さんに、阿壱は「ここで相談役をやればいい」と持ちかける。だが、この家には他にも秘密があって…?「バケモノのあんたが、愛しいと、人間を言ってくれるならー」人とあやかしの心温まる交流譚。
没落貴族の娘ダリアードは16歳の春、爵位と引き替えに元敵国であるツェブ合衆国の大富豪と結婚することとなった。相手の名前も知らないまま赴いた先で待っていたのは、眼光鋭いカタブツ警部、マーク・コリンズ。ダリアードは彼に激しく「運命」を感じてしまって。恋愛とかときめきなんて自分には一生無縁と思っていたダリアードの人生は一転、カーニバルみたいに色とりどりになるのだが!?
ここは東京・吉祥寺。小説家の太宰先生と、その担当編集である水羊の行く手には、なぜか怪異がつきまとう。原稿から逃げたり、中原先生や谷崎先生と揉めたり、自分の命を削って原稿を書いたり。そんな日々の中で、当たり前のように怪異が起きて、当たり前のように太宰先生と水羊は巻き込まれるけれどーやっぱり良い小説を書くために、懸命で。「僕、太宰先生といるときだけですしこういうの!」東京の町で繰り広げられる、文豪たちの不思議な日々の物語。
“強制的に事件を終結させる”『名探偵』のカードを持ち、現代日本から異世界へと迷い込んだマルタ。数々の事件を解決しつつも一向にお金が貯まらぬ「マルタ・サギー名探偵事務所」に、ひとりの女性がやって来た。カード戦争委員会のシェリーー彼女の訪問から、マルタは他のカード使いとの戦いに巻き込まれていく。一方、その頃。マルタの好敵手である怪盗ドクトル・バーチは、何者かにより、毒を入れられてしまう。解毒方法がわからぬバーチの執事ジャックは、渋々マルタに助けを求めるのだが…?
学校をやめたその日、手に入れた“強制的に事件を終結させる”という『名探偵』のカードにより、マルタ・サギーは現代日本から異郷の街オスタスへと迷い込んだ。無事に「名探偵」としての初めての事件を解決し、オスタスの暮らしにも慣れてきたマルタの事務所に、押しかけ助手のリッツがやって来る。喧嘩しつつも男二人の共同生活を送ることになった彼らのもとに、怪盗ドクトル・バーチの新たな予告状が届いた。早速現場に赴いたマルタだったが、事故に遭ってしまい…!?「ここはどこで…僕は誰だ?」
鷺井丸太は高校を辞めた。理由は、面倒だったから。そんな彼が1枚のカードを手に入れたところから物語は始まった。-『名探偵』。強制的に事件を終結させる力を持つそのカードが原因で、鷺井は霧の街オスタスへと迷い込む。生きていくため、マルタ・サギーと名乗り、オスタスで名探偵稼業を始めた彼の最初の事件の顛末を、ここに記す…。「僕に推理は必要ない。金の粉が現れ消えたら、すでに事件は解決している」傑作異郷探偵活劇、著者による全面改稿と再編集を経て、復刊!
橘花学園第一寮。山の上にあるそこは、個性的な寮生たちが思い思いの、しかし規律を守った規則正しい学生生活を営む場所ー「パラダイスレジデンス」。山の下の第二寮の生徒からは、古い建物を「てっぺんさま」と揶揄されながらも、寿々花や初音たちは楽しく日々をすごしていた。寮生活にも慣れてきた五月、寮祭の準備が始まる。第一寮第二寮合同で行われるそのイベントでの出し物を決めるべく相談を重ねる寮生たちに、意外な来客が告げられてー同名人気コミックをオリジナルストーリーで描く、小説版第2巻!