著者 : 馬里邑れい
私、西村ひとみは、このたびめでたく、小学校教員の試験に合格いたしました。やったぁ、と喜んだのもつかのま、大好きなおじいちゃんがとつぜん死んじゃって、おじいちゃんのやってる塾をまかされちゃったの。まわりの反対を押しきって、塾の教壇に立つことにしました。相手は小学生じゃない、ちょろいちょろいと思ってたら、これが甘かった。とんでもない生徒たちが、いーっぱい!でも私、おじいちゃんのためにも負けないぞ。
わたし小石川由紀は、メガネだし、背も低いし、鼻筋も通ってないし、お父さんそっくり。でも、気にしてなかった。超ハンサムな相沢雅也を射止めたっていう自信があったから。それなのに、彼を盗られてしまったの。どんなにみじめだったか、わかるでしょ。わたしはジプシー占い師のオババに、モテ薬をくださいって頼んだ。儀式のあとで、オババはいった。見つめればいいんだって。どんな見つめかたをすればいいかっていうと…。
オレ大井和馬、16歳。ちょっとハンサムだったばっかりに、女装して芸者のバイトしてる。憧れの冬子姐さんには、インテリヤクザの若親分というオッカナイ彼氏がいて、難攻不落。それであえなく、失恋クラブに入ったわけ。家出して横浜に行ったオレは、そこで美少女・由美ちゃんに出会った…。
元町るみです。失恋クラブ二代目部長になったその日、初めてラブレターをもらいました。医大生の岡田直樹さんから、たった2行だけの…。でも、それが恐ろしい事件の始まりだったなんて!3日後、父母がいなくなり、中学3年の大関三郎くんが同居することになった。年下だって男の子、2人きりで暮らすなんて不安よね。そのうえ直樹さんに電話したら、女の人が出て、彼女はワタシよというんだもの。なによ、これ、失礼ね!
大門みかるは2度目の失恋をした。かなりの重症。どうしてフラレちゃうのか知るために、失恋クラブを作った。13日の金曜日にできたクラブの部員は13名。それも全員女子。いまではみかるの身近な男の子といえば弟の友だち森隆一だけになってしまった。みかるの真下の教室にいて、窓から2階に呼びかけ、べんとう半分くれだの、エンピツ貸せだの命令するイヤなやつ。そんなある日、突然、母が若い男と駆け落ちしてしまい…。