わたしの幸せな結婚 七(7)
様々な困難を乗り越えて、ついに迎えた祝言の日。桜吹雪が舞う美しい陽気に反して、美世は朝から気が気ではなかった。前日に緊急の呼び出しがあり仕事に向かった清霞が、婚礼のはじまる時刻が近づいても帰ってこないのだ。花嫁衣装に身を包み、「誰よりも私が、明日を心待ちにしている」という清霞の言葉を信じて待つ美世。けれどその裏では、五道と深い因縁のある強力な異形の影が動いていた。少女があいされて幸せになるまでの物語は、婚礼を迎え、幸せな「家族」の物語へー。
関連ラノベ
名家に生まれた美世は、実母が早くに儚くなり、継母と義母妹に虐げられて育った。嫁入りを命じられたと思えば、相手は冷酷無慈悲と噂の若き軍人、清霞。大勢の婚約者候補たちが三日と持たずに逃げ出したという悪評の主だった。斬り捨てられることを覚悟して久堂家の門を叩いた美世の前に現れたのは、色素の薄い美貌の男。初対面で辛く当たられた美世だけれど、実家に帰ることもできず日々料理を作るうちに、少しずつ清霞と心を通わせていくー。これは、少女があいされて幸せになるまでの物語。 2019/01/15 発売
継母に虐げられて育った美世は、冷酷な軍人と噂の清霞と婚約をした。誰もが不幸な結末を予測したが、いつしか清霞と美世はお互いの優しさに惹かれ合う。美しく強い清霞に少しでも追いつきたくて、勉強を始めた美世。二か月後のパーティでの社交デビューを目標に頑張るのは楽しいことだった。そんな中、なぜか夜ごと悪夢に苛まれ、誰も頼れず美世は体調を崩してしまう。さらに美世を狙う者が現れ、美世と清霞の気持ちはすれ違いー。これは、少女があいされて幸せになるまでの物語。 2019/07/13 発売
婚約者の清霞と向き合うと決め、前を向いて歩きだした美世。そんな折、清霞の父から義両親の住む屋敷に招待される。そこではじめて顔を合わせた清霞の母は、美世を絶対に認めないという構えだった。義母に認められたくて、罵声を浴びせられても美世は自分から歩みよっていく。そんな美世を清霞は見守り、日常から離れた場所で二人の仲も深まっていく。同時に村では鬼が出るという噂が立ち、清霞は調査に赴く。それは新たな事件の幕開けだったー。これは、少女があいされて幸せになるまでの物語。 2020/02/15 発売
清霞の両親の暮らす別邸に赴いた帰り、待ち伏せていた敵方の首魁、甘水に“我が娘”と呼ばれ、迎えにいくと告げられた美世。甘水から身を守るため、美世は清霞の職場である屯所内で日中を過ごすことになる。そこで護衛として紹介された女性軍人、薫子は清霞の元婚約者候補だった。清霞と薫子の仲の良い様子に少しモヤモヤする美世だけれど、次第に薫子と友人同士の関係になっていく。だが、その裏では美世を狙う影が確実に彼女へと迫っていたー。これは、少女があいされて幸せになるまでの物語。 2020/09/15 発売
清霞の力で敵の首魁、甘水の襲撃を一時退けた美世たち。だが、帝都では甘水の一派が勢力を拡大。美世たちは皇太子、堯人の宮城でさらなる襲撃に備えることになる。そんな中、美世は先の襲撃で気づいた清霞への想いに戸惑っていた。穏やかな親愛とはまた別の強い感情に、今の幸せが変わることを怖れる美世。けれどある日の夜、清霞と語りあう時間を得た美世は、彼の提案で互いにひとつずつ質問をしあうことになって…。「恋、という感情をー憶えたことはありますか」これは、少女があいされて幸せになるまでの物語。 2021/07/15 発売
身に覚えのない罪で投獄された清霞。彼と離ればなれになった美世は、清霞を助けるために一人で軍本部へと向かう。しかし目的地に着いたその時、彼女の袖を引く者がいた。振り返った美世が見たのは、清霞そっくりの美少年。彼は清霞の式だという。式に強引に連れ帰られた美世は、薄刃の家で態勢を調えて出直すことを決める。すべては清霞と再会するため、美世は自力で道を切り開いていく。そして迎えた甘水との決戦はー。これは、少女があいされて幸せになるまでの物語。 2022/07/15 発売