イレギュラー・ハウンド いずれ×××になるだろう(1)
他人の感情、痛み。それを感じる不可解な「能力」に嫌気が差して僕は線路に飛び出す。生きる事に意味を見いだせない。適当に捨てようとしていた命をーハチと名乗る少女が拾った。「いらないなら、くれよ。私に」「欲しいんですか。こんなのが」ハチが僕を連れて行ったのは警視庁特殊捜査班“ダイハチ”。それは警察が表立って動くことのできない裏の事件を秘密裏に捜査する機関だった。「君のその能力、そしてその命は、私にとっては必要だ」傲慢で尊大で、けれど不思議な魅力を持った少女が差し出す危険な任務を引き受け…ただの高校生だった僕は、安土桃矢は、いずれ「何者か」になれるような気がした。