消せる少女(1)
ありふれた人生を嫌い、現実逃避のように漫画家という夢を追いかけていた北斗。そんな彼の前に、ユリは突然現れた。「ワタシのヒマな時間を、キミがおもしろくしてみせてよ」北斗の漫画のファンを名乗る彼女の感想に励まされたり、取材と称して疑似恋愛をしてみたり。そんなユリと過ごす日々にいつの間にか励まされていた北斗。嫌っていたはずの、ありふれた幸せの尊さ。しかしある時、彼女の記憶も、想いも、大切なものが少しずつ消えてしまっていることを知り…。「僕はあなたを、ありふれた人生にしてみせる」この残酷な世界でも、僕らの幸せは誰にも消せないー。これは、今はもう消えてしまった、美しい恋の物語。