ひだまりで彼女はたまに笑う。(1)
高校生活初日の朝、佐久間伊織は銀髪碧眼の少女と猫が相対している場面に遭遇する。近づく猫に対して困惑気味の少女が発する言葉はー。「こ、こっちに来ちゃだめにゃー」思わぬセリフに困惑する伊織に気づき、足早に去る少女。これが涼原楓との出会いであった。楓と同じ高校、同じクラスとなった伊織だが、楓を見ているうちに、彼女がほとんど感情を表に出さないことに気づく。だが偶然楓の笑顔を目にしたことで、伊織は心動かされー。感情の乏しい少女を笑顔にさせる、甘くも焦れったい恋の物語が幕を開ける。