天使は炭酸しか飲まない(1)
恋に悩みはつきものだ。気持ちを伝える勇気がほしい。意中の相手の好きな人が知りたい。誰かに悩みを聞いてほしい。背中を押してほしい。そんなやつらの気持ちが、俺には痛いほどわかる。忘れられない過去があるから。そして、彼らを救える「ちから」があるからー。だから、俺、明石伊緒は“天使”となった。「やっと見つけたわ、久世高の天使」恋多き乙女、柚月湊の異常な惚れ癖を直すため、天使は少女の頬に触れる。記憶と恋がしゅわりと弾ける、すこし不思議な青春物語。
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柚月湊の惚れ癖を発端に広まった噂が落ち着き始めたころ、湊のもとに久世高の天使へ宛てた手紙が届く。差出人の名は御影冴華。優れた容姿とカリスマ性を兼ね備えた、規格外の美少女。すでに彼女に恋する男子からの相談を受けていた伊緒は、悩んだ末にふたつの相談を掛け持ちすることに。御影の願いは幼馴染と結ばれること。彼女の恋が叶えば、もうひとつの恋は叶わない。それでも、伝えない方がいい恋心なんてない。板挟みになりながらも、天使はふたりの恋を応援し続ける。しかし、御影にはなにか事情があるようでー。 2022/05/10 発売
御影冴華の問題が一段落し、夏休みを迎えた明石伊緒。彼の前に天使の正体を知る後輩、瀬名光莉が現れる。「相談に乗ってくれないなら、明石先輩が天使だって言っちゃいますよ?」明るく友人も多く、あざとさも持ち合わせている。そんな恋愛巧者にも見える光莉だが、自らの恋を確実に成就させるため、天使に相談を持ちかける。「告白は好意の確認作業」だと言う光莉。「相手が自分のことを好きでなくても告白することに意味がある」と考える伊緒。恋愛観のズレを感じつつも、伊緒は天使として依頼を受けるのだがー。花火に補習にお泊まり会。しゅわりと刺激的な夏が始まる。 2022/09/09 発売