淡雪ロマンス
古村厚志さん。34歳。あたしたちの行きつけのサテン“シュヴァル・ブラン”のマスター。バックにキチッとなでつけた、短髪。その前髪の、ほんのひと筋だけ、たぶんわざとの、額にパラリの落っことしかた。彫りの深い、外国の映画俳優サンみたいな、顔立ち。広い肩幅。とてもとても、シャツの似合う…。あたし、椎名果林。17歳。もうすぐ、サテンをたたんで、白馬岳にペンションをつくる、という古村さんのこと、実は、ひそかに…。
古村厚志さん。34歳。あたしたちの行きつけのサテン“シュヴァル・ブラン”のマスター。バックにキチッとなでつけた、短髪。その前髪の、ほんのひと筋だけ、たぶんわざとの、額にパラリの落っことしかた。彫りの深い、外国の映画俳優サンみたいな、顔立ち。広い肩幅。とてもとても、シャツの似合う…。あたし、椎名果林。17歳。もうすぐ、サテンをたたんで、白馬岳にペンションをつくる、という古村さんのこと、実は、ひそかに…。