バイク物語(青の章)
大きな銀杏の木の下に、少女はうずくまっていた。泣いている?それが初めての出逢い。由美は再生不良性貧血で、入退院を繰り返していた。慧の通う旭野高校に入学してからも、病状は悪化するばかりだった。早朝に病室を抜け出し、慧のバイクで冬の海へ行った日、由美は、その大きな瞳で彼をみつめていった。-わたしのこと、忘れないで。時々でいいから、憶い出して…。レーサー志望の少年と病身の少女をめぐる青春の感動。
大きな銀杏の木の下に、少女はうずくまっていた。泣いている?それが初めての出逢い。由美は再生不良性貧血で、入退院を繰り返していた。慧の通う旭野高校に入学してからも、病状は悪化するばかりだった。早朝に病室を抜け出し、慧のバイクで冬の海へ行った日、由美は、その大きな瞳で彼をみつめていった。-わたしのこと、忘れないで。時々でいいから、憶い出して…。レーサー志望の少年と病身の少女をめぐる青春の感動。