彼には好きな人がいる
わたし、桜井乃々はあこがれの山手聖学院に合格したの。横浜の港を見下ろす高台にそびえ立つ白い校舎。おしゃれで、賢そうな先輩たち。そこでは恋だって特別に甘いはず…、と思って、必死で受験勉強をしたんだ。そして、待ちに待った入学式の朝。遅刻しそうになり、学校への長い坂道を急ぐわたしの前にあらわれたアイツ。ひとのことをからかったり、デリカシーのないやつ。でも、どこか印象的な男の子なんだ。
わたし、桜井乃々はあこがれの山手聖学院に合格したの。横浜の港を見下ろす高台にそびえ立つ白い校舎。おしゃれで、賢そうな先輩たち。そこでは恋だって特別に甘いはず…、と思って、必死で受験勉強をしたんだ。そして、待ちに待った入学式の朝。遅刻しそうになり、学校への長い坂道を急ぐわたしの前にあらわれたアイツ。ひとのことをからかったり、デリカシーのないやつ。でも、どこか印象的な男の子なんだ。