まるでプラトニック・ラブ
予備校講師の久住は、肩に擦り寄ってくる感触に、半分眠ったままで腕を彷徨わせた。(-あれ?)抱き寄せた身体は温かかったが、なにかが違った。スレンダーな女性は好みだけれど、こんなにも肉付きの悪いヒップはついぞ覚えがない。-そうだ。痩せた女ではない。これは、発育途上の少年の身体だ。目を開けるとそこには、昨日、山手線の中で拾った桜庭環のあどけない寝顔があった。
予備校講師の久住は、肩に擦り寄ってくる感触に、半分眠ったままで腕を彷徨わせた。(-あれ?)抱き寄せた身体は温かかったが、なにかが違った。スレンダーな女性は好みだけれど、こんなにも肉付きの悪いヒップはついぞ覚えがない。-そうだ。痩せた女ではない。これは、発育途上の少年の身体だ。目を開けるとそこには、昨日、山手線の中で拾った桜庭環のあどけない寝顔があった。