鬱金の暁闇(8)
破妖刀「紅蓮姫」の第二の使い手アーゼンターラと紫紺の妖主の戦いの火ぶたが今や切って落とされようとしていた…。一方、「紅蓮姫」の真の使い手ラエスリールは、永い眠りから目覚め、母チェリクの身体のなかでさらなる力を得、完全復活の時を迎えようとしている。魔性最強の妖主たちさえをも従えた「雛の君」が仕掛けようとしている新たな「遊戯」とは!?最も激しい聖戦が今始まる…。
関連ラノベ
姉のアーゼンターラを魔性に攫われたリメラトーンは、浮城の捕縛師になった。しかし彼がなりたかったのは、魔性を滅ぼし得る力を有する破妖剣士。破妖剣士になるには、高邁な思想や理想も血を吐くような努力も意味をなさない。選ぶのは破妖刀そのものだからだ。不信感を募らせる彼に城長から命令が下る。「我が浮城の至宝を奪還せよ」-至宝の名は紅蓮姫。最も強力な破妖刀の名前だった。 2002/07/31 発売
リメラトーンは苛立っていた。理解に苦しむのは、紅蓮姫を奪還するために組まれた仲間たちが裏切り者に対して同情的なことだった。彼は思う。強大な魔性の手によって命を奪われた両親、そしてまだ救えるかもしれない姉アーゼンターラのことを。ただひとり助かった負い目とともに。だが彼の苛立ちは激怒へ変わった。相手の護り手が妖主であり、半人半妖の破妖剣士であることを知ったのだ。 2002/11/30 発売
破妖刀・夢晶結の使い手であるスラヴィエーラは、苛立ちを隠せなかった。紅蓮姫がアーゼンターラに懐いているのに、使い手であるラエスリールは平気な顔でいるからだ。しかも紅蓮姫が惹かれているのは、アーゼンターラではなく、かつてラキスだったときの人間の魂と、幾ばくかの記憶にであった。つまり、ラキスとは意志の疎通ははかれるが、アーゼンターラ自身とはままならないのである。 2003/07/30 発売
ラエスリールの昏倒より一年後。伝説の破妖刀・紅蓮姫は、新しい使い手であるアーゼンターラの手の中で、魔性の命をすすっていた。しかし紅蓮姫の暴走を止める真の使い手は、結界の最奥で深い眠りについたままで…!?新たに生まれた六人目の妖主・雛の君の狙いは何なのか?ラスの父である金の妖主の真意とは…?大人気ファンタジーの本編が遂に再始動。数々の謎が明かされ始める…。 2009/08/10 発売
死闘の末、父・王蜜の君に勝利したラス。世界の「破滅の鍵」を携え、五闇を従えることとなったラスには、第六の妖主である「雛の君」と等しく、新たな世界の「女皇」となる資格があると、父は認めたのだが。一方、ラスの母・チェリクが見上げる空には、巨大な亀裂が不気味に入って…!?魔性による殺戮が、世界を赤黒く染め上げ始めているー。ラスよ、愛しき世界の破滅を食い止めよ…。 2013/02/01 発売
息子・乱華をかばって自らの生に終止符を打った王蜜の君…そして、「わたしはあなたと逝く」と言って、その魂に寄り添う母チェリク…この世で最強だった…そしてラスが愛した人たちは消えてしまった。しかし残されたラスに涙を拭く時間はない。目の前に立ちはだかる女皇とただ闘うのみなのだが…!?か弱き人間に少しでも生きながらえる可能性がある限り…その手で世界を抱きしめろ! 2013/11/01 発売
世界の皇となるべく全てを破滅に導かんとする女皇・雛の君。父を侮辱された怒りで憤怒の刃を振り下ろすラエスリール。恐るべき己の邪念と頑なに他者を護ろうとする情念が対峙する。しかし、闇主は戦いを中断させラスに「お前はまだ悲しんではいない」と言い放つ。あたかも彼女の未来を予言するかのような言葉。その真意は?そして魔性の女皇に殲滅を宣言された人間達の命運はいかに…? 2014/03/01 発売
雛の君の世界殲滅宣言により、世界の人々は様々な選択を強いられる事になる。生き抜くための覚悟と決断。ラエスリールは力で女皇を抹殺せんとするが、すんでのところで闇主に止められる。その強大な力は全てを破壊する危険を秘めているという理由で。その根源を知るべく璃岩城へ赴くラスと闇主。そこで見たものは金、緑、紫、白に輝きながら不可思議かつ優雅にたたずむ闇の化身の姿だった。 2014/06/03 発売
女皇の世界殱滅宣言により、恐怖に晒された人間達は生き抜くためにそれぞれの戦いを始める。女皇・雛の君はラエスリールに窮地に追い込まれた時の脅威が脳裏から離れない。その強大さへの嫉妬・恐怖・憎悪。足掻きながら反撃を模索する彼女の前に緋陵姫が現れ、意味深な言葉を吐く。「私が知る真実をすべてお聞かせするために参りました」と。その真実とは。そしてラスと再び相対する日は? 2014/08/30 発売
女皇・雛の君と再び相見えるラエスリール。世界をかけた人類の命運を左右する戦いが幕を開ける。六種の闇と虚を操り、ラスを窮地に陥れる女皇。自らの勝利を確信したその瞬間、彼女は驚愕の真実を目の当たりにする。そこには傷一つなく立ちはだかるラスの姿があった。五つの闇の輝きを放つ人影に護られるようにして。その闇とは?その輝きとは?その人影とは?そして、戦いの行く末は…? 2014/11/29 発売
成功と失敗、そのすべてを糧にして進化を続けていく女皇・雛の君。ラエスリールとの死闘においても、その攻防の中で驚くべき変化を遂げていく。追い詰めてもさらに強大な姿でたちはだかる雛の君に一度は絶望するラス。しかし、人間に滅びてほしくない。そのためにならば命をかけて戦うという決死の覚悟で、自らを信じて破妖刀・紅蓮姫を強く握りしめる。「行くぞ、紅蓮姫!」ラスは宣戦布告する。 2015/03/03 発売
世界の覇権を賭けた死闘は続く。ラスは遂に女皇の心臓に破妖刀を突き立てる。それでもなお不敵な笑みを浮かべる女皇。だが、その瞬間に、彼女の口から得体の知れない物体が滴り落ちてしまう。その蠢く謎の物体を見た女皇は自分の体を蝕み変化させているのは、目前の仇敵だとして、さらに憎悪の炎を燃やす。一方、謎の物体はラスにある危険を感じ、その体を丸ごと呑み込んでしまうのだが。 2015/10/01 発売
穢禍。それは世界を完全なる終焉に導くため創造主により産み出された怪物。あらゆる物を侵食し、増殖する“腐食の泥闇”。その脅威から一旦は逃れたラスだが、女皇との最後の戦いは場所を変え、恐るべき穢過の“海”の上で再開することに?一方、穢禍は分裂と融合を繰り返し、世界中に飛散。生きとし生ける者はその魔の手から逃れるための壮絶な地獄絵図の主役と化さねばならなかった…!! 2015/12/25 発売
全ての生命を侵食し、無き者にする怪物・穢禍。増殖を繰り返し、その粘液状の形態は腐肉の海としてラスと女皇の眼下一面に広がる。創造主は何の意図で忌み嫌うより価値のないはずの穢禍を作ったのか?その答えを示すかのように腐肉の海に一つの金属板が浮かんでいた。ラスの魅了眼がそれを発見。二人は一旦休戦し、その金属版に刻まれている文字を確認するために腐肉の海へ迫り行く!! 2016/04/01 発売
腐肉と瘴気に満ちる広大な穢禍の海。全ての命を飲み込み、葬り去るその流動体の怪物の中に潜んでいた石版。全ての欠片を組み合わせることに成功したラスと燦華。記されている文字を解読すると、そこには驚くべき事実が記されていた。“なぜ創造主がこのわたくしを世界に生み出したのか”その理由を知り、深く自尊心を傷つけられた燦華。逆上の果て制御不能となり、行動は常軌を逸して…。 2016/07/29 発売
自分は世界を破滅させるための鍵として創造主により作り出されたものだと思い知らされる燦華。世界を統べる者ではないという真実を突きつけられ絶望の淵に。ラスは創造主の横暴さに怒りながらも、この世界を決して終わらせないと強く決意する。一旦は戦いを終息させて、女皇から退く意志を自ら固める燦華。しかし、腐食の泥闇は、その目的の完遂のために燦華の撤退を拒絶し、その果てに? 2016/12/01 発売