泡沫の底に響け、僕の声
『僕の声を、探す…?』ふいに玄関のチャイムが鳴り、現れたのは全身黒ずくめの十六夜と名乗るおかしな男。この男は、僕こと大学生の内海玄が、11歳のときに失った声を取り戻すのだと言う。『必要ない』僕は携帯電話に打ち込んだ文字を見せる。今の生活に問題はない、満足しているー。それが母の「命令」でなければ、完全に無視したのだが…。夢に出た人物の言葉に従って旅に出た僕は、夢と現実の狭間を過去へと遡ってゆく。直人、晴子さん、由希子。そして、放たれる僕のー。“探し屋”十六夜をめぐる物語、第2弾だにゃー。