恋人以上のことを、彼女じゃない君と。(終)
「ごめんーちょっと、考えさせて」二度目の告白をした、あの日からしばらく。冬は未だに糸と連絡が取れておらず、落ち着きのない日々を過ごしていた。通知が来るたびに、もしかしてと思ってスマホを見ては、落ち込む。そんな不毛を繰り返していると、突然糸からメッセージが届いた。『このたび私、皆瀬糸主宰リアル謎解きゲーム「糸ちゃんの挑戦状」を開催いたします。』謎を解いていくうちに、明かされる糸の真意。そして冬は、今まで見つめてこなかった、本当の“皆瀬糸”と向き合うことになるー。社会から逃げ続けた二人の物語、ここに完結。
関連ラノベ
元カノと夜を共にした。ブラックな仕事に疲れた山瀬冬は、ある日大学時代の彼女・糸と再会し飲みに誘う。愚痴や昔話に花を咲かせ、こういう友達関係もいいなと思っていた矢先、酒の勢いに呑まれてやってしまった。後悔する冬だが、糸は「謝っちゃだめ」と真剣な表情で制す。「ちゃんとしようとか言わないでよ。ただ心地良いから一緒にいようよ」糸も疲れていたのだ、社会が強要する正しさや、大人としての不自由さに。こうして二人は『仕事とか恋とか面倒なことは抜きで、ただ楽しいことだけをする』不思議な関係を結ぶ。 2022/11/18 発売
山瀬冬、大学一年生、童貞。四国は香川の高松から上京してきた俺は、新生活が始まった今も悩みを抱えていた。「皆瀬に、どうやって告白すればいいんだろう?」俺は、同じサークルの皆瀬糸が気になっている。別に、一目惚れというわけではない。むしろ初対面の頃は、目立たない子とさえ思っていた。けれど、その微妙にずれた感性や、やけに綺麗な所作が新鮮で、気づけば彼女を目で追うようになっていた。俺は、皆瀬糸に恋い焦がれてしまったのだ。-これは、糸と出会い、付き合い、青春を紡ぐ物語。そして、恋人であることを諦める物語。 2023/09/19 発売