アジア覇権戦争(3)
直接選挙を実現し民主主義を育みつつある台湾にアジアの巨象中国がついに牙を剥いた。改革開放経済が破綻、軍事的冒険に打って出た南沙諸島で資源を失い、行き場のない中国の矛先は台湾海峡へ向けられた。常任理事国日本は、市場として無限の可能性を秘めた大陸と、産声を上げた民主国家の間で選択を迫られる。日本は金門馬祖両島に陸自からの兵員を派遣する。開戦の火蓋が切られたのは大陸との距離わずかに二キロ、地上で最も堅牢な要塞島、金門だった-近未来軍事シミュレーション。
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急激な経済成長により、中国のエネルギー事情は逼迫。衰退していく北部都市を抱えた中国は、南沙諸島の領有に死命を賭け、海軍艦艇を展開した。南沙の共同統治を主張するASEAN諸国との高まる緊張を緩和させるため、日本政府は国連軍活動に踏み切った。先んじて派遣された潜水艦“あさしお”は中国軍の対潜作戦の標的に。地下資源と交易拠点をめぐりアジア各国の思惑と戦略は交錯する。 1995/11/25 発売