D-北海魔行(下)
凍てついた最北の海辺の村フローレンスに、待ち望んだ夏が訪れた。わずか一週間の夏。その束の間の歓びを噛みしめる村人の顔には、だが、どこか翳りと怯えが秘められていた。村のはずれには、かつて人間に暴虐の限りをつくした後、旅の男に滅ぼされ海に封じ込められたと言い伝えられる貴族、マインスター男爵の城跡がある。その伝説の貴族は、夏になると姿を現し、飢えを満たすのが常だったからだ。三人の若者が貴族の犠牲となった夏の第一日目、連合戦線を張った戦闘士らは、一気にDに襲いかかったのである。壮大なスケールと圧倒的な迫力でおくる〈D-北海魔行〉完結編。
関連ラノベ
D-北海魔行(上)D-北海魔行(上)
一年前の夏、海から貴族が上がって来た夜に浜辺で拾った“珠”は、辺境の最北の漁村に住む姉妹の想像を遥かに超えた価値を持つものらしかった。姉の使いで、珠を売りにウーリンが町に出た時、珠を眼にした者は例外なく、あらゆる手段を用いてそれを奪い取ろうとするのだ。一度は危機を通りがかりのDに救われたものの、ウーリンはクローネンベルクの町の顔役ギリガンに、珠の由来を問いつめられた挙句、無残に殺されてしまった。死の間際の少女の願いで、Dは珠を持って少女の村フローレンスに向かった。壮大なスケールで迫る〈吸血鬼ハンター〉シリーズ最新刊、全2巻で登場。 1988/10/01 発売