ヴぁんぷ!(3)
2ケ月ぶりだね、日本の紳士淑女諸君!今日は少々血生臭い話をするとしよう。復讐ーそう、復讐の話だ。活劇から悲劇に至るまで、様々な物語に取り入れられる王道とも言うべき要素だよ。復讐は常に新たな復讐の芽を生む。様々な物語でよくそう言われるものだが…仮に、相手の親類縁者全て、さらにはそのまた縁者をも復讐の対象とし、全てを滅ぼし尽くす覚悟だとしたら?おそらく復讐の連鎖は止まるだろうが、その者に安らぎが訪れる事は無いだろう。そんな覚悟をしてしまった者は、この世界とー己自身にこそ復讐をしたいのだろうからね。そして、吸血鬼たちの時間が始まるー。
関連ラノベ
成田良悟が描く“この世でいちばん吸血鬼らしくない吸血鬼”の物語。「親愛なる日本の紳士淑女諸君!月並な問い事で申し訳ないがー諸君は吸血鬼の存在を信じるかね?」「-失敬、名乗るのが遅れたようだ我が名はゲルハルト・フォン・バルシュタイン!このグローワース島を預かる、子爵の称号を賜りし吸血鬼!自己紹介代わりに、我が島で起こった一つの騒動について話をしようではないか!…まあ語らせてくれたまえ。暇なのだ」「君が私の話を信じるも信じぬも、私が人にあらざる存在という事は一目瞭然であろう?何しろ私の身体はー」。 2004/05/10 発売
祭に現れた『食鬼人』の目的とはー。「久方ぶりだね!親愛なる日本の紳士淑女諸君!相も変わらず読書に精を出しているかね?真にその書が好きならば、回読よりも購読をお勧めする!」「失敬。生臭い話はやめ、今回は諸君に島の祭りを紹介するとしよう!」「我が島が誇る芸術家、カルナルド・シュトラスブルクを讃えるカーニバルだ!恋人達の誓いから家族の団欒、過去の精算に未来への希望などー様々な想いと共に、様々な客人が島を訪れる!喜ぶべき来訪者から、望まれざる者までね。だから諸君も、この祭りを十二分に楽しんでくれたまえ!」「遙か西の水面に日が沈むまでは、君達人間の時間なのだから…」。 2005/06/10 発売
3年ぶりだね、日本の紳士淑女諸君!お待たせしてしまったねえ。ふむ、諸君との友愛関係を祈り、今宵は吸血鬼と人間の関わりについて話すとしよう。ドイツ南部にて発生した、村人達の集団失踪事件。我々の『組織』はその事件について会議を開く事になったのだがー時を同じくして、ミヒャエル君がある決意を胸にグローワース島を飛び出したようだ。当然ながら、そんな彼を追って我が娘のフェレットも島を飛び出し…そのまま若い男女の甘酸っぱい追走劇になれば良かったのだがね。人間と吸血鬼の男女。この組み合わせが生むのは果たして悲劇かロマンス…過去と現在の物語の中で、君達がそれぞれの思いを抱いてくれれば幸いだ。 2008/08/10 発売