出版社 : 中央公論新社
仙台で、幼い頃別れた母との再会を果たした西尾えりかは、勧められるままに、近郊の温泉への小旅行に参加した。しかし、料理に混入した毒草で、会社社長が命をおとし、彼女も軽症ながら中毒するという事態となった。誰が、何のために…。えりかを心配して東京から駆けつけるハリー。錯綜した人間関係を探り始めたふたりを嘲笑うかのように、また死体がひとつ…。
地方都市に突如建立された巨大な大仏。その関係者の首なし死体が九頭竜川の土手で発見された。事件に巻き込まれた鬼の末裔一ノ瀬大地は、その真相を探るうちに、各地の巨大仏像を繋ぐ奇妙な暗合に気づく。だが大地の一族だけでなく、謎に迫る者は次々と首なし死体に…。背後に潜む闇の暗殺集団。暗躍する美貌の女。全国の巨大宗教建築群に秘められた恐るべき陰謀とは。「シャドウメッセージ」に続く伝奇アクション第2弾!
洋上に巨大な雄姿を浮かべる空母カール・ヴィンソン。海中でその監視につくソ連のヴィクター3級原潜。双方が互いに敵の裏をかこうと行動したとき、恐るべき事故が起きた。急浮上をかけた原潜が空母の艦底に激突したのだ。沈没圧潰する原潜、メルトダウン寸前の原子力空母。放射能洩れをおして横須賀に強行入港しようとする米空母に対し、海自の最新鋭潜水艦に撃沈の密命が下った。さらに米ソの原潜も各々の目的を秘めて現場海域へ…。名作『レッド・オクトーバーを追え』をもしのぐ傑作長篇。
南アの港街ダーバンでアバンチュールと洒落こむ一等航海士の五郎。だが、これがとんでもない罠だったのだ。秘密警察BOSSの逮捕と拷問、釈放条件として示されたうさん臭いタンカーへの乗り組み、さらにセネガル沖での武装ヘリによる襲撃と船の沈没…。そして今、事件の唯一の生き残り五郎を追って、謎の男たちがダカールに集まる。-南アの原油詐取に端を発した巨大な陰謀は、好漢五郎を危険な冒険の荒海へと誘う。
自衛隊がすでに核を製造、保有していた!こいつは確かに醜悪な事実だが、俺にとってはそれだけのことだった。だが、父を殺され、妹を誘拐され、俺自身の生命まで狙われるに及んでは話が違う。俺たちが生きのびるためには何としてでも核の存在をあばかねば。それには現物を手に入れるのが一番なのだが…。国家を相手に始まる命がけのゲーム。駒は“核”、そして盤面は“東京”。