1988年11月発売
わたしは超怪力の持ち主。でも17歳の女のコに、そんなもんあっちゃ困る。乙女のイメージが台無しになってしまう。神様に思いきり文句をいいたい。-どうしてわたしだけ、人にいえないようなバカ力なわけ?普通の女の子でいるため苦労してきたわたしなのに、その秘密を偶然、ひ弱な男の学生に知られてしまったのだ。
わたし、水晶球占いの担当の佐野和歌子。占星術のメグと、タロット占いに強いノッコの三人で、学園の占い研究会をやってます。今日、水晶球を見に行った店に強盗が入り、銃でおどして宝石を奪って逃げたの!買ったばかりの水晶球も持っていかれた。ハンサムな森川君といっしょに犯人探しに乗りだしたのはいいんだけど、森川君、わたしの心に気づいてないみたい。事件も気がかりだけど、わたしの恋、占ってみては、いけない?
ボク-冴木しのぶ。17歳。高校2年生。ボクっていっても、れっきとした女の子。両親は海外赴任してるので、民間の考古学研究者としてはけっこう有名なおじいちゃん-冴木権左衛門と二人暮らしなんだ。ある日、学校に、“従兄”と称する美形が、尋ねてきたんだ。名前は神無月恭一郎。そして、帽子屋という人まで現れて…。どうも、みんな、おじいちゃんが持っている『ソロモンの鍵』を狙ってるらしいんだ…。
あたし、白鳥麻央。パパとママを奪ってしまったあの飛行機事故から、はや二年。ばあやもガンで、パパとママの所にいってしまったけれど、メソメソなんてしていられない。ステキな健太郎とかわいいポーラスターのためにも、ますます頑張らなくちゃ!ところが、突然、ロンドンに双子の兄さんがいることを聞かされ、大ショック!夏休みに、一人で兄さんを訪ねるのだけど、もう、ハートが張り裂けちゃいそうです…。
松本菜摘、フツーの高校一年生。わたしの優しいカレ、藤井ヨージ、今をときめくスーパーアイドル。ヨージ、歌手の近藤ルミとの噂、ウソでしょ?信じて、いいよネ!
信州にある、古い小さな、ノスタルジックな叙情をそそられる街。それが狭霧町…。森木由美は、その狭霧町の、その名も狭霧学園高等部に通う、ロマンチストの女の子。福永和哉は、そんな由美に、ほのかな想いをよせ続けている、優しい同級生。その平和な学園に、一人の転校生が…。気になる瞳の彼の名は、野々村良。そして、良を追いかけてきたかのように、奇怪な事件が、次々に起きるのだった…。