1990年6月発売
遠い昔-地球が生まれたころにできた水晶の力が、恋をかなえてくれたらステキでしょ。たとえばその相手が、高校野球で人気No.1の啓太だったら?グルーピーたちを遠くから見てるだけのあたしに、魔法の水晶が重大な秘密をそっと教えてくれたの。彼の命が何者かに狙われているってことを。このピンチから彼を救えるのは、あたしでけ。恐怖と対決する夢見に、勇気をください。そして、2人の距離が1センチでも近づきますように…。
超人気アイドル・八手真名子には、秘密が2つあるの。それは、克樹というBFがいることと、ふたりが、そう、名探偵だってこと!ふたりが共演する今度の映画。とんでもないメンバーがスタジオにそろったの。女の子殺しの“限界美男”の清四郎や、大会社の令嬢アイドルに、元祖ワガママ大女優などなど…。ところが、ガールハントに異常なくらい燃える清史郎の秘密に気づいたときには、スタジオの惨劇は、もうはじまっていたのです…。
ラブレターをくれた男の子が落ちてきた大石にうたれて死んだ。誰かが押さなければ石は落ちない…。憧れの人とむすばれるように星に願いをかける“七夕の夜”がもうすぐだっていうのに、いったい、誰が、何のためにこんなことをしたの?事件を調べはじめたあたしまで襲われて、でも、そのとき心に浮かんだ名前があった。けど、まさか!ドジで泣きむしのあたし、田村千夏が出合った謎いっぱいの大事件、読んでね。
バスケ部の間宮森生クン、大好き。あたし、森谷志乃は体育館のヨコを通るときにチラリと練習を見ることしかできないの。コラッ、ウジウジするなっていつも思うけど、強烈な恋のライバルもいるもんなー。新体操部の三沢美子には、ルックスじゃ負けちゃうもん。でも、世の中どこに知り合うきっかけがあるのかわからないものよ。あたしの場合は、それがシャワー室だったワケ。エヘヘ。ちょっとここじゃ、話しにくいわよっ。
はじめまして…。あたしは、村上沙也香といいます。どうか、よろしくお願いします。あたし、何事もいつもスルリと通り抜けて、涼しい顔でいい子ぶってる自分がキライ。世界じゅうでいちばんキライ。あたしは、生まれ変わりたいの。だから、これから書こうとしていることは、そんなあたしの飛翔への物語なのです。どうか、応援してくださいね。
「春は大嫌いよ!」なんで、そんなことをあたしはいったのだろうか。なんで、そんな大声を出したのだろう。あたし、森下こよみ。この春、高2になる。春はすごく好き。だから、自分で、どうしてそんなことをいったのか、わからなかった。でも、ささいなことじゃなかったんだ。その言葉は、あたしの中から、出てきた言葉なの。今度の大騒ぎの終わりに、あたしはもう一度、その言葉にめぐりあうことになる…。
あたし、高樹美佐。私立女子高校の3年生。好きな人も憧れの男性も見つけられないあたしは、いつも、親友のノンとヤッピーのノロケ話の聞き役。あーあ、BFが欲しい!そんな時、ノンが、ハンサムな大学生、白石洋一さんを紹介してくれたの。ヤッタネ。あたしたちがおつきあいを始めて、ひと月ちょっとたったころ、さそわれちゃったの。「夏休みに、ふたりで、旅行、行かない?」って。あたし、どうしたらいいんだろう…。
あたし-渡辺陶子、高校2年-は、同級生の阿部久信くんに片思い。でも、それは、絶対に秘密なの。仲よしのやっちゃんにも、「好きな人なんかいない」って、嘘ついちゃってる。だって、友達に相談すれば、「告白しなよ」って言われるにきまってるもん。あたしに、告白なんてできるわけないし、だから…。と、ところが、“あたしが、阿部くんのこと好き”っていう噂が、いつのまにか広まっちゃってたの!えっ、どうして…?
あたし、和津真理。中3の探偵小説大好き少女。探偵倶楽部“イレギュラース”のメンバーが、転校してきた志郎・ホームズ君が入会したので3人となり、やっと公認サークルになったの。部室は、司書のユミコお姉さんに頼みこんで、閉架図書室の一角を使わせてもらうんだ。その頃、校内で怪しげな事件が起こり始めたの。女子トイレの鏡に、ルージュで文字が書かれているの。それも「フクシュウ」と…。また、“イレギュラース”の活躍の時よ。
幼馴染みの義之くん…、ちいさい頃、あたしが引っ越しをしてしまったので,ずっと離ればなれだったけど…、高校で再会することができたの。でも、超、噂の人気者になっていた義之くん…。あたしのことなんて、覚えていてくれないみたい。あたしは彼のこと、ずっと忘れられずにいたのに…。“想い出”の中だけじゃなくて、“今”のあたしのこと…気づいて!
おバアちゃんはヘヴィ・メタルの燃狂的なファン。高校に入学したばかりの私を同じ道に引きこもうと、しつこく誘うの。けど私には、ロックは悪魔の重金属音楽、いや、ただの騒音にしか聞こえない。-でもでも、あこがれの大田センパイがロックファンと知って、私の生活は一変したね。毎日おバアちゃんの部屋に入りびたって、気合を入れてロックの勉強よ。大田センパイに少しでも近づけるチャンスなんだ。心はもうコレばっかり。
フィリピン沖を日本へと向かう再処理済核燃料輸送船。その護衛にあたる海上保安庁長巡視船が、突然攻撃を受けた。巡視船は対艦ミサイルの直撃で爆発炎上。同時に襲撃された輸送船では、テロリストがブリッジを占拠する。中東産油国の依羅で、原油価格の上昇とプルトニウム入手を狙った、伝説的傭兵バックィン大佐の作戦だ。アラブ側の核武装を恐れて介入するイスラエル特殊部隊、そして奪還をめざす陸海空自衛隊の精鋭も現場海域へ…。
物量をもって押し寄せる敵に対し、過酷な消耗戦を強いられる南東方面。「一刻も早い援軍を」と、主人公風間三飛曹らの双戦隊は、四千キロ彼方のラバウルをめざす。単座戦闘機による前代末聞の長距離洋上飛行だ。途中サイパンで、思いがけずも聯合艦隊旗艦〈大和〉の威容に接し、46サンチ主砲の斉射に畏怖すら感ずる風間。だがそれは、無事に最前線まで進出した彼を待ち受ける、想像を絶した殲滅戦のささやかな序曲にすぎなかった。
泥沼した内戦に明け暮しる西南アフリカ某国。ここに、“ヘルガ”と呼ばれ、反政府ゲリラの守護神と化した一輛のソ連製T55戦車がいた。この戦車を駆り、神出鬼没、次々と政府軍を撃破しているのは、日本人の元外交官だという。事態を重視した日本政府は、陸上自衛隊の人員と、実戦テストを兼ねた90式戦車を密かに送り込む。阿修羅の如き戦いの女神“ヘルガ”と、電子装置の魂である国産最新鋭戦車…日本人同士の凄絶な戦車戦の結末は。