1992年発売
醜男、ぐうたら、助平。そんな八卦見足跏堂十六斎に若くてきれいな押しかけ女房がやってきた。思わず足相占いの仕事にも精を出したら、そこへ来たのが時の老中井伊直弼。彼の死を言い当てたことで、攘夷派対開国派の争いに巻き込まれてしまう。歴史上の大物入り交じっての剣劇も当の本人には有難迷惑。足袋屋から紛失した皇族の足型集“禁裏御みあし帖”の行方占いを頼まれて物騒な江戸を逃れていそいそと京に向かった十六斎だが。
和宮替え玉工作の真相を秘める“禁裏御みあし帖”は人手を転々と。折しも和宮降嫁が決行された。岩倉具視・長野主膳の確執、西郷吉之助・武市半平太・桂小五郎の悲願、忍部衆・公儀隠密の暗闘…。降嫁の行列は様々な人の思惑をはらんで中山道を。時を同じくして十六斎も心形刀流の剣士でもある女房・菊絵の死相を案じ、京を離れ江戸へ。死相の薄れる方角をと心がけるうちに行列の後を辿って旅することになった2人に新たな危難が。
太陽系はるかな昔、第四惑星『火球』は軌道上に突如出現した青い星=『蒼球』のために存亡の危機に瀕していた。日夜飛来する鉱物生命は火球の都市を喰い荒らし、大地は荒廃した。内乱を続けていた3つの文明は手を取り合い、鉱物生命に対抗すべく超兵器サーディオンを開発し、蒼球の空に送り込んだ-。後に超攻合神として蒼球に伝えられる超兵器の誕生を描く、人気ゲーム待望の小説版。
栄光と豪奢の都・香港。繁栄を続けるこの地に、ふってわいたような“幽霊船”事件。人々は恐怖におののくが、これはまだ、次に始まる惨劇の、序章にすぎなかった…。涼・雨宮。ネオ・ナリタの妖魔“アルディーン”という、もう一つの顔をもつ彼は、ヒョンなことから、香港の“幽霊船”事件にかかわるハメとなる。もちまえの正義感と好奇心から、事件解決にのりだす涼だが…。『元宵節』を舞台に、香港3部作スタート。
「花梨、ラブレターの代筆、頼みたいんだ」光司は、幼なじみのあたしが、今まで見たことのない真剣な目で、そう言った。コウジが好きになったのは、お嬢様学校に通う由美。ロングヘアを風になびかせ、大きな瞳とかわいい口もと。どれをとっても、あたしはかないっこない-たった一つ、由美に勝てるのは、コウジを好きな気持ち。でも、いまコウジの目には、由美しか映らない。せつない心、届けたいのに。
こんにちは、水谷麻衣子です。秋まっさかり。日下くんと、燃えるような紅葉の中で、ロマンチックに旅したい!というわけで、7月に開通したばかりの山形新幹線「つばさ」に乗って、十和田湖めざして出発!もちろん、「食欲の秋」を楽しむ美奈子も一緒。ところが、記憶喪失の男の人に出会ってしまい、湖に立つ少女の像を手がかりに、実家を見つけたのはいいけれど、その人は40日前に死んでいたの。謎は深まるばかりです。
「みんな…俺のせいなんだ。」インターハイ予選敗退、チームリーダー・島津の緊急入院-。たて続けに青葉が丘バレー部を襲った衝撃に、昴の心は乱れる。すべての責任は自分に、と考えた彼は、バレーをやめようと決意。だが、バレーへの情熱を、簡単に消せるはずもない。やり場のない気持ちを抱え、昴の心はすさんでいく…。そんな彼を救おうと、バレー部顧問・醍醐は、ある計略をたてるが…。
「今日は直也と、ひさしぶりのデート。たっぷり甘えちゃお〜っと」-と思ってたのに、なんなの?あたし、加奈は、いきなり現れた黒ずくめの男たちに、待ち合わせ場所から、さらわれちゃった。連れてこられたのは豪華なホテル。わけのわからないまま、ウェディングドレスを着せられて、いきなり式を挙げろだなんて…。助けて、直也。あたし、あなた以外の人と、結婚なんかしたくないっ。
わたし田中紫葡。高校2年生。“好き”って想える人に巡り逢えたの。バイト先で知り合った、大学生の諸岡さん。彼も、わたしのこと「好きだよ」って。でも、束縛されたくないと言う彼に、学祭で逢った女の人との関係など、聞けるはずもない…。あなたに嫌われたくないから、あなたの本当の気持ち、知るのが怖いから、わたし何も話せない。わたしは、ただあなたを信じていればいいのですか?教えてほしいの…。
「おれ、明日が誕生日なんだよ」といったのは、クラスメイトの横館クンだった。あたしとサキは教室の窓際にいて、いつものように、くだらないむだ話をしていたところだった。あたし、工藤由香。高3。事件がようやく大団円を迎えたいま考えてみると、2週間前の昼休みに横館クンがいったひと言が、あの嵐のようなドタバタ騒ぎ“シンデレラ宝石盗難事件”の始まりだった…。
高3にもなって、マジで部活だの文化祭の責任者やってるなんてのは、よっぽどのバカか底抜けのお人好しに違いない-、と「オレはオレなりに“わかって”は、いる」てなノリの進藤達彦と、類は友を呼ぶってヤツなんだろうか、世間のジョーシキからは、どうしたってズレちゃうオトコの黒崎律の。ちょいと、せつなすぎるかもしんない、恋愛がらみの生きかたストーリー。空の青さが、妙に気になる、あなたには。気持ち伝わるかな。
〈魔法使い〉の協力者に選ばれてしまった、あたし、水元頼子は、〈虫〉には襲われるわ、『空飛ぶ覆面娘』にされてしまうわ、片桐先輩にキスしそうになって〈親衛隊〉にはにらまれるわ、もう目茶苦茶。否応なく〈魔法使い〉と〈恋人たち〉の戦いに巻き込まれてしまってたんだ。-〈運命の輪〉まで登場してきた“改変”をめぐる〈魔法使い〉VS〈恋人たち〉の戦いの行方は。そして、頼子の片桐先輩への片思いは。『運命のタロット』シリーズ第2弾。
わたし・岸本悠里。高校1年。パリでファッション・デザイナーをしているパパが「交通事故にあって、危篤!」の知らせを聞いて、急遽、パリ行きの飛行機に飛び乗ったの。初めて訪れる憧れの街、パリ。そこで、わたしが出会った、とびきり素敵な金髪の男のコは、なんと、わたしの未来の旦那様、だった。さあ、悠里ちゃんのパリでの恋の行方と、彼からのプロポーズの言葉は?そして、あなたはどんな『プロポーズ』が夢ですか。
「猫がしゃべるのよ」絵里奈さんのこの発言が事件の発端だった。わたし、美々は、落ちこぼれぎみの高3。年の離れた春菜姉さんとふたり暮らし。姉さんは、ぼろアパート小春荘の管理人兼家主である。あこがれの安見さんはいるけれど、あとは家賃滞納常習者の不良住人ばかりの小春荘に、ある日、ペルシャ猫が迷いこんできて…。すべての猫好きの人に捧げる、スーパー・シュール・メルヘン。
綾瀬の心がゆらめいて、月を宿す水面が波立った…。未来を映す水鏡に綾瀬が見たものは、紅蓮の炎の間から覗く、闇よりなお暗い邪悪な目だった。遠い昔の嵩月家と豪本家の確執が、今また甦し、怨念が街を覆い始めた。はたして綾瀬は、水脈を呼びだし、眠れる竜を目覚めさせることができるのか。そして、綾瀬に想いを寄せる銀の月の主護者、一馬と冬馬の運命は…。
和美は「東京に行きさえすれば、なんとかなる」と思っていた。歩も同じだった。田舎を飛び出し、都会の暮らしを手に入れた2人。あとは“東京出身の恋人”さえいれば、完璧だった。そんな似たもの同士の和美と歩が知り合って、思わずお互いに嘘をついてします。2人とも理想の恋人を失うのが怖くて、嘘を重ねていくが、ある日とうとう…。東京への憧れ・夢・幻想がひき起こす悲劇。
あたし、立花彩と、超エリート集団“KZ”が開設したリサーチ事務所に、記念すべき初仕事が依頼された。用件は、図書室に置いてある受験雑誌から無断でページを切り取った犯人をさがしてほしいとのこと。さっそく若武を中心に小塚、黒木、上杉クンに仕事を分担し、捜査が始まった。しかし、捜査につれて、事件は深刻さを増し、あたしが解読したある文章には、さらに恐るべき事実が隠されていた…。
あたし(夏月)たち、遊園地に来ているんだ。実は、ここのオバケ屋敷に、本当にオバケが出るっていうの。気になるのは、そのオバケが「秘密の水晶が欲しくない?」って言うってこと。アトラクションに入っていったあたしと光矢は、本物の幽霊に、闇の世界につれていかれてしまったの。そこには、長いまっすぐな髪の美少年がいて、しかも、その人は「わたしはルシファー」と名乗ったの…。
〈風の城〉-それはゾア大陸の学問や魔法学の中心だったが、ノルアン帝国に滅ぼされた。それ以来、大陸には魔性がうごめき、ノルアン帝国は、さらに近隣の国々を狙っている。〈風の城〉で修行したドルイド=聖魔法使いのアイーシャとシャナーンは、月の女神の予言にある〈風の城〉を滅ぼした凶眼の王を倒す魔眼のドルイドを探し出そうと、北方のミレシアを目指して荒野を歩いて行った…。