1993年4月発売
聖シルク学園は、朱一族のものとなった。そこでチョコたちを待ち受けていたものは、“転入生”として各クラスに配置された朱の手先と、相次ぐ災難…。一族の復讐は、まだ終わっていなかったのだ。そして第四の指輪を手にするのは、チョコたちなのか、それとも…。すべては、運命の日“聖シルク学園祭”にあった。学園祭のメイン・イベント。『ミス山手コンテスト』で何かが起きる。
あたしたちが、男子寮で懇親会の真っ最中、片桐先輩の寝ているはずの部屋から、叫び声と鈍い音がきこえてきた-。しかも、片桐先輩の部屋のまわりは、強力な結界に覆われていて、あたしと〈魔法使い〉は、近づくことすらできなかったんだ。〈恋人たち〉が片桐先輩になにかした。-防げないわ。〈運命の輪〉のいった不吉な言葉。まさか“改変”が行われたの。片桐先輩は、いったいどうなったの-。
ある日突然、ウチの同居人になった翔くんは、校内中の女のコの撞れの的。本物のきょうだいみたいに暮らしている彼のこと、実はあたしも、真剣に好き。この気持ち、もう、抑えることができなくて、あたし、ついに彼をデートに誘ったの。彼も、あたしの誘いをすんなり受けてくれて、あたしたち、夢のように楽しい初デートをしたんだけど…。あたしの想いも、やっと届いたって思ったのもつかのま、突然、悲しい運命が襲ってきたの。
あたし、ナツミはごくごく平凡な17歳。ところが、身のほど知らずにも、超美形の男の子じゃないと、心ときめかないの。それがそれが、昨日のこと。もし、あたしの理想を絵に描いたような男の子を見つけたの。その桐里君はなんと、中学の3年間、あたしと同じクラスだった池山稜と同じ日陽学院の制服を着てたの。あたしはさっそく、稜に電話して紹介してもらうことにしたの。
あたしは夢を見ていたんだろうか?とても不思議な1週間だった。「何も聞かないで、1週間だけ毎日会ってほしい」-あたしの前に突然現れて、そしていなくなったひと。荒木翔太くん。あなたはいったい…。たった1週間だったけれど、あたし、とってもドキドキした。本気で恋をしたと思う。ねぇ、ふたりはもう会えないの?せつなくてステキな恋の時間…。
あたしが合格したのは、受験日に初めて行って少しもなじめず帰ってきた第三志望の中学だった。おそるおそる登塾してみると、黒木クンたち三人は、声をそろえて、志望校に合格。でも、一人だけ若武の姿が見えない。「あいつ、全部オチたんだ」小塚クンが言った。あたしは息ができなかった。落ち込んでる若武を励ますには、すっごくハデな事件を解決して、世間から注目されるしかないんだけど…。
新たに建設された大聖殿の落成式に出席するため、ピアジュ教皇とともに世界最大の都市アバトンを訪れたティタニア。しかしアバトンは、さまざまな欲望が渦巻く悦楽の都市だった。アバトンに君臨している市長・アズルファンの陰には、以前、ティタニアがマルドリュースから追い払った邪悪な魂の存在があったのだ。落成式の直後、邪悪神ギラッシュの魔手は、ピアジュに伸びようとしていた。
あたし、高橋絵里奈、16歳。生まれた時から天涯孤独の身の上なの。明日再び施設に戻ろうという晩、「迎えに来たぞ。俺はルイス・ルーク・セントレイク…」なんて、やたらハンサムな青年がやってきた。「これからおまえは、俺の国で生涯を暮らす」そ、そんなのあり-?あたしがつれていかれたのは、竜のいる空の国だったの…。
あたし、萩原未央は、四ツ葉学園芸能科に籍をおく女優で高校1年生。片想い中の、幼なじみでアイドルの俳優てるちゃんと、親友の彩が今度キスシーンを撮ると聞いて複雑な心境なの。そんなあたしに、失礼な態度をとった熊谷一哉と名のる少年。その後、彼はあたしたちの出演するTVの演出をする若きホープだと知って…。恋に仕事に元気な、どっきどきコメディー。
「鈴がいなければ生きていけない」という、実業家の達治。「僕が倖せをあげる」という、大学生の智彦。宝石デザイナーの有森鈴、28歳は、愛し方の違う二人の男のあいだで悩んでいた。達治は鈴に耐える恋愛を求め、智彦は鈴にストレートに気持ちをぶつけてくる。愛されていることはわかる-。でも時々、強烈に淋しさを感じるのは、なぜなの?達治と智彦。鈴が選んだ愛は…。
金と銀のふたつの月が交わる地を、金と銀に輝くふたりの若者が、軽やかに旅する。かつてこの地には、第三の月があったという-。ボルデの町の酒場で酔いつぶれたグリフォンたちを残して、リューとエリアードは、再び旅に出た。謎めいた一角獣探索の船旅から脱け出す絶好の機会だったが、いつしかふたりの行く手には、不気味な霧がたちこめていた…。あやうく、あやしい絆で結ばれる、金と銀のふたりの冒険譚第四幕。
とてつもない妖と対峙した泰麒は、身動もせず、その双眸を睨み続けた。長い時間が過ぎ、やがて発した言葉は「使令に下れ」。異界へ連れてこられても、転変もできず、使令も持たなかった泰麒は、このとき、まさに己れが「麒麟」であることを悟った。しかし、この方こそ私がお仕えする「ただひとり」の王と信じる驍宗を前に、泰麒には未だ、天啓はないまま。ついに、幼い神獣が王を選ぶー。故郷を動かす決断の瞬間が来た。
クシアラータ王都を、紫水晶の瞳の美しい魔王が統治していた時代。邪悪なる賢者エフタルは、紅蓮の瞳を持つ勇者ルカナをかつぎ、魔王弑逆を画策した。エフタルは魔族の弱点を知る唯一の人間。静謐の魔族の世に暗雲が垂れ込める。後にクシアラータ大戦役と呼ばれる、悲劇の戦いが、今、始まったのだ…。砂漠の王国を舞台に織りなされる、運命の物語外伝。ルカナ&エフタル編。
「和彦?私よ、早く開けて」インターフォン越しに響いてくる、聞き覚えのある声。そのときから、俺の受難の日々が始まった-。俺、三紀。広告代理店に入社してもうすぐ一年。上司にはシゴかれ、再会した元同級生・高岸にはからかわれ、苦労の絶えない毎日だ。そのうえ、赤ちゃん連れのハリケーンまでやってきて、もう、どうにかしてくれよ。『本気で欲しけりゃモノにしろ!』第二弾。
セックスから愛が生まれると錯覚していた真奈美。本当に愛することを知らないうちに、愛を諦めてしまった千加。そして、愛し方も愛され方も知らなくて、セックスでしか気持を表せない純。『LIFE』という喫茶店が3人を結びつけ、思いがけない事件を生む…。シンプル・レイプ-顔見知りによるレイプ-は、男の犯罪?女にも問題があるのか。男と女の関係を強烈に問いかける問題作。
あたし(志乃)の家族は両親も二人の兄も声楽家なのに、あたしは声が悪い。で、ピアノを弾いてる。でも髪は真っ赤、ピアスをしてて、一目でワルとわかる。ところが、学校の合唱部から、コンクールの伴奏を頼まれた。あたしは断った。あたしのピアノは伴奏のためのものじゃない。それに、指揮者の三村は、はじめて顔を合わせた時、あたしのカッコを見るなり、こんなやつとは…と言った。